2020年4月26日日曜日

パンデミック下の「無常の世界」と「孤独」。

One World:Together at Home、みなさんはご覧になりましたか?
僕はフジテレビが深夜に放送したのを、飛ばしながら見たいとこだけ見ました。

字幕はありがたいけど、三田友梨佳アナと松任谷正隆の解説はいらないと思う。
日本のテレビ局ってどうしてもこういうのをくっつけたいのかしらん。


このイベントをキューレーション(人選)したレディー・ガガはエライと言いたいが、
WHOのテドロス事務局長をスーパーマンとベタ褒めしてたのは解せない。

この人の中国忖度とパンデミック宣言の遅れが問題視されてるのは事実なのに。
どうやらガガは反トランプで、トランプの攻撃対象=味方ということらしい。
それと主催がGlobal CitizenとWHOだから忖度しちゃったのかな?






それはともかく、内容はというと。
(ほとんど飛ばし飛ばし、で一部の出演者のパフォマンスしか見てないけど)

ポールのLady Madonnaレイ・チャールズ風エレピ弾き語りが予想以上に良い。
母親が看護婦であったことを語り、医療現場で働く人たちにエールを送った。
歌詞もテーマに合ってるし。
(子供の世話をしながら働く女性のお金の工面を気づかう歌だ)


そしてストーンズのYou Can't Always Get What You Want(無常の世界)。
さすが!自宅でそれぞれリラックスしててもストーンズはストーンズ。
大物の存在感を見せつけた。

欲しいものがいつでも手に入るとは限らない、というメッセージもテーマに合ってる。
トランプが選挙活動でこの曲を勝手に使っていることへの皮肉でもあり粋だと思う。




↑ストーンズのYou Can't Always Get What You Wantが視聴できます。


Zoom(Web会議ツール)みたいな4分割画面。ミックが3人に声をかけ歌い出す。
キース、ロン、チャーリーの順で加わる。4人とも自宅からのリモート・セッション。

ミックがギブソン・ハミングバードをスタンダード・チューニングのCで演奏。
(オリジナルはキースがオープンGチューニングで5フレットにカポでCを弾いてる)


キースもスタンダード・チューニング。なんかやる気ない?ちゃんと歌ってない?
だいたいこういう曲に不向きなマーティンの00-21なんか弾いてるし(笑)
ま、その不真面目なとこがキースらしいんだけど。

次はロンのフェンダー・ストラトキャスターによるオブリ。がんばってんじゃん。
この曲のオリジナルはブライアン不在の4人で録音(1969)。
ミック・テイラーも加入していないし、ロンに交代するなんて想像できなかった。


極めつけは何やら機材を入れる箱みたいなモノをポコポコ叩くチャーリーである。
傍にあるソファーをシンバルに見立てて叩き、お馴染みのスティックくるくるも披露。
(音はちゃんとシンバルも含めドラムの音になっているので、予めガイドトラック
録音してあってそれに合わせてると思われる)



絵的にはやっぱ、テイラー・スウィフトが見られてうれしい(^^v)
ビヨンセはメッセージだけ。アカペラで何か歌ってくれればよかったのに。



新型コロナウイルス感染拡大を受けての大物のコラボはこれからも出てきそうだ。

へ〜、と思った意外な共演がジェフ・ベック&ジョニー・デップ。
ジョン・レノンのIsolation(孤独)のカヴァー音源がYouTube公開されている。




↑クリックするとジェフ・ベック&ジョニー・デップのIsolationが視聴できます。
英語の歌詞付き。だいたい言ってることは伝わると思う。


ジョニー・デップの歌は味があるが、このヴァージョンを特別なものにしているのは、
ジェフ・ベックのギターの切れ味と凄みが大きいだろう。
(近年ベックと組むことが多いヴィニー・カリウタ(ds)とロンダ・スミス(b)が参加)




↑5/13にパフォーマンスも公開されました。写真をクリックすると観られます。


ジェフ・ベックは今回のカヴァーについて次のように語っている。
「ジョニーとはここのところしばらく一緒に音楽を作ってきたんだ。
この曲は昨年一緒にスタジオに入ってレコーディングした時にできた音源なんだ。
こんなに早いタイミングでリリースするとは思っていなかったけど、現在のこのハード
状況や、このチャレンジングな時期に本当の孤独(Isolation)を感じている人たち
のことを考え、今こそこの曲を皆に届ける時だ、と感じたんだ。
ジョン・レノンの偉大な楽曲を俺たちなりにアレンジした音源を聴いて、少しでも心を
休めて、連帯感を感じてもらえたらいいと思っている」


ジョニー・デップは次のように続けている。
「ジェフ・ベックとこのIsolationを去年レコーディングしたんだ。
美しいジョン・レノンの曲を自分たちなりに料理してね。
We’re afraid of everyone. Afraid of the Sun!(僕たちはみんなを恐れている、
太陽さえも恐れている!)というジョンの歌詞は、今のこの状況において非常に意味
深い言葉だ。
この曲は孤独についての歌であり、恐怖やこの世界の現存への危機ついて歌っている。
だからこそ、この曲をみんなに届けたいと思った。
ともにこの孤独な状況を耐えながら時を過ごしていく何かの助けになれば嬉しいよ」


ジョンの元歌も聴いてみよう。



↑写真をクリックするとジョン・レノンのIsolationが視聴できます。


この曲はビートルズ解散後初のジョンのソロ・アルバム「ジョンの魂」 (John Lennon
/Plastic Ono Band 1970) のA面最後に収録されていた。


ジョンはプライマリー療法(人間心理の奥深くに潜む苦痛を呼び覚まし、幼少期の記憶
にまで遡って、すべてを吐き出すという治療法)を受けた直後で、このアルバムでは
苦悩や感情をありのままに表現している。

ジョンのボーカル、ギターまたはピアノ、リンゴのドラム、クラウス・フォアマンの
ベース、というミニマムな編成でレコーディングれた。
(Godではビリー・プレストン、Loveではフィル・スペクターがピアノで参加)

シンプルかつストレート、力強い。これぞロック!と言える名盤である。





<参考資料:Global Citizen、NME JAPAN、YouTube、Wikipedia、他>

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