2014年12月2日火曜日

マイケルは好きですか?


と訊かれたら、たぶん「いいえ」か「あまり」だろう。
すごく大雑把に言うなら。

好きだった時期もあるのだ。
僕が好きでよく聴いたのは1979〜1983年のマイケル・ジャクソン。
アルバム「オフ・ザ・ウォール」と「スリラー」の頃だ。

「オフ・ザ・ウォール」はクインシー・ジョーンズをプロデューサーに
迎え、マイケルは曲作りやアイディアでも貢献している。

クインシー・ジョーンズは黒っぽさとコンテンポラリーな要素のバランス
感覚というか、さじ加減が絶妙だった。
いわゆるブラコンの走りである。

「Don't Stop 'Til You Get Enough」「Rock With You」は大好きだった。






PVにはぜんぜん金がかかっていない。
マイケルのステップも自由だ。でもめちゃくちゃかっこいい。
(この後は計算され尽くした振り付けになってしまった)

それにこの頃のマイケルは実にいい顔をしている。(整形する前だ)
本人も「オフ・ザ・ウォールを作っていた頃が楽しかった」と言っている。



「オフ・ザ・ウォール」の成功で次のアルバムに期待が集まるのは当然だ。
マイケルとクインシーにはプレッシャーになったらしい。

しかし次の「スリラー」でマイケルは自身の記録を破ることになる。
「スリラー」はさらにアワーアップしていた。

ヴァン・ヘイレンをリードギターに起用した「Beat It」、ムーンウォークが
話題になった「Billie Jean」、そして「Thriller」のゾンビ・ダンス。

MTVはマイケルのPVを流し続けた。
もはや社会現象。マイケルは怪物になってしまった。




整形に伴い、黒っぽさも彼の音楽からだんだん薄れて行ったように思う。
黒すぎるのも苦手だけど上塗りしすぎのブラックミュージックもつまらない。
「オフ・ザ・ウォール」のさじ加減が僕にはちょうどよかった。




1987年にマイケルが来日した時は後楽園球場に見に行った。
最初は喜んでいたのだが、途中から飽きてしまった。何か違うのだ。

最初から最後までプログラムされたショーでマイケルの動きも秒単位で決め
られ、彼はそれを正確にこなしていた。
「オフ・ザ・ウォール」で自由に動き楽しそうだったマイケルではなかった。

それ以降、僕はマイケルから離れた。

マイケルは好きですか?と訊かれたら。。。。、
たぶん「いいえ」か「あまり」だろう。好きだった時期もあるけどね

4 件のコメント:

  1. こんにちは。

    私はLive Aidを境にMTV至上主義の商業音楽と距離をとるようになったので
    マイケルの曲は殆ど知らず、聴いてない音楽を好きか嫌いかの2択で
    書き捨てるのは気が引けるのですが、「King Of Pops」として君臨し
    保守的な大多数の米白人をはじめ世界中をかくも魅了した黒人ミュージシャンは
    音楽史上マイケルが最初だったのではないかなと。
    (もしかしたらスティーヴィー・ワンダーだったかも?)
    黒人差別を受けて苦しんだマイルス・ディヴィスはマイケルの異常人気に
    大変嫉妬していましたので(笑)マイケルが何故これほどまで白人にウケたのか
    その理由には興味があります。

    先日「Beat It」のエディとルークのギター演奏を抽出したトラック音源が
    youtubeにUPされましたのでご紹介しておきます。

    https://youtu.be/zJGlFq7qEKo

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  2. 梟 さん

    クインシー・ジョーンズは黒っぽさと白人ポップ・ロックのバランス感覚
    が素晴らしいですね。つまり人種を超えて売れる音楽を作れる。
    エドワード・ヴァン・ヘイレン起用という発想もクインシーならでは。
    もう一人ヴァン・マッコイがそうでしたが、若くして他界してしまいました。

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  3. こんにちは。

    そうえいば「愛のコリーダ」も白人にバカ受けしてましたね。
    (私、長年この曲を歌っている女性がクインシー・ジョーンズなのかと
    勘違いしてましたよ(苦笑)

    マイルスもクインシー人気にあやかって復活を目論み、'91年のモントルーフェスで
    クインシーが提案したマイルスが心底嫌っていた懐メロ企画を演奏し
    白人人気を取り入れるどころかジャズファンからもブーイングを浴び、
    失意のままその3か月後に亡くなりました(合掌)

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  4. 縞梟 さん

    「愛のコリーダ」はブラコン・ブームに乗って売れましたね。
    パティ・オースチン(デビュー時はデイヴ・グルーシンの秘蔵っ子)、ジェイムス・
    イングラム、イヴァン・リンス(ブラジルの歌手。この人もデイヴ・グルーシンが
    発掘)をメジャーにしました。
    クインシーの最高作と言われるけど個人的にはスタッフ・ライク・ザットが好き。
    ファンキー・ディスコ調だけどポップ感覚もあります。

    この人はレスリー・ゴーアのIt's My Part yを全米1位にし、シナトラのプロデュース
    も手掛け、映画『夜の大捜査線』や『ゲッタウェイ』のサウンドトラックで有名。
    ドラマ『鬼警部アイアンサイド』のテーマは「新聞によりますと〜」でも使われ
    てましたよね。
    キャッチーなイントロやアレンジによる掴みに長けた天才です。

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