(写真:GettyImages)
は2回目となる来日を果たす。(初来日は1970年)(2)
17日 日本武道館、19日 札幌厚生年金会館、20日 新宿厚生年金会館、22日
名古屋市民会館、25日 大阪フェスティバルホール、26日 大阪厚生年金会館
と6回の公演を行う。
大阪での2公演が録音され、ベストテイクとされた14曲がエピックソニー(3)
から日本限定盤LP「Donovan Live In Japan 1973」として発売された。
(当初は新宿厚生年金会館で録音されたが、うまくいかなかったらしい)
おそらく日本のエピックソニーが持ちかけた企画で、日本限定ということで
米エピックも了承したのだろう。
↑カヴァーアートはビートルズ、ストーンズ、リンダ・ロンシュタット、ジェ
イムス・テイラー、イーグルスを手がけたジョン・コッシュが担当した。
レコードコレクターズのドノヴァン特集で「1960年代でその才能のほとんど
を使い果たしてしまったようで残念」と評されていた。
1971年に最高作とも評される「HMS Donovan」を発表しているので、この
評は必ずしも的確とは言えないが、1966〜1973年頃がドノヴァンの全盛期
と言ってもいいだろう。
1973年はドノヴァンの賞味期限ぎりぎり?の完熟期だったかもしれない。
ドノヴァンの魅力は、英国ならではの光と影を感じさせる独特の世界観。
吟遊詩人とも称されるベルベットのような艶のある美しい声。
そして多彩なるフィンガーピッキング(4)によるアコースティックギター。
1973年の日本公演ライヴは全てギター1本による弾き語りだった。
まさにドノヴァンの真骨頂である。じっくり味わえる。
1960年代のヒット曲、代表曲はライヴ盤に収録されていない。(5)
しかし地味ながらいい楽曲が選ばれており、聴きどころが多い。
中でも映画「ハメルンの笛吹き」で歌われた「Sailing Homeward」(6)
「Sadness」は絶品だ。
↓「Sailing Homeward」が聴けます。(CD音源)
https://youtu.be/_GHk6hypguA?si=SI7AELH5x6JtlFIR<CD収録曲> *は新曲
1. Hurdy Gurdy Man (1968年リリース)
2. Only the Blues ( 1973年「Cosmic Wheels」に収録される)*
3. Sadness(1974年「7-Tease」に収録される)*
4. A Working Man(正式にスタジオ録音されていない)**
5. Your Broken Heart (1974年「7-Tease」に収録される)*
6. Universal Soldier(1965年にEPリリース)
7. The Dignity of Man(1973年「Essence to Essence」に収録される)*
8. Hey Gyp (1965年リリース)
9. Tinker Tune(正式にスタジオ録音されていない)**
10. Living for the Love Light (1984年「Lady of the Stars」に収録 )*
11. Josie (1965年リリース)
12. Sailing Homeward(1973年「Essence to Essence」に収録される)*
13. The Ferryman's Daughter(正式にスタジオ録音されていない)**
14. Life Is a Merry-Go-Round(1973年「Essence to Essence」収録)*
バフィー・セント・メリー作の6. Universal Soldier以外はオリジナル。
収録曲の多くが当時はまだ未発表だった新曲(上記リストの*)で、
後にアルバムに収録されるが、ここで聴けるシンプルな弾き語りヴァージ
ョンの方がはるかに出来がいい。
4. A Working Man、9. Tinker Tune、13. The Ferryman's Daughter
の3曲(*)はいまだに公式スタジオ録音で発表されていない、貴重な音源だ。
↑LPジャケット裏面。忍者ごっこが楽しかったらしい。
このライヴ盤は一度も再発されたことはなく、CD化されることもなく、
世界中のファンの間でも最もレアと言われてきた。
長年CD化を心待ちにして来たが、日本のエピックは洋楽を手放しているし、
RHINOなどリイシュー専門のレーベルから出る気配もない。
あまり売れないと踏んだのだろう。
しかもCDがほとんど廃れ、配信への移行が急速に進む昨今。
もはや実現しないと諦めていたところに、突然のCDリリースで驚いた。
中面には曲名、クレジット、ドノヴァンのメッセージ、映像監督のメモが
味気ないくらいあっさり一色で印刷されている。(金をかけていない)
裏面は和室で浴衣を着たドノヴァン&リンダ夫妻のどーでもいい写真。
LPのライナーノーツには北中正和の評、小倉エージと中川五郎の電話対談
が載っていたが、それはサイト↓で見てね〜ということらしい。
https://donovan.ie/liveinjapan/
出版はABCKOレーベルと記載。アラン・クレインのABKCO のことか?
ABCKOはストーンズの海賊盤を出しているレーベルだが。。。
↑ゼマティス・ギターのデザインのピクチャー・ディスク。カッコいい!
今回のCD化はリマスター。リミックスではない。
つまり1973年の最終ミックスをそのままリマスタリングしている。
ボーカルとギターが左右泣き別れ。しかも1曲ごとに左右入れ替わり不自然。
客席の声や拍手のみステレオ感がある。(7)
写真を見る限りボーカルに1本、ギターに1本、マイクがセットされている。
たぶん客席に左右1本ずつ。4トラック・レコーダーで済みそうだ。
ボーカルとギターをセンターという定石ミックスだとモノラルになる。
そのために左右に定位させたのだろう。とはいえ、このミックスは極端だ。
↑赤い座布団?の上で胡座をかいて弾き語りがドノヴァンの定番スタイル。
ボーカルにはかなり深いリバーヴがかけられている。
ライヴの臨場感を出すためと、左右泣き別れを音を回すことで濁らせる
目的だったの思われるが、やりすぎ。
なんかドノヴァンが銭湯で歌ってるのを想像してしまう(笑
またリバーヴによって歯擦音(サシスセソを発音する際の摩擦音)が強調
されてしまった。
クレジットではプロデューサーはCBSソニーの菅野ヘッケル( 敏幸)氏
(ディラン担当ディレクター)、コンサートのエンジニアは日本のスタッフ
(Tomoo Suzuki)、ミックスダウンはMike Bobak氏が務めている。(8)
1. Hurdy Gurdy Man (1968年リリース)
2. Only the Blues ( 1973年「Cosmic Wheels」に収録される)*
3. Sadness(1974年「7-Tease」に収録される)*
4. A Working Man(正式にスタジオ録音されていない)**
5. Your Broken Heart (1974年「7-Tease」に収録される)*
6. Universal Soldier(1965年にEPリリース)
7. The Dignity of Man(1973年「Essence to Essence」に収録される)*
8. Hey Gyp (1965年リリース)
9. Tinker Tune(正式にスタジオ録音されていない)**
10. Living for the Love Light (1984年「Lady of the Stars」に収録 )*
11. Josie (1965年リリース)
12. Sailing Homeward(1973年「Essence to Essence」に収録される)*
13. The Ferryman's Daughter(正式にスタジオ録音されていない)**
14. Life Is a Merry-Go-Round(1973年「Essence to Essence」収録)*
バフィー・セント・メリー作の6. Universal Soldier以外はオリジナル。
収録曲の多くが当時はまだ未発表だった新曲(上記リストの*)で、
後にアルバムに収録されるが、ここで聴けるシンプルな弾き語りヴァージ
ョンの方がはるかに出来がいい。
4. A Working Man、9. Tinker Tune、13. The Ferryman's Daughter
の3曲(*)はいまだに公式スタジオ録音で発表されていない、貴重な音源だ。
このライヴ盤は一度も再発されたことはなく、CD化されることもなく、
世界中のファンの間でも最もレアと言われてきた。
長年CD化を心待ちにして来たが、日本のエピックは洋楽を手放しているし、
RHINOなどリイシュー専門のレーベルから出る気配もない。
あまり売れないと踏んだのだろう。
しかもCDがほとんど廃れ、配信への移行が急速に進む昨今。
もはや実現しないと諦めていたところに、突然のCDリリースで驚いた。
↑1973年のカヴァーアートを踏襲。横長・変型サイズの紙ジャケット。
今回は1973年日本ツアーから50周年を記念して、ドノヴァンのオフィシャル・
サイトでの数量限定発売である。
リマスターされたライヴ・アルバム(CD)+レストアされた来日時の記録
映像「YELLOW STAR」(DVD)のセットになっている。
筆者は昨年12月にオーダーを入れ、2週間ほどで届いた。
スペインでプレスされたらしい。
装丁はえらく簡素である。海賊盤でももっと気の利いた装丁にするだろう。
開くと観音開きになっていて左右にCDとDVDが裸で入っていた。
今回は1973年日本ツアーから50周年を記念して、ドノヴァンのオフィシャル・
サイトでの数量限定発売である。
リマスターされたライヴ・アルバム(CD)+レストアされた来日時の記録
映像「YELLOW STAR」(DVD)のセットになっている。
筆者は昨年12月にオーダーを入れ、2週間ほどで届いた。
スペインでプレスされたらしい。
装丁はえらく簡素である。海賊盤でももっと気の利いた装丁にするだろう。
開くと観音開きになっていて左右にCDとDVDが裸で入っていた。
中面には曲名、クレジット、ドノヴァンのメッセージ、映像監督のメモが
味気ないくらいあっさり一色で印刷されている。(金をかけていない)
裏面は和室で浴衣を着たドノヴァン&リンダ夫妻のどーでもいい写真。
LPのライナーノーツには北中正和の評、小倉エージと中川五郎の電話対談
が載っていたが、それはサイト↓で見てね〜ということらしい。
https://donovan.ie/liveinjapan/
出版はABCKOレーベルと記載。アラン・クレインのABKCO のことか?
ABCKOはストーンズの海賊盤を出しているレーベルだが。。。
↑ゼマティス・ギターのデザインのピクチャー・ディスク。カッコいい!
今回のCD化はリマスター。リミックスではない。
つまり1973年の最終ミックスをそのままリマスタリングしている。
ボーカルとギターが左右泣き別れ。しかも1曲ごとに左右入れ替わり不自然。
客席の声や拍手のみステレオ感がある。(7)
写真を見る限りボーカルに1本、ギターに1本、マイクがセットされている。
たぶん客席に左右1本ずつ。4トラック・レコーダーで済みそうだ。
ボーカルとギターをセンターという定石ミックスだとモノラルになる。
そのために左右に定位させたのだろう。とはいえ、このミックスは極端だ。
↓「Tinker Tune」が聴けます。この曲が聴けるのはこのライヴ盤だけ。
↑赤い座布団?の上で胡座をかいて弾き語りがドノヴァンの定番スタイル。
宗教服なのか?中世の貴公子のコスプレか?この人の好みらしい。
ブルーに見えるが照明のせいで、本当は銀色っぽい白。シルクだろう。
(初日の武道館では紫の羽織だった、緑の上下だったという証言がある)
ライヴの臨場感を出すためと、左右泣き別れを音を回すことで濁らせる
目的だったの思われるが、やりすぎ。
なんかドノヴァンが銭湯で歌ってるのを想像してしまう(笑
またリバーヴによって歯擦音(サシスセソを発音する際の摩擦音)が強調
されてしまった。
クレジットではプロデューサーはCBSソニーの菅野ヘッケル( 敏幸)氏
(ディラン担当ディレクター)、コンサートのエンジニアは日本のスタッフ
(Tomoo Suzuki)、ミックスダウンはMike Bobak氏が務めている。(8)
できればミックスダウンをやり直し、LP未収録曲をボーナストラックに
加えて欲しかった。
来日時の記録映像「YELLOW STAR」(DVD)の方は、ドノヴァンの知人
で映画監督のンソニー・フーツが、来日の様子を撮影した未公開映像。
(非公式に出回っていたビデオテープと内容は同じ)
ホテルの部屋、忍者ごっこに興じるドノヴァンとリンダさん、ホテルの
中庭で「Sailing Homeward」、芸者を前に「Tinker Tune」を歌う様子、
大阪フェスティヴァル・ホールの会場と当時のファンたち、ライヴ映像。
↓「YELLOW STAR」のトレーラーが見られます。
https://youtu.be/-7gCttSbdJs?si=6FCabJ8j8WK7JJ6b
12弦ギターで歌う「Cosmic Wheels」(CDに未収録)「Sadness」
(CD収録とは別テイク)「Happiness Runs」(CDに未収録)のライ
ジャケットの両手を上げ指さしているポーズは、「Happiness Runs」の
コーラスを客席に促しているところだった!
フィルムはレストアされ、オーディオテープはリマスタリングされている
らしいが、16mmフィルムなので画像は鮮明でなく、音もHi-Fiではない。
↓1973年大阪フェスティヴァル・ホールでの「Sadness」が見れます。
https://youtu.be/SXv_Bycv6rc?si=8Z7-Kg2Q2tBCtRwc
DVDは我が家のソニー製ブルーレイ・レコーダーで再生できなかった。
リージョンの違いか(9)NTSC方式とPAL方式の違いか(10)と問い合わせたが、
リージョン・オールで日本でも再生できるとの返事だった。
NTSC方式かPAL方式か?については返答なし。解らないようだ。
ディスクの不良かもしれない。もう一枚送ってもらったが同じだった。
CD/DVDスロット付きの古いMacを引っ張り出してきたら無事、再生できた。
DVD再生不能の原因として考えられるのは・・・
1)PAL方式のDVDのため国内で再生できない
2)ソニー製品は気難しく他に対して厳しいので拒否(→よくある話)
まあ、小さい画面ではあるけど、一度見れたからよしとしましょう(笑
↑ゼマティス・ギターを弾くドノヴァンの手元もしっかり写っている。
1973年の来日公演でドノヴァンが使用した不思議な形のギターは、英国
のギター・ビルダー、トニー・ゼマティスの特注品。(12)
艶消しのブラックのボディー、三日月形のサウンドホール、指板のポジシ
ョンマークが星、とユニークな仕様になっている。
ウォームなJ-45サウンドが聴けないのは残念だが、ゼマティスのクリアー
来日時の記録映像「YELLOW STAR」(DVD)の方は、ドノヴァンの知人
で映画監督のンソニー・フーツが、来日の様子を撮影した未公開映像。
(非公式に出回っていたビデオテープと内容は同じ)
ホテルの部屋、忍者ごっこに興じるドノヴァンとリンダさん、ホテルの
中庭で「Sailing Homeward」、芸者を前に「Tinker Tune」を歌う様子、
大阪フェスティヴァル・ホールの会場と当時のファンたち、ライヴ映像。
↓「YELLOW STAR」のトレーラーが見られます。
https://youtu.be/-7gCttSbdJs?si=6FCabJ8j8WK7JJ6b
12弦ギターで歌う「Cosmic Wheels」(CDに未収録)「Sadness」
(CD収録とは別テイク)「Happiness Runs」(CDに未収録)のライ
ヴ映像も見られる。
ジャケットの両手を上げ指さしているポーズは、「Happiness Runs」の
コーラスを客席に促しているところだった!
フィルムはレストアされ、オーディオテープはリマスタリングされている
らしいが、16mmフィルムなので画像は鮮明でなく、音もHi-Fiではない。
↓1973年大阪フェスティヴァル・ホールでの「Sadness」が見れます。
https://youtu.be/SXv_Bycv6rc?si=8Z7-Kg2Q2tBCtRwc
※CD収録テイクと別テイク(CD音源は大阪厚生年金会館での録音)
モノラルでHi-Fiではない。
サビのHere in my dream tonightのinで低音弦のミストーンを出し、すぐ
正しい音に移動、レコードではエンディングはEのコードを流してからEmを
弾くが、動画ではいきなりEmで終わるなど、違いが聴ける。
DVDは我が家のソニー製ブルーレイ・レコーダーで再生できなかった。
リージョンの違いか(9)NTSC方式とPAL方式の違いか(10)と問い合わせたが、
リージョン・オールで日本でも再生できるとの返事だった。
NTSC方式かPAL方式か?については返答なし。解らないようだ。
ディスクの不良かもしれない。もう一枚送ってもらったが同じだった。
CD/DVDスロット付きの古いMacを引っ張り出してきたら無事、再生できた。
DVD再生不能の原因として考えられるのは・・・
1)PAL方式のDVDのため国内で再生できない
2)ソニー製品は気難しく他に対して厳しいので拒否(→よくある話)
まあ、小さい画面ではあるけど、一度見れたからよしとしましょう(笑
↑ゼマティス・ギターを弾くドノヴァンの手元もしっかり写っている。
ドノヴァンといえば、1965年夏から使用しているチェリーサンバーストの
ギブソンJ-45(11)のイメージが強いが、1970年代の初頭に英国のコンサ
ギブソンJ-45(11)のイメージが強いが、1970年代の初頭に英国のコンサ
ートホールで盗難に遭っている。
のギター・ビルダー、トニー・ゼマティスの特注品。(12)
艶消しのブラックのボディー、三日月形のサウンドホール、指板のポジシ
ョンマークが星、とユニークな仕様になっている。
ウォームなJ-45サウンドが聴けないのは残念だが、ゼマティスのクリアー
できらびやかな音もこの時期のドノヴァンを彩るサウンドだ。
<脚注>
<脚注>