2015年2月16日月曜日

大空の広さを風は知らない。


「風は知らない」はタイガースのシングル盤「美しき愛の掟」(1969年4月)の
B面に収められているどちらかと言うと地味な、でも僕が一番好きな素曲だ。

A面の「美しき愛の掟」は重厚感のあるロック色の強いミデイアムスロー曲で、
GSからロックバンドへの移行、沢田研二+バックバンドとしてのタイガース
(渡辺晋社長の方針)を感じさせる作品だった。

対してB面の「風は知らない」は牧歌的な美しいフォークロック調の曲である。
(作詞:岩谷時子/作曲:村井邦彦)
こちらもいち早くフォーク・ブームを取り入れた感がある。




※ジャケット写真をクリックするとiTunesの試聴ページに飛びます。
(「風は知らない」はDISC2の2曲目)


レコード発売前に加橋かつみが脱退し岸部シローが加入という騒動があった。
そのためジャケットは加橋の顔をぼかす処理がされている。

「美しき愛の掟」は岸部シローで後半入るコーラスを録り直しした。
しかし「風は知らない」では加橋かつみのコーラスがそのまま採用された。

つまり「風は知らない」は加橋かつみの声が聴ける最後の作品なのである。

僕は加橋かつみのビブラートのかかった繊細な高音がタイガースには欠かせない
と思っているので、これ以降のタイガースはつまらなくなった。
ビジュアル的にも加橋かつみを含むあの5人はとてもバランスが良く、魅力的で
もあった。

当時メンバーが失踪した加橋かつみにラジオで呼びかけていたのを思い出す。


風は飛ぶ 枯草の上を 空にある幸せさがしながら
風は泣く 大空の胸を 淋しさに夜更けもめざめながら 

きれいな虹にめぐりあう日を ただ夢みて 雲の波間をさまよう 

昨日鳴る鐘も明日はない 大空の広さを 風は知らない

2 件のコメント:

  1. こんにちは。

    私もこの歌は大好きです。
    たまたま当時のライブ音源を持っているのですが、個人的には
    スタジオよりもライブが好きです。
    タイガースってやっぱりライブバンドですね。

    私もイエロードッグさんの意見にまったく同感で、声のトーンや
    ビジュアル的なバランスなど、加橋かつみがいた頃が好きだったので
    脱退後は急激に興味が失せてしまいました。

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    1. >proviaさん

      A面よりもこっちばかり聴いていた記憶があります。
      タイガースってB面もいい曲が多かったですよね。
      「風は知らない」はライブでも演奏してたんですか。
      当時だとアコースティックギターをアンサンブルで鳴らすのは
      無理だったでしょうからアレンジも違うんでしょうね。

      加橋かつみがいた頃のタイガースはカッコよかったです。
      あの5人が楽器を持って演奏してると絵になりました。
      ビートルズと違って身長はバラバラなんですけど、5人そろうと
      それがうまくまとまってるんですよね。
      加橋かつみのビブラートの効いた繊細な高音も、沢田研二とは
      また違った魅力がありました。

      私も加橋かつみ脱退後のタイガースはあまり好きではないです。
      「Smile For Me」までは聴いてましたけど。
      その頃だんだん洋楽ロックに興味が移りましたしね。

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