2024年5月8日水曜日

追悼 デュアン・エディ。トゥワンギー・ギターとは何か。




デュアン・エディが86歳で亡くなった。ご冥福をお祈りします。

日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、R&R史上最も商業的に成功した
インストゥルメンタル・ミュージシャンと言われている。
「Rebel-'Rouser」「Peter Gunn」「Because They're Young」がヒット。
1963年までで1200万枚のレコードを売上げた。
1960年英国NME誌の人気投票ではエルヴィス、シナトラを抜き1位を獲得。


ジョン・フォガティはエディを「最初のR&Rの神様」と呼び、ライ・クーダー、
ジョージ・ハリスン、ポール・マッカートニー、ジェイムス・バートン、リッチ
ー・ブラックモアも彼を敬愛している。
ベンチャーズ、シャンティーズ、ビーチボーイズなどサーフ・ミュージックに
与えた影響も大きい。

1994年にはロックの殿堂入りを果たした。
全世界でのレコード売上げはこれまで6000万枚以上である。

デュアン・エディはトゥワンギー・ギターと呼ばれる独特の奏法を考案し、
音数が少なく分かりやすい曲で聴く人の心を掴んだ。






↓デュアン・エディの「Shazam」が視聴できます。
https://youtu.be/lDIMpQHXBsk?si=Flek4qZ-PWWi8MbO





ところで、トゥワンギーって何?

初めてこの言葉を知ったのは中学の頃だったと記憶している。
ビートルズの「Revolver」東芝音楽工業盤のライナーノーツに「And Your 
Bird Can Sing」の間奏は2台のトゥワンギー・ギターと書いてあった。

トゥワンギー・ギターって何だ?
よく分からない。ああいうビンビン響く音のことかなあ。もやもや・・・

ちなみにこの間奏についてジョージは「覚えてないがジョンかポールと自分が
弾いた」と曖昧で、ポールは「自分とジョージが弾いた」と明言している。




さて、トゥワンギー。ギター弾きじゃない限り、耳慣れない言葉かも。
Twangは英語で「弦楽器が弾かれビーンと鋭く鳴る」音の形容らしい。
鼻声なまりを指す場合もあるようだ。
例:He has a strong Texan twang. (彼には強いテキサスなまりがある)

カントリーやロカビリーにおけるエレクトリックギターの音の形容でもある。
その奏法の先駆者がデュアン・エディなのだ。

プロデューサーのリー・ヘイゼルウッドは「低音弦でメロディーを弾く」と
いうアイディアをエディに提案する。
独自のサウンドが欲しいと考えていたエディは賛成し、4本の低音弦でメロ
ディにそった簡単なメジャースケールのシングルノートを弾く、という独特の
スタイルを完成させた。





デュアン・エディはグレッチ6120(チェット・アトキンスとの共同開発モ
デル、オレンジ色のホロウボディが特徴)を愛用した。

エディはリア・ピックアップだけを使いサウンド作りをしていたようだ。
にもかかわらず、グレッチの箱物ならではの低域の鳴りのおかげで、軽く
痩せた音にならずに、独特な深みのある響きが生まれる。



↓ツインピークスのテーマのギターもそんな感じの音だ。懐かしい・・・
(ギターを弾いてるエディ・ディクソンについてはデータがない)
https://youtu.be/Z30zg9a5M5k?si=gJRmFms6OV_wW3Q_




トワンギー・トーンは、アンプのトレブルをフルにし、ベースを下げながら
必要に応じてミドルを適宜コントロールすることで得られるという。
アンプのリバーブは深めで、トレモロも効かせている。

低音弦をベンドしてからピックを当て下げることで独特のサウンドになる。
同様に右手でビグズビーのアームを抑え、低音弦の音を下げておいてから
ピックで弾き、アームを解放して音を下げるのもデュアン・エディらしさだ。





↓文章では伝わりにくい。こんな感じ(この人、話が長いがデモは上手い)
https://youtu.be/oFXDhLmpO8w?si=3jMk4LxDeeMlnGST




弦は054-011のセットで、3弦は020の巻弦チューニングは半音下げ
これは太めの弦でもベンディングしやすくするためと思われる。
ピックはマンドリン・スタイルの小さなものを好んだという。


↓デュアン・エディの「Rebel Rouser」が視聴できます。
https://youtu.be/AahmYs_Lsps?si=-N_299jUQ9mTjJyz




1960年代にはギルドとエンドースメント契約を結び、デュアン・エディ・
シグネチャーモデルDE500(グレッチに似たホロウボディ)が製造される。
エディはステージでギルド、レコーディングではグレッチと使い分けていた。






デュアン・エディのようなロカビリー、ヒルビリー・ミュージックは1970年
以降に商業的に成功したロックの裏で衰退して行く。

しかし1979年にブライアン・セッツァーがストレイキャッツを率いて登場。
ネオロカビリー・ブームで一世を風靡した。



↓ブライアン・セッツァーの「Summertime Blues」が視聴できます。
https://youtu.be/p_mNc6NllWM?si=FyA6mY-4qzQt64w8






セッツァーはグレッチ6120グレッチ・シルヴァージェットを愛用。
他にシグネチャーモデルの6120SHホットロッドを使用している。

セッツァーのグレッチはフェンダーのBASSMANに繋がれる。
低域の響きが大事なのだろう。
ブライアン・セッツァーはストリングベンダー付テレキャスターも使用した。
(ストリングベンダーはB弦を機械式でC#に上げペダルスチールのような効
を出す。カントリー・ギタリスト御用達。テレキャスターに装着される)





トゥワンギーはテレキャスターの鳴りを表現する際にも使われる


1969年から1977年までエルヴィスのステージのリードギターを勤めたジェー
ムズ・バートンはテレキャスターの名手だ。
1969年製ペイズリーのテレキャスターはエルヴィスの希望でステージで愛用
していたが、スタジオでは1953年製テレキャスターを使用していたという。





↓ジェームズ・バートンのソロ。
https://youtu.be/oM8PesCZCmY?si=_j2H9iMb987WD2DV

↓エルヴィスの「See See Rider」でのジェームズ・バートンのソロ。
本人の動画ではないが、こんなふうに弾くらしい。
https://youtu.be/oHoIjNRQadA?si=-syZLsqMCK5EQAio



カントリー、ブルース、ジャズ、ロカビリーを組み合わせレッドネックジャズ
というスタイルを確立したダニー・ガットンもテレキャス使いだった。
(レッドネックは南部やアパラチア山脈周辺に住む、保守的で無学な貧困白人
層を指す用語でもある)




↓ダニー・ガットンの演奏が見れます。
https://youtu.be/GvP2for9pT4?si=vnmS8fpaWNjbQfCG



カントリー・ギタリストでありシンガー&ソングライターのヴィンス・ギル
カントリー畑の速弾きギタリスト、アルバート・リーもテレキャス名人だ。





↓アルバート・リーのデモ。
https://youtu.be/m2X0n_JX5IE?si=FTrltoXvxoQYie6g




彼らのテレキャスターを使ったカントリー、ロカビリー・サウンドは、しばしば
トゥワンギー・ギターと呼ばれた。

それが転じてテレ独特のサウンド(カラッとして歯切れがいいのに粘り気のある
サウンド)=トゥワンギーという解釈が生まれた。
「トゥワンギーってテレキャスターのリアのパキパキサウンドでしょ」と誤解
してる人も多いと思う。




テレキャスターのトゥワンギーはパキパキよりも、あの粘り気のある野生味の
あるサウンドにあるのではないか。
ハーフトーンではソフトになる。フロントでは太くウォームになる。
カラッとした音に仕上げるには、やはりリア・ピックアップ一択だろう。

近年はフェンダー、セイモア・ダンカン、ディマジオがテレキャスター用のトゥ
ンギー・ピックアップを製造している。





アンプをクランチ気味にしてリバーブを薄くかけ、低音の巻き弦(6〜5弦の)
を単音でやや強めに弾く、あるいは6弦3フレットのGをAまでベンドしてから
5弦のAに繋げる
また3〜1弦のプレーン弦ならダブルベンド(2本の弦を同時に持ち上げる)と
ギューンというトゥワンギー・サウンドになる。

↓こんな感じ。
https://youtu.be/iDtbQjQ7LII?si=BbTAI0ILvZStak4C
https://youtu.be/fypk4pFwovg?si=G-hTD_v-epix_dSU




テレキャスターのトゥワンギー・サウンドは3弦でのベンディングが肝だ。
3弦はワウンド弦ではなく、フラット弦であることが前提となる。
今日ではそれがスタンダードだが、1960年代前半は3弦がフラット弦のライト
ゲージのセットはなかった。

ノーキー・エドワーズの要望に応えてモズライトがアーニーボール社に046-
010のセットを発注したのが、最初のライトゲージらしい。



↑ 1965年に来日したノーキー・エドワーズから成毛茂がもらった弦。
パッケージ名称はLead King Strings。electric spanish guitarの表記。
ベンチャーズのロゴはエンドースメント契約終了後に外された。



アーニーボール社はフェンダーにそのライトゲージを売り込むが却下。
ベンディングを多用するジェームズ・バートンの希望で、やっとフェンダーは
ライトゲージを開発するようになったそうだ。



前述の「And Your Bird Can Sing」の間奏は、2人がそれぞれプレーン弦を
ベンドしてハモらせているのがダブルベンドっぽく、トゥワンギー・ギター
とされたのかもしれない。
ポールはエピフォン・カジノを弾いたのだろう。
ジョージは同じくカジノか、この時期使っていたギブソンSGかES-345か。
2人のギターはコンソールでクランチ+コンプをかけられてたはずだ。




デュアン・エディとトゥワンギー・ギターの話は以上でおしまい。
このブログにしては短めで終了したかな(笑) で、少し余談を。




既出のジェームズ・バートンやダニー・ガットン、アルバート・リー以外に、
あなたが思い出すテレキャスター使いのギタリストって誰ですか?


スティーヴ・クロッパー、ロイ・ブキャナン、アルバート・コリンズ、キース
・リチャーズ、アンディ・サマーズ、エイモス・ギャレット、コーネル・デュ
プリー、ジム・メッシーナ、Zep初期のジミー・ペイジ・・・


ストラトはどんな弾き方してもある程度、鳴ってくれるじゃないですか。
テレキャスターってガッツ(死語)がないと弾きこなせないですよね。






<参考資料:T-OD、note、デュアン・エディ/大人のギタリスト講座20。
エレキギター博士、ギターマガジン、TV JONES、amass、Wikipedia、
YouTube、GettyImages、他>

2024年4月29日月曜日

ベーシストについて語ろう(3)最も偉大なベーシスト51〜100位。

Consequence「最も偉大なベーシスト100人」3回目。
今回は51〜100位と、知ってる人について知ってること。


51位 Robert Trujillo
52位 Bob Moore
53位 Trevor Dunn
54位 Charlie Haden
55位 Meshell Ndegeocello
56位 Tony Levin
57位 Rex Brown
58位 Robbie Shakespeare
59位 Chuck Rainey
60位 Matt Freeman




54位のチャーリー・ヘイデンはジャズのベース奏者。
キース・ジャレット・トリオのライヴ盤「Somewhere Before」(1969年)
でこの人の演奏を初めて聴いた。




1曲目の「My Back Pages」はディランのカヴァー。
ディランは苦手だけどキース・ジャレットのこの演奏は心打たれたという人
、キース・ジャレットは苦手だけどこの曲は好きという人も多いはず。
チャーリー・ヘイデンの重いベース・ラインから美しいピアノの音が入る
瞬間は感動的である。


https://youtu.be/sOgwNUY_QCs?si=XYxfGVxpxwt9nThM





余談だが昔、渋谷の公園通りを登り切った路地にMy Back Pagesという
カフェがあって、そこで過ごす時間が好きだった。
大きな窓から見下ろせる北谷公園もまだコンクリート敷じゃなく土。
店名の由来を訊くと、やはり「Somewhere Before」とのことだった。



もう一枚、愛聴盤になってるのはパット・メセニーとの共作名義アルバム
Beyond the Missouri Sky」(1998年)である。
ギターとダブルベースの静かなデュオだが、濃密な演奏で綴られた感動作。
このアルバムはグラミー賞最優秀ジャズ・インスト部門賞を受賞している。




また余談だが昔、愛犬が雷に怯えるとこのCDをかけた思い出がある。
チャーリー・ヘイデンの重厚なベース音で雷鳴を紛らわせるためだった。



https://youtu.be/gcNeA1yZhAs?si=rdVqLqQ5jCIAYzc7







56位のトニー・レヴィンはフュージョンからロック、プログレ、メタル
と活動範囲の広いベーシスト。
ピーター・ガブリエル、キングクリムゾン、ジョン・レノンの「Double
Fantasy」でレヴィンの演奏を聴くことができる。
ミュージックマン・スティングレイ・ベース、スタインバーガー・NS
アップライト・ベース、多様なエフェクターを使用する。




59位のチャック・レイニーはセッション・ベーシスト。
ベーシストが選ぶベーシストとも言われる。
アレサ・フランクリン、ダニー・ハサウェイ、ロバータ・フラック、
ジョー・コッカーなどソウル・R&B系、デイヴ・グルーシン、クインシー
・ジョーンズ、クルセイダーズなどクロスオーバー系(まだフュージョン
と呼ばれなかった頃)、スティーリー・ダンのレコーディングに参加。



↑左はアレサ・フランクリン、テキ屋みたいな人はコーネル・デュプリー。


1957年製プレシジョンベース、アンペグのベースアンプB-15を使用。
人差し指の1フィンガー奏法でフロント側で弦を弾く。
温かいトーンでスウィング感のある弾むような軽快なサウンドが持ち味。






61位 Sting
62位 Tal Wilkenfeld
63位 Paul Chambers
64位 Noel Redding
65位 Gail Ann Dorsey
66位 Paul Jackson
67位 Pino Palladino
68位 Esperanza Spalding
69位 Rick Danko
70位 Eric Avery



61位スティングは英国のベーシスト、ギタリスト、ボーカル、作曲家。
ポリスの中核メンバーであり、解散後はソロ活動を行なっている。
ベース演奏とボーカルを同時にこなす。




スティングのベースラインはオフビートが特徴的である。
休符(弾かない音符)の入れ方が巧みで、音数を抑え「間」を活かしている。
休符は時にはゴーストノートとして微かに聴こえる場合もある。
このような奏法はレゲエのベースに影響を受けていると思われる。
(ポリスの音楽はホワイト・レゲエと呼ばれていた)
ポリス以前はジャズを演奏していたため、ダブルベースも演奏できる。




62位のタル・ウィルケンフェルドジェフ・ベックに天才と言わしめた
女性ベーシスト。




ジャコ・パストリアスやアンソニー・ジャクソンに影響を受けたという。
フュージョン、ジャズ、ファンク系のベーシストのようだ。
容姿からは想像出来ないベースギターの腕前で、チック・コリア、ハービ
ー・ハンコックにも起用されている。
身長166cmとベーシストとしては小柄。よく指が届くなと感心する。

フェンダー・ジャズベースを模倣したサドウスキーのシグネイチャー・
モデル、フェンダー・プレシジョンベースなどを愛用。
ベースアンプはEBSを使用している。






63位のポール・チェンバースはモダン・ジャズ本流のベーシスト。
1950年〜1960年代に活躍した。
ジョージ・ウォーリントン、マイルス・デイヴィス、ウィントン・ケリー
のバンドに在籍。




ソニー・ロリンズ、バド・パウエル、キャノンボール・アダレイ、レッド
・ガーランド、ドナルド・バード、フレディ・ハバードなど多くのレコー
ディングに参加。ロン・カーターと並びサイドマンとして名高い。
4ビートのウォーキングベースピチカート奏法を得意としていた。




69位のリック・ダンコはザ・バンドのベース、ボーカル担当。
力強いベースと渋みのあるボーカルで存在感を示した。

アンペグのホリゾンタル・ベース、ギブソンのリッパーベースを使用。
リヴォン・ヘルムのリズムの裏に絡みつくように、ピック弾きでサステイン
を抑えたポンボン、ボコポコという音を出していた。
この人も「間」の取り方、休符の入れ方が上手い。




ローリングストン誌の「史上最高のベーシスト50選」では20位。
しかし、そんな「偉大なベーシスト」だったのか?というと疑問である。
あの時代のザ・バンドは何か特別な音を出していたことは事実だ。
ザ・バンドの実力は理解できても好みではなかった僕でさえそう思う。
そのザ・バンドという集団の演奏力が、リック・ダンコのベーシストとし
ての評価を押し上げているのかもしれない。




71位 David Hood
72位 John Deacon
73位 Joe Lally
74位 Michael Anthony
75位 Paz Lenchantin
76位 Doug Wimbish
77位 Brian Ritchie
78位 Roger Glover
79位 Laura Lee Ochoa
80位 Justin Chancellor




72位のジョン・ディーコンはクイーンのベーシスト。
派手なプレイで主張するわけではないが、シンプルながら印象に残るベース
ラインを作るセンスに長けていた。
曲のボトムを支える役割、ロックベーシストの責任を果たしていた。
ベースの腕前もさることながら、ディーコンが温厚かつ謙虚な人柄だった
ことはメンバー同士の関係を保つために重要な意味を持っていた。




1980年代はジョン・ディーコンの作曲力がクイーンを新境地へと導く。
全米1位の「Another One Bites the Dust」はシック「Good Times」
からインスピレーションを得たディスコソングだった。

クイーン初期はリッケンバッカー4001、ムスタングベース、以降1955年製
フェンダー・プレシジョン・ベースがメイン器となる。
プレシジョン・フレットレスベース、ミュージックマンのスティングレイ・
ベースも使用している。



↑白黒コンビのロンドンブーツはリッケンバッカー4001の色に合わせた?


ピック弾きも指弾きもする。アンプはAcoustic、Sunn、Peavy。
スタジオではアンプを介さず、DIでコンソールに音を入れていた。

電子工学科の学位を取得しているだけに機械いじりが得意だった。
ブライアン・メイがレコーディングで多用したアンプはディーコンがスクラ
ップをリサイクルして製作したもの。




78位のロジャー・グローヴァーは第2期ディープパープルのベーシスト。
ギター、キーボードとベースが一体化し同じラインを奏でる、パープル黄金
期のヘヴィーなサウンドの屋台骨として活躍した。




パープルではリッケンバッカー4001、フェンダー・プレジションベース、
ムスタング・ベースを使用してた。アンプはマーシャル、TC Electronic。
ピック弾きのゴリゴリした音が特徴的。
難しいフレーズを弾かないので、耳コピしやすかった、



81位 Phil Lesh
82位 David Ellefson
83位 Scott LaFaro
84位 Martin Mendez
85位 Phil Lynott
86位 Yves Tumor
87位 Suzi Quatro
88位 Steve DiGiorgo
89位 Mike Dirnt
90位 Doug Pinnick




87位はスージー・クアトロ。え?この人、ベース弾いてたの?
その程度の認識。曲も「Devil Gate Drive」しか知らない。
甲高いダミ声、女ろけんろーらー的ファッションが嫌いだった。




91位 Krist Novoselic
92位 Alex Webster
93位 Nik West
94位 Nick Harmer
95位 Melissa Auf Der Mar
96位 George Porter Jr.
97位 Tom Petersson
98位 Leland Sklar
99位 Jenny Lee Lindberg
100位 Troy Sanders




98位はやっと登場!ルーランド・スクラー(リーランド・スカラー)。

ローリングストーン誌の「史上最高のベーシスト50選」では47位
98位は過小評価すぎ! 僕だったら2位に選んでる。

ルーランド・スクラーは1971年から1980年代末まで20年近く、ジェイムス
・テイラーのバックを務めた名ベーシスト
本人も「私のキャリアはジェイムス テイラーのおかげ」と言っている。




売れっ子ベーシストとなったスクラーは、ジャクソン・ブラウン、リンダ・
ロンシュタットのレコーディングやツアーでも常連となる。
1970年代ウエストコースト・ロックのサウンド作りに貢献した。

1970年代初期はセッション・ワークのあり方が大きく変わった時期である。
1960年代のLAはレッキング・クルーが活躍した時期。
事前に入念にアレンジされた楽曲をとことん演奏するのが常だった。

しかし1970年代初期、スクラーが仕事をし出した頃は、シンガー&ソング
ライターが弾き語りの原型を持ってスタジオに入り、アレンジ作業はミュー
ジシャンが担うことが多くなる。
演奏力だけではなく、曲を形にするセンスも要求されるようになった。




ジェイムス・テイラーのバックを共に務めていたラス・カンケル、ダニー・
コーチマー、クレイグ・ダーギもまたその創造力に長けていた。
スクラーは彼らと共にザ・セクションを結成。(1974年)
その演奏力と時代を先取りした音楽性(クロスオーバーの先駆け)が評判
となる。(玄人受けするミュージシャン集団だった)

ザ・セクションのメンバーは4人ともレコーディングやツアーに起用される
ことが多く、特にドラムスのラス・カンケルとルーランド・スクラーは強力
なリズム隊として2人セットでオファーされた。

リタ・クーリッジ、キャロル・キング、カーリー・サイモン、 カーラ・ボノ
フ、ロジャー・マッギン、 アート・ガーファンクル、ホール&オーツ、CS&N、
キャロル・ベイヤー・セイガー、ドリー・パートン、フィル・コリンズ、
ロッド・スチュワートなど数多くのアーティストに起用されている。

松任谷由実、竹内まりや、五輪真弓、吉田拓郎、浜田省吾のレコーディング
にも参加している。
「中央フリーウェイ」のブーンと唸るベースはルーランド・スクラーだ。
細野晴臣もスクラーのベースを参考にしたという。




スクラーは短時間のセッションで最適解の演奏をすることで知られる。
彼のベースはエゴを出さず、曲のアンサンブルを支えることに徹している。
それでいてスクラーらしさ(サウンド、ダイナミックス、イントネーション、
多彩なフレーズ、フィルの入れ方)も味わえる。
彼の参加曲を聴くと「これはスクラーがベースを弾いてるな」とすぐ分る。

スクラーはマッカートニーのメロディックなベースの影響が大きいという。
ティム・ボガード、ジェマーソン、ジャック・ブルース、ディー・マレー(
エルトン・ジョンのベース)からも影響を受けたそうだ。

1970〜1974年の間、1962年製フェンダー・ジャズ・ベースを使用していた。
(ジェイムス テイラーの「Mud Slide Slim」「One Man Dog」の頃)

1973〜1985年はシャーベル(フェンダーのパーツでカスタマイズするメー
カー)のボディー、プレシジョン・ベースのネックを1962年製ジャズベース
のようにリシェイプしたもの、EMGのプレシジョン用ピックアップを組み
合わせた通称「フランケンシュタイン」と呼ばれるベースを使用。
(ボディー塗装が剥がされ落書きしてあり、一見プレシジョンに見える)




その他、ディグウォール、ワーウィック・スターベースII、アレンビック、
ヤマハ、ヘフナーを所有。
ギブソンとヴァレイアーツ・ギターにシグネチャー・モデルがある。
弦はGHSスーパースティール・ミディアムライト。

アンプはユーフォニック・オーディオ。
スタジオ用と大会場用で2種類のアンプを使い分けている。
チューブ・ワークスのDIを通した音をブレンドすることもあるようだ。
近年はジェームス・ディメター真空管プリアンプを使用している。

ドイツ製のコーディアル・ケーブルを使用。
BOSSのオクターブディヴァイダー(1オクターブ下の音を作り出し厚みを
加える)を使うこともあるらしい。

大好きなベーシストなのでつい長くなってしまった(笑






Consequenceの「偉大なベーシスト100人」に名前がなかったが、セッシ
ョン・ベーシストのウィル・リーウィリー・ウィークスデヴィッド
ハンゲイト(TOTO)も優れたベーシストである。

個人的には、ヴァン・マッコイ&ザ・ソウルシティ・シンフォニーやスタ
ッフでグルーヴ感たっぷりのベースを弾いてたゴードン・エドワーズ、
地味すぎるくらいのクラウス・フォアマンもお気に入りベーシストだ。

ドゥービー・ブラザーズでピック弾きのゴリゴリ・ベースを聴かせてくれ
タイラン・ポーター「Hotel Calif.」「One Of These Nights」で曲

の中核をなすベースを弾いたランディー・マイズナー、ヴァニラ・ファッジ
、BB&Aで前に出過ぎるくらいのリード・ベースを披露したティム・ボガ
ートも偉大ではないか
デュラン・デュラン〜パワーステーションのジョン・テイラーのベースも
も過小評価されてると思う。



↑BB&A時代のティム・ボガート、ジェフ・ベック、カーマイン・アピス


<参考資料:Consequence、ABCベース教室、Wikipedia、Amazon、
ベースマガジン、BOOGIEなイーブニング!note リック・ダンコ追悼、
音楽武装、Rolling Stone Japan、Kz Guitar Works、HIGHWAY、amass
、ベースプレイヤーマガジン、YouTube、他>

2024年4月20日土曜日

ベーシストについて語ろう(2)最も偉大なベーシスト21〜50位。

Consequence「最も偉大なベーシスト100人」の2回目。
今回は21〜50位と、その中で知ってる人について述べようと思う。



21位 Geezer Butler
22位 Victor Wooten
23位 Jack Bruce
24位 Donald “Duck” Dunn
25位 Kim Gordon
26位 Chris Squire
27位 Cachao
28位 Paul Simonon
29位 Ron Carter
30位 Lemmy Kilmister



23位のジャック・ブルースはエリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーと
共にパワー・トリオ、クリームを結成。
ジャック・ブルースはベース、ボーカル、ブルースハープ、作曲を担当した。
クリームはジャズの即興性を加えた新しいブルース・ロックで人気を博す。




クリームの特徴はインプロヴィゼイション(即興奏)を中核に据えていた点だ。
多くの楽曲で、3人がお互いに触発しながら即興的に演奏をしていくインター
プレイが繰り広げられ、1曲の演奏時間が15分を超えることも少なくない。

ジャック・ブルースの演奏リズム楽器としての役割を逸脱し、自在にアドリブ
でフレーズを構築していく
アグレッシヴな演奏はリードベースとでも言うべきスタイルであった。
ティム・ボガードやジョン・エントウィッスル(ザ・フー)との違いは、ジャ
ック・ブルースのフレージングにジャズやクラシックの要素が感じられる点だ。
チェロを学び、ジャズバンドに在籍していた彼のバックグラウンド所以だろう。


インプロヴィゼイションはキーとなるコードだけが定められ、ブルーノート・
スケールとペンタトニック・スケールの組み合わせで自在に展開する。
多くの場合コード進行は無視され、演奏は延々と続いた。
ヴァースやコーラスに戻る時は、アイコンタクトやサインが交わされていた。
そのためスタジオ録音よりも、ライヴ演奏でクリームの真骨頂が発揮される




ジャック・ブルースといえばギブソンEB-3、いわゆるSGベースだ。
ソリッドボディでフロントにハムバッカー、リアにはミニ・ハムバッカーと
2基ピックアップを搭載。中低音域に強い特徴がある。
30.5インチというショートスケール(フェンダーは34インチ)で、テンション
がゆるいため、サステインのある温かみのあるサウンドが得られた。
アンプはマーシャルを使用。

アタックが強くほぼ人差し指のワンフィンガー奏法が大きな特徴となっている。
ピッキングの位置もネック寄りが多く、独特の太いサウンドの秘密のようだ。
クラプトンは「ジャックには圧倒されっぱなしだった」と語っている。

ローリングストーン誌の「史上最高のベーシスト50選」では第6位である。
そっちの方が正当な評価だと僕は思うが。




24位のドナルド・ダック・ダンはジェームス・ジェマーソンと並びソウル、
R&Bの伝説的ベースプレイヤーとして有名。
ベースプレイヤー誌の「史上最も偉大な100人のベーシスト」において40位、
ローリングストーン誌の「史上最高のベーシスト50選」で15位に選ばれている。




1960年代はスタックス・レコードの専属プレイヤーとして、オーティス・レデ
ィング、サム&デイブ、ウィルソン・ピケット、アイザック・ヘイズ、アルバー
ト・キングなどのレコーディングやツアーをサポート。
またブッカー・T&ザ・MG'sの一員として活躍した。
ギターのスティーヴ・クロッパーとはメンフィスで小学生の時の旧友である。

1970年代にはロッド・スチュワートやリヴォン・ヘルム、レオン・ラッセルら
のセッション、ブルース・ブラザーズ・バンドに参加。
1980年の映画「ブルース・ブラザース」ではダンの演奏してる姿が見れる

1983〜1985年にはエリック・クラプトンのバンドでレコーディング、ツアー
に参加する。
1992年にボブ・ディラン30周年記念コンサートでは、ブッカー・T&ザ・
MG'sとしてハウスバンドを務めた。




ドナルド・ダック・ダンのベースはどっしりとした力強さが特徴だ。
ペンタトニックを多用したシンプルな演奏であり、耳に残るフレーズが多い。
シンコペーションをうまく活かし、独特なドライブ感を生み出している。
指弾きによる低域での演奏が多いが、音の粒立ちがよい。

1958年製と1966年製プレシジョンベースを愛用。アンプはアンペグを使用。




29位のロン・カーターはあまりにも有名なジャズ・ベース奏者。
音楽学校卒でコントラバス奏者を目指していたが、白人オーケストラへの入団
は拒否され、ジャズ・ベーシストとして活動するようになる。
1960年代モード・ジャズを模索していたマイルス・デイヴィスに抜擢される。
1970年代にはV.S.O.P.クインテット、グレイト・ジャズ・トリオに参加。
(1978年のライヴ・アンダー・ザ・スカイでロン・カーターを生で見た)




トミー・フラナガン、ローランド・ハナ、、ハンク・ジョーンズ、ジム・ホール
、ハービー・ハンコック、ヒューバート・ロウズ、アントニオ・カルロス・ジョ
ビンなど数多くの名手たちと共演する。

ピッコロ・ベースを開発し、ソロ楽器としてのベースの可能性を追求した功績
も大きい。



31位 Mike Watt
32位 Thundercat
33位 Billy Sheehan
34位 Ray Brown
35位 Rhonda Smith
36位 John McVie
37位 Mike Mills
38位 Louis Johnson
39位 John Cale
40位 John Myung



34位のレイ・ブラウンはロン・カーターより一世代前、スウィング期、ビバ
ップ期のジャズ・ベース奏者。的確な演奏で知られる。
ディジー・ガレスピー・バンド、モダン・ジャズ・カルテット、オスカー・
ピーターソン・トリオで活躍。
ソニー・ロリンズ、デューク・エリントン、エルヴィン・ジョーンズと共演。
1970年年代にローリンド・アルメイダらとL.A.フォアを結成している。




38位のルイス・ジョンソンは兄ジョージと共にブラザーズ・ジョンソンとして
活躍した。(ジョージはギター、ルイスはベース担当)




クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子と言われ、彼がプロデュースする数々のヒ
ット・アルバムのレコーディングに参加しベースを弾いた。
マイケル・ジャクソンの「Off The Wall」「Thriller」はその代表例である。

ルイス・ジョンソンのベースの特徴は、その驚異的なテクニックを駆使したダイ
なミックなスラップベース(日本ではチョッパーベースと言われた)にある。
超高速で親指や手のひらを叩きつけるように弦を弾いたりミュートさせる独特
の奏法は、バリバリと雷鳴のようなサウンドであることから、サンダー・サム
(雷の親指)とあだ名がついた。


↓ブラザーズ・ジョンソンの「Stomp!」2'20"〜ベース・ソロが聴きどころ。
https://youtu.be/tPBDMihPRJA?si=iE9ZloqpTtT2HfLT






レオ・フェンダーがルイス・ジョンソンのために制作したミュージックマン・
スティングレー・ベースは中高域が強化され、スラップ奏法によるアタック音の
強いパーカッシブなサウンドを可能にしている。


↓アール・クルーの「Dance With Me」1'00"〜でもルイスのフィルインが聴ける。
https://youtu.be/ZZ3ZHkOrTVI?si=uO3czkMSMXqO8Y_M



尚、パトリース・ラッシェンの「Forget Me Nots」のスラップベースもルイス・
ジョンソンと思われがちだが、奏者はフレディ・ワシントンである。

後藤次利はルイス・ジョンソンを耳コピしてスラップ奏法を覚えたそうだ。
日本では初めてで「チョッパーベース」と呼ばれるようになった。
ロンドンっ子がサディスティック・ミカ・バンド公演で驚いたのは、曲ではなく、
後藤次利のスラップベース(英国では馴染みがなかった)だったという。





41位 Marcus Miller
42位 Roger Waters
43位 Anthony Jackson
44位 Simon Gallup
45位 Kim Deal
46位 Greg Lake
47位 Bobby Valentin
48位 Tim Commerford
49位 Bill Wyman
50位 Dee Dee Ramone



41位のマーカス・ミラーは1980年代に売れっ子スタジオ・ミュージシャンと
して活躍したベーシスト、ソングライター、プロデューサーである。
ジェームス・ジェマーソン、ラリー・グラハム、ジャコ・パストリアス、スタン
リー・クラークら先人ベーシストの演奏をコピーしながら技術を磨く。




グローヴァー・ワシントンJr.、ドナルド・フェイゲン、ブレッカー・ブラザーズ
、渡辺香津美、 渡辺貞夫などのレコーディングに参加。
マイルス・デイヴィスの復帰にもベーシスト、プロデュースとして貢献。
プロデューサーとしての実力も認められる傍ら、マイケル・ジャクソン、マラ
イア・キャリー、ビヨンセのレコーディングにベーシストとして参加している。

1977年製フェンダー・ジャズベースにアクティブ回路が搭載されている。
ミュージックマンのフレットレス、サドウスキーの5弦ベースも使用している。
ベースアンプのカスタマイズ、マルチ・エフェクター、シグネチュア仕様の弦
、など機材へのこだわりが強い。
レコーディングではアンプを使用せず、ベースをDI経由でミキシングコンソール
にインプットすることが多いという。




42位のロジャー・ウォーターズはピンクフロイドのベーシストであり、作詞・
作曲など創作面の中心的存在、ピンクフロイドの頭脳とも言われる。
非常に気難しい性格(ピンクフロイドはほぼ全員)で知られており、音楽に
関しては偏執的なまでのこだわりを見せる完璧主義者だった。





極めて重要な役割を果たしているにも関わらず、ウォーターズのベーシスト、
シンガーとしてのイメージ、バンドの演奏における存在感は希薄である。
アルバム制作でウォーターズがイニシアチブを取りコンセプトを作っていても、
ライブにおいてサウンド面の「フロイドらしさ」を一手に掌握しているのは
デヴィッド・ギルモアであった。

ロジャー・ウォーターズはフェンダー・ジャズベース、プレシジョンベースを
使用し、ピック弾きを主体としたオーソドックスな演奏を行う。
アンプはハイワットやWEM。

ルート、5度、オクターブを上下するベースラインで、分かりやすいっちゃー
分かりやすい(笑) 1小節に白玉1個みたいな入れ方もよくする。
しかしブート盤を聴くと、意外と自由闊達に弾く曲者ベーシストだったりする。

思うに、完璧主義のウォーターズは作品として残すスタジオ盤ではプレイヤー
として主張せずプロデューサーとしてアンサンブルを創ることに専念する。
一方ライブ演奏では、ベーシストとして遊んでみるという方針なのだろう。




ウォーターズ脱退後のピンクフロイドはギルモア・バンドになってしまった。
独特の翳が無くなり、フラットな光に見えてしまうのはなぜか?
創り出す世界観もそうだが、技巧派ではないけど曲者の(病みつきになる)
ロジャー・ウォーターズのベースがないピンクフロイドは面白くない




43位のアンソニー・ジャクソンは売れっ子セッション・ベーシスト。
一流アーティストたちから絶大なる支持を受け、ファーストコール・ミュージ
シャン(レコーディングやライブの人選で最初に声がかかる)として知られる。
ジェームス・ジェマーソンの影響でベースを演奏するようになったそうだ。

対応ジャンルも幅広く、ポップス、ロック、フュージョン、ジャズまでこなす。
どのジャンルにおいてもトップレベルのクオリティの演奏を提供できる。

リー・リトナー&ジェントル・ソウツ、アル・ディ・メオラ、アール・クルー、
渡辺貞夫、渡辺香津美、チャカ・カーン、ロバータ・フラック、クインシー・
ジョーンズ、スティーリーダン、ドナルド・フェイゲンなどの作品で名演を
聴くことができる。




なぜこれほどまでに信頼されているのだろうか。
第一に挙げられるのは抜群の「安定感」
他のプレイヤーが安心してプレイできる、という点がやはり大きいだろう。

彼がいるだけで、そのセッションに重厚な独特のグルーヴが生まれる。
それは踊りたくなるファンキーな黒人のグルーヴとは全く違う。
どっしりとした音圧でうねる、味わい深いベースラインだ。

スラップやハーモニクスなど、派手なテクニックやギミックは使わない。
本当の意味でのベースならではの、ベースらしいプレイを聴かせてくれる。

スラップ全盛期にも関わらず、時代の流れに迎合せず自分流を押し通した。
素晴らしいベースマンである。だからこそ孤高なスタイルが築かれたのだ。

「安定感」だけではない。一転して「緊張感」に転じることもある。
ここぞというタイミングでスリリングなフィルが入るのもまた魅力だ。


↓アール・クルー&の「Good Time Charlie's Got The Blues」
左から聴こえるギターはチェット・アトキンス。
アンソニー・ジャクソンのベースを聴いてください。特に2'37"のフィル。
https://youtu.be/BV2VoQ8PQ08?si=uUsqaRYLdz7JB_SQ





演奏スタイルは親指、人差し指と中指のツーフィンガー。薬指も使う。
必ず座って演奏するのが特徴。
音色は低音でもブライトで輪郭がはっきりしている。
それでいて「ずっしり」感がある。

フェンダー・ジャズベースを使用していたが、フォデラ特注6弦ベース(コン
トラバスギター)を使用するようになる。弦もフォデラ製で頻繁に交換。
アンプ、エフェクター、シールド、DIボックスの開発など、常により良い音
を出すための努力をしている。
本来ならもっと上位にランクインされるべきベーシストである。




46位のグレッグ・レイクはキング・クリムゾン、ELPのベーシスト。
キーボード、ベース、ドラムスのトリオ編成のELPにおいては、ベースが
ギターの役割を務めることもあった。
しかもグレッグ・レイクは歌いながらベースを弾くことができた。




ロック的な奏法とジャズ風のベース・ランニングとを使い分けている。
ピック弾きでオルタネイト・ピッキングの名手であり、ベンベンベケベケ
とエッジの効いたブライトな音を出していた。
フェンダー・ジャズベースを使用。アンプはハイワット。




49位のビル・ワイマンはストーンズの寡黙なベーシスト。
ベースソロや派手なフレーズとは無縁だったが、チャーリーと共に堅実な
リズムセクションの役を担っていた。




グループの主導権がミックとキースに握られると、ビル・ワイマンの立場は
軽んじられる。
Sympathy for the Devil、Jumpin' Jack Flashのベースはキースが弾いた。
ビルはコンサートでは難なくそれを再現している。

フラマス5-150スター・ベース(ホロウボディー)、フェンダー・ムスタング
・ベース、ダン・アームストロング・プロトタイプ・ベースを使用していた。
ネックを垂直に近い角度まで立てて構える姿が印象的である。

でも、偉大なベーシストなのかなー。。。


<続く>


<参考資料:ベース博士、零細社長のブログレッシブ日記、ベースマガジン、
ベーススレまとめwiki、ギタコン(ギターコンシェルジュ)、Wikipedia、
ギターベース機材情報まとめ、ミュージックライフ・クラブ、YouTube、
Rolingstone Japan、amass、他>