2024年2月16日金曜日

「What a Fool Believes」パクり疑惑曲?を集めてみた。




「What a Fool Believes」はドゥービー・ブラザーズだけでなく、音楽業界
全体に大きな影響を与えた。
歌手、ミュージシャン、プロデューサー、作曲家、アレンジャーたちはこの
曲の中毒にかかり、マイケル・マクドナルド調を真似をしたものだ。

そして1980年年代初頭、多数の「What a Fool Believes」もどき、マイケル
・マクドナルドのパクりが量産される。
その結果、AORの定型化の一因となってしまう。マンネリ化だ。

またかよ!変わり映えしない同じリズム、鼻につく同じサウンド。
都会的でオシャレなイメージにもいいかげん飽きてしまう。
うんざりだ、お腹いっぱい、もう聴きたくない、と思うようになる。




(写真:GettyImages)



今回はそんな「What a Fool Believes」もどき、クセになるマイケル・マク
ドナルド風の曲をご紹介しよう。







↓ロビー・デュプリーのデビュー曲「Steal Away」(1980年)
一人ドゥービーとも言われた。笑っちゃうね。風貌もなんとなく。。。
https://youtu.be/qvvhCzDobRE?si=wJGPQ2XM9iTy96Hl




↓エイミー・ホーランドの「Show Me The Way Home」
(1979年)
ご主人のマイケル・マクドナルドが作曲とプロデュースを手がけている。
似てるのも当り前っちゃー当たり前。





↓ポインター・シスターズの「He's so Shy」(1980年)
ブラック・コンテンポラリーにもパクりが拡がった。
https://youtu.be/a2yY4zXLEnU?si=BCEw-hpFhsbHQ_Aj






↓ジャイムス・イングラムの「Yah Mo B There」(1983年)
似てるのも当然。マイケル・マクドナルドが共作で歌でも参加してる。
(クインシー・ジョーンズも共作にクレジットされている)
https://youtu.be/HQ1nvhLf1EU?si=f7QKXxyaGXsyxx8m




改めてマイケル・マクドナルドってブルーアイド・ソウルなんだな〜
とつくづく思う。
彼のルーツはモータウンらしいし。




↓ドナルド・フェイゲンの「I.G.Y.」(1982年)
スティーリー・ダン出身だから同じ穴の狢?でどことなく似てる。
https://youtu.be/Ueivjr3f8xg?si=sjYG8fx-mAtulZVu





↓ウィルソン・ブラザーズの「Can We Still Be Friends」(1979年)
https://youtu.be/EfaZAp4DJWc?si=QGUOsOzWdjvZZ3Xv
トッド・ラングレンのオリジナル(1978年、What a Fool Believes
より先に発表)に忠実。似てるのは偶然?






↓ジョン・ヴァレンティの「Stephanie」(1981年)→確信犯だな。
https://youtu.be/ksK-Sizcj-E?si=iOjyMmoKJvbI0wyM






↓ロニー・ミルサップの「If You Don't Want Me To」(1980年)
カントリー歌手だが、もろパクってる。
https://youtu.be/TVhrSI6ZZR0?si=hcPNjhfpDwF0mtu7



↓ブルックリン・ドリームズの「I Won't Let Go」(1980年)
キーボードのカウンターメロディ、リズムのキメや転調まで似てる。
https://youtu.be/AOTMiTPlrsQ?si=tFPHUukZvs0xXp5h



        ↑カヴァーアートの写真はノーマン・シーフ撮影だと思う。




↓ブラジルの歌手ヒタ・リーリタの「Lança Perfume」(1980年)
https://youtu.be/zFIqVUrh3zw?si=j66GRwXhnbSeTeCR


↓ジョン・オヴァニオンの「Our Love」(1982年)
この人が出てきた時はいよいよAORもおしまいと思った。
https://youtu.be/gmZlfH5ORtU?si=szlDXSMhoQSChBfR




↓クリストファー・クロスの「All Right」(1983年)
ぎりぎりセーフかなー。やっぱ似てる気がする。
https://youtu.be/yGKeY0NfT84?si=I3-ECY0rLMz2_PBt





↓セルジオ・メンデスの「Never Gonna Let You Go」(1983年)
作曲はジョンとポールも憧れたシンシア・ウェイル=バリー・マン。
デヴィッド・フォスターかジェイ・グレイドンの曲っぽい気もする。
難解なコード使い、歌メロ途中の転調を繰り返す点、サウンドの面
でもマイケル・マクドナルドの影響があったと思わせる。
いい曲だ。歌はジョー・ピザロ&リーザ・ミラー。懐かしい〜。
https://youtu.be/ZtcfEMf3NxU?si=vKCTVOG2wFWn98LX






↓カーラ・ボノフの「Somebody's Eyes」(1984年)
この人までとは。とほほ・・・
https://youtu.be/3G69aXG8C98?si=PukiKIvfJnNM0MyO



↓キャプテン&テニール「Love Will Keep Us Together」(1975年)
実は「What a Fool Believes」の元ネタはこれ!という説が有力。
https://youtu.be/GpBZNh70uhA?si=KPrEW8F7UiLpiS6f







「What a Fool Believes」の影響は日本のポップス界にも



松任谷由実「サーフ天国、スキー天国」(1980年)
名盤「SURF & SNOW」収録曲。
https://youtu.be/dEWiaN19e44?si=WQSxwlxYuLTe4GHd

↓松任谷由実「灼けたアイドル」(1980年)
これも「SURF & SNOW」収録曲。
https://youtu.be/yDTqpabiDwo?si=p_axp0n0_y1t3WDp




↓松任谷由実「土曜日は大キライ」(1986年)
https://youtu.be/hav99UbwXeE?si=rUtzru1hfWZHuQCO



松任谷正隆氏が強引にリアレンジ?思いきや、ご本人のお気に入り。
自身のラジオ番組のイントロ特集で「What a Fool Believes」を
取り上げたことがあるらしい。

「いままでの音楽体験を振り返っても衝撃的なイントロだった」
と言っている。
上述の3曲は「What a Fool Believes」の影響をユーミン流ポップス
へと見事に昇華した傑作と言ってもいい。



当然、筒美京平先生も放っておくわけがない。
さりげなくマイケル・マクドナルドを作品に取り入れている。



↓大橋純子「たそがれマイ・ラブ」(1978年 作曲:筒美京
カーリー・サイモンとマクドナルド共作、ドゥービーズでも取り
上げた「You Belong To Me」が元ネタ?
https://youtu.be/jSSXP7dju8w?si=nz4G8F4tbU3sdmEF




↓麻倉未稀「女嫌い」(1982年 作曲:筒美京
マイケル・マクドナルドがソロ名義で発表した「I Keep Forgettin'」
に似ている。
https://youtu.be/ZEujDKtvQhM?si=yNDHzCAVi1z1Vt92





↓佐野元春「Good Vibration」(1981年)
https://youtu.be/OxSX3Y6rqPY?si=ub1qdELMY4jIWpC5



松田聖子「Sailing」(1981年 作曲:財津和夫)
https://youtu.be/c00MTEOY8rM?si=3KvRgdbpxVfdUZSx







↓和製AORといえばこの人!角松敏生「Rush Hour」(1982年)
https://youtu.be/SlmQbZzqrZs?si=UPn_CqCoVKs337PE



↓安全地帯「Happiness」(1984年 シングルB面)
https://youtu.be/oU8kE0gKpS0?si=RcoSOIAqWSnwSo8R





↓KAN 「言えずのI LOVE YOU」(1988年)
https://youtu.be/42VN273Qj7w?si=xhVF1uGj75U5keeD
KAN作曲の「水色想い」(2009年 歌:真野恵里菜)も似てた。

↓岡村靖幸「だいすき」(1989年)
https://youtu.be/Kselw7eUfDM?si=XqwK1HXspKcZjlSl



洋楽は1980年代にマイケル・マクドナルド風の曲調、ピアノのリフ
をパクった曲が大量に流通したが、その後は沈静化した。

一方、日本のポップスでは2000年代になって作り手が世代交代
してから、再びマイケル・マクドナルドもどきがちらほら出現。







たぶんだけど、英語圏の国と比べると日本では1970〜1980年代の
洋楽を一般の人が耳にする機会は減る。

2000年以降は国内の音楽マーケットは圧倒的に邦楽>洋楽である。
だからアーティストたちには「What a Fool Believes」が新鮮に聴
こえるし、リスナーに振ってもネタバレしにくい。
あー、あれをパクったのね、と思うのは中高年だけだ。

いずれにしても「What a Fool Believes」は時代が変わっても通用
することが、日本で証明されたわけだ。




↓AIKO「心日和」(2001年)
https://youtu.be/EXBcw8HBwnM?si=C-jW2_Xn3flVKJP8


Sugar's Campaign「ネトカノ」(2012年)
https://youtu.be/mQnZKV6Q_Y8?si=3uVxfqqV7yAom7n9





指田郁也「パラレル=」(2013年)
https://youtu.be/qKOarXHamJA?si=_RiiZpcaZMfcgrCp



 ↓キリンジ「非ゼロ和ゲーム」(2018年)
https://youtu.be/sgHpHH4gJFc?si=aVnEo-7zmyotjc78





↓TOMOO 「らしくもなくたっていいでしょう」(2020年)
らしくもなくたっていいでしょう〜♫のリフレイン部で聴ける。
https://youtu.be/rO65z_od33c?si=X30hw_q5U4UX0jVg



↓藤井風「花」(2023年)
https://youtu.be/rY3JFD52ipk?si=FvZ1ZrXWnPIBL8eL




※藤井風は「What a Fool Believes」もカヴァーしている。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。

    よくもまぁこんなにパクリ疑惑曲を思いつきますね(笑)
    今後はヒット曲のサンプリングソースをAIで解析して同じような曲がゴロゴロ生まれるんでしょうね。

    私にとってAORの代表格はボズ・スキャッグスです。
    (「we are all alone」のパクリ疑惑曲も数多くあるのではないでしょうか)

    当時はクロスオーバーという言葉を使っていたと思いますが
    ロックやジャズ、R&Bソウルなど様々なジャンルがミックスして
    このAORテイストを利用して80年代に大躍進したロックバンドがtoto。
    寺尾聡の「リフレクションズ」なんかもろtotoですけど
    バックは和風totoのパラシュートなのでさもありなんと思った次第。

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  2. >縞梟さん

    こんにちは。
    この他にもそっくりさんがいっぱい存在してたと思います。

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