一昔前までは僕だって、夏だ!海だ!ビーチボーイズ!的なステレオタイプの
認識しか持ち合わせていなかった。
初期のヒット曲は知ってるけど夏に車で聴く音楽という位置づけだった。
メンバーの名前と顔も一致しないし、もちろん声も聴き分けられない。
ヘタしたらジャン&ディーンとの区別さえつかないくらいだった。
名盤「ペットサウンズ(Pet Sounds)」を聴いてもさほど感銘を受けなかった。
ビーチボーイズにハマったのは知人が聴かせてくれた「パーティー(Beach Boys'
Party!)」というアルバム(1965年)がきっかけだ。
ガールフレンドや奥さんをスタジオに呼んでパーティー形式で演奏したスタジオ
・ライブを録音したものである。
アコースティックギター、ベース、ボンゴのみというシンプルな楽器編成は、
元祖アンプラグドと言えるかもしれない。
ボーカルも演奏もラフでかけ声や笑い声なども入っていて楽しそうだ。
とは言っても、さすがビーチボーイズ!ハーモニーは完璧である。
↑写真をクリックするとYouTubeで曲が聴けます。
テキトーなようだが実はブライアンの入念なプロダクションが施されている。
曲の後で聞える笑い声やお喋りはオーバーダビングされたものである。
それでも和気あいあいの楽しそうな雰囲気は伝わって来る。
「I Should Have Known Better」「Tell Me Why」「You've Got To Hide Your
Love Away」とビートルズを3曲もカバーしているのもおもしろい。
(「Ticket To Ride」も録音されたがボツになった)
ディランの「The Times They Are A-Changin'」やエヴァリーブラザーズでヒット
した「Devoted To You」、クリスタルズの「There's No Other (Like My Baby)」
(作曲はフィル・スペクター)も聴き所である。
実はこのアルバムは苦肉の策で生まれた穴埋め的作品だった。
ブライアンは「ペットサウンズ(Pet Sounds)」の構想を練るため時間が必要だ
ったため、キャピトル・レコードからのリリース要求に応えるためこのスタジオ
ライブを思いついたのだ。
とにかく僕はこれがきっかけでビーチボーイズのファンになり、全アルバムを
大人買いして夏じゃなくても聴くようになった。
ブライアン・ウィルソンの来日は3回とも見に行っている。
音楽って恋に似ている、と僕は思う。
今までさほど気にならなかった相手がふとしたきっかけで気になる存在になって
、どんどん深みにはまって夢中になってしまう。。。。
だから音楽っておもしろい。自分でも予想がつかないからね。
0 件のコメント:
コメントを投稿