2015年4月22日水曜日

和製マージービートの実力。


NOBODYはキャロル解散後の矢沢永吉のバックメンバーであった相沢行夫、
木原敏雄の二人によるソングライティング・チームでありバンドである。

'60年代マージービートを'80年代風に仕上げたカッコイイ音を出していた。
そしてこの二人はヒットメーカーで多くの歌手に楽曲を提供している。

アン・ルイスの「LUV-YA」「六本木心中」、吉川晃司の「モニカ」、JAL沖縄
キャンペーンCMソングになった山本達彦の「Marylin」もNOBODYの作品だ。


'83年には彼らのルーツでもあるマージービート・メドレーをリリース。

大ヒットしたスターズ・オン45(ビートルズやアバの曲をディスコ調のメドレー
にコピーバンドが歌う)の影響もあったかもしれない。
それはともかくカッコイイ。文句無しで楽しめる。一緒に歌ってしまう。


Part1.は、キンクス、サーチャーズ、ゾンビーズ、ホリーズ、トレモローズ、
スウィンギング・ブルージーンズのメドレー。




Part2.は、マンフレッド・マン、ピーター&ゴードン、ビリーJ・クレーマー、
デイヴ・クラーク・ファイブ、ジェリー&ザ・ペースメイカーズ、アニマルズ、ローリングストーンズ、ビートルズ。




'83年リリース時は小林克也氏がDJだったのがCDでは差し替えられていて残念。
NOBODYのCDはいずれも廃盤で法外な値段がついている。

2015年4月11日土曜日

古き良きアメリカ、栄光のパンナムとシナトラ。


今回はナンシーのパパ、フランク・シナトラのお話。

先週までTVKでアメリカのテレビドラマ「パンナム」を放送していた。
舞台は1963年の輝いていた頃のアメリカ。
パンナムのスチュワーデスやパイロットたちの恋や仕事を描いた話である。





主題歌で使われていたのはフランク・シナトラの「Come Fly With Me」だ。
3年前にBSで放送された際はゴスペラーズ&May J.の「Up, Up And Away」が
使われていたらしい。
本国ではまた違うようだがシナトラの「Come Fly With Me」はぴったりだ。






1963年と言えば、ケネディ大統領のベルリン演説、キング牧師の有名な
「I Have a Dream」の演説、ケネディが暗殺、冷戦真っただ中のモスクワ便
就航、と歴史的な出来事が多かったのだがそれも出て来る。

そしてロンドンではビートルズのブームが起っていた。
(アメリカ上陸は1964年2月)
ドラマではビートルズで大騒ぎのロンドンに居合わせるエピソードもある。

ホテルのフロントが困り顔で「1万人の女の子の悲鳴はジェット機以上です。
ビートルズがこのホテルに滞在してるという噂が出ましてね。デマですよ。
フランク・シナトラならいますけど」と言う。
スチュワーデスは「時代が変わったのよ」と応える。


実際にはシナトラからエルヴィスへ、そしてビートルズと時代が変わった。

シナトラは晩年ポール・マッカートニーに作曲を頼んでいる。
ポールはこれに大喜び。器用な彼はいかにもシナトラっぽい曲を書いた。

           ↓これはポールのデモ。


しかしシナトラは気に入らず却下。トニー・ベネットが歌うことになった。
「Suiside」(自殺)というタイトル。
そしてシナトラが望んでいたのはこういう曲調ではなかったようだ。

シナトラはジョージの「Something」を「世界一美しい曲」と絶賛していた。
この曲もLennon=McCartneyと勘違いしていたのかもしれない。
彼はシナトラっぽくないバラードを歌いたかったのではないだろうか。

でも「Something」もシナトラが歌うとシナトラ節でスイングしてます(笑)






2015年4月4日土曜日

ナンシーのコーラCMにおける無節操ぶり。


中学一年の頃、ナンシー・シナトラのHush, hush, little baby, don't you cry
というドスの利いた歌声がラジオから流れていた。
その曲「Drummer Man」を最後にナンシーはヒットチャートから消える。


僕がナンシー・シナトラを好きになったのは10年ほど前である。

きっかけはコカコーラの'60年代のラジオCMを集めたCDだった。
1965〜1969年に「Things Go Better with Coke」をテーマにやっていたCM
だが、その顔ぶれが信じられないくらいすごい。

レイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、マーヴィンゲイ、シュレルズ、
フィフスディメンション、ジャンとディーン、ビージーズ、バニラファッジ、
トム・ジョーンズ、オーティス・レディング、ニール・ダイアモンド、ルル、
レスリー・ゴーア、グラディス・ナイト&ザ・ヒップス、シュープリームス、
そしてナンシー・シナトラ。


中でもナンシーのふてぶてしい歌い方がすごく素敵だった。




コークが一番、絶対飽きない味、いくらでも飲めちゃう、と絶賛している。

が、ナンシーは1967年にロイヤルクラウン・コーラのテレビCMにも出演して、
RCは私がハマっちゃう唯一の味、と歌っているのだ。









どっちが先だったか分らないけどRCコーラが1967年、コカコーラのCMが
1965〜1969年だからすぐ競合のCMに出ちゃってたことになる。

節操ないなー。
ナンシーのファンもどっちを選んでいいか戸惑ったんじゃないだろうか。

それにしても今見るとゆるーいCMですね(笑)