2014年12月16日火曜日

水車はあの日のまま唄っている。


ガロのマークこと堀内護さんが亡くなった。
今ごろ天国でトミーと仲良くセッションでもやってるのだろうか。

僕は和製フォークをあまり聴かなかったが吉田拓郎とガロは大好きだった。
両方ともジメジメ貧乏くさくないのと洋楽の匂いがするのがよかった。


ガロにはいい曲がいっぱいあるが一番思い出深いのは「水車は唄うけど」だ。
これはガロのオリジナルではなく山上路夫/すぎやまこういちの作品である。

レコード会社の意向で歌謡曲の作家に頼ることになった(本人たちとしては
いささか不本意だっただろう)2枚目のアルバムに入っている。

それでもアコースティックの美しいアレンジに仕上げているのはさすがだ。
ピアノは大野克夫氏が弾いている。


↓写真をクリックすると試聴できるページに飛びます。























高校3年の春だったと思う。
友人と僕は放課後、誰もいない古びた講堂でこの曲を録音した。

いくつか音が出ない鍵盤のあるくたびれたピアノを僕が弾き友人が歌った。
ソニーのカセットレコーダーで録音し、家に帰って生ギターでリフを重ねた。

演奏はたどたどしい。ノイズも多い。
充分な機材もないから多重録音といっても左右の泣き別れである。
残響が多い講堂とデッドな僕の部屋で録った音では違和感もある。

それでも僕たちは喜んだ。その録音はいまでも残っている。


9年前に今では遠く離れたその友人が遊び来てくれた。
僕たちはギター2台で「水車は唄うけど」と「四葉のクローバー」をやった。

つかの間だけど僕たちは高校生に戻った。あの日のままだった。

2 件のコメント:

  1. ガロの試聴を聴いていて、ふとビートルズのハーモニーと雰囲気が
    似ているのかなあと感じました。
    そんなところにも、イエロードッグさんが、和声フォークの中でもガロが
    好きな所以があるのかなあと思ったのですが。
    9年前の「四葉のクローバー」の演奏聴かせていただきましたよね。
    それを聴いて、私もガロの唄が好きになったんですよ。

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    1. >Mary Ppmさん

      デビュー前のガロはライブハウスで「アビーロードのB面目メドレーを
      生でやっちゃうバンド」と評判になっていたそうです。
      ガロが出て来た頃は洋楽の匂いがぷんぷんでした。
      だから好きになったんでしょうね。
      CS&Nの「青い目のジュディー」のカバーとか完璧でしたよ。
      ラジオ番組にゲスト出演した時はリクエストを受けてその場でいきなり
      アカペラで「ビコーズ」をきれいにハモってました。

      「四葉のクローバー」もかまやつさんのオリジナルを凌駕してます。
      大野さん(ボーカル)がマークを偲ぶ追悼文を載せてました。
      http://ohno-masumi.syncl.jp/?p=diary&di=1058738
      しみじみといい文章です。
      当時の雰囲気も伝わって来ます。
      これを読むとガロとかまやつさんとの縁もよく分ります。

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