2015年3月28日土曜日

ビートルズのアルバムで好きなのはどれですか?


という質問をよく耳に、あるいは目にする。





中学生の頃の僕ならこう答えた。

1)アビイ・ロード
2)ヘルプ!
3)ラバー・ソウル



今聞かれたらこう答える。

1)ホワイト・アルバム
2)リボルバー
3)ビートルズ・フォー・セール



でもこれからビートルズを聴きたいという人にはこれを薦めるかな。

1)アビイ・ロード
2)サージェト・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
3)ハード・デイズ・ナイト


2015年3月22日日曜日

彼女がやって来ると辺りが虹のように色づく。


ベネッセのCMにローリングストーンズの「She's A Rainbow」が使われている。

iPhone 5CのCM、だいぶ前だけどiMacのCMにも使われたことがある。
カラフルな商品なのでこの曲はぴったりで素敵だった。

でもベネッセの「BenePa」が何で「She's A Rainbow」なのか分らない。
まあ、いいや。おかげでこの曲が頭の中ではヘビロテで流れている。




「She's A Rainbow」は1967年発売の「Their Satanic Majesties Request」
というアルバムに入っている。
ビートルズの「Sgt. Peppers」に触発されたサイケデリック感いっぱいの、
ストーンズ初のコンセプト・アルバムであった。

ビートルズの後追いストーンズ本来のブルージーな方向性とはかけ離れている
ことから、駄作という人も名盤とする人もいて賛否両論だ。

ミックはインタビューで「誰の真似もしたことはない。ビートルズを除いて」
と言っていたが、そのビートルズの真似というのはこのアルバムのこと。


「She's A Rainbow」が名曲であることは間違いないと思う。
ブルージーではないけどストーンズ初期の「Ruby Tuesday」「Lady Jane」
にも通じるポップで素敵な曲だ。
イントロの印象的なピアノは故ニッキー・ホプキンスが弾いている。

2015年3月19日木曜日

完璧と言えるスタジオ・ミュージシャンのユニット。


TOTOのベーシストだったマイク・ポーカロが亡くなった。
天才ドラマーのジェフに次いでポーカロ3兄弟のうち二人がいなくなったわけだ。

もっとも僕はデヴィッド・ハンゲイトがベースを弾いていた初期のTOTOを好ん
で聴いていたので、マイク・ポーカロのことはよく知らない。


TOTOは凄腕セッション・ミュージシャンの集まりで、ボズ・スキャッグスの
名盤「Silk Degrees」のバックを務めた後バンドとして活躍するようになった。
その後メンバーは何度も入れ替わっている。

TOTOのサウンドは典型的なAORで、ハードロック、フュージョン、ファンク
、プログレをうまくミックスし洗練された完成度の高いものだった。
バンド名の由来は日本の便器メーカーから取ったという説があったが、ラテン
語の「total」でどんなジャンルでも演奏できる彼らの演奏力を表している。

8ビート中心のロックに16ビートを多用したのTOTOが先駆けだしAORの代名詞
的なサウンドと言っても過言ではないと思う。
実際に1980年前後はTOTO、あるいはTOTOのメンバーは引っ張りだこで、AOR
系に限らず多くのアーティスト(歌謡曲も)にクレジットされていたものだ。





以前、僕が勤めていた会社にはレコーディングスタジオがあって、来日アーティ
ストがリハーサルに使うことも多かった。
たまたま僕が有給を取った日にTOTOが来たことを、後日ミキシングエンジニア
から教えてもらい悔しがった思い出がある。

TOTOのメンバーは一人一人コンソール・ルームに入って来て細かいリクエスト
をしていたそうで、そんなアーティストは初めてだと彼も感心していた。
音へのこだわりは並大抵ではないのである。

2015年3月13日金曜日

バーバーのアダージョ。


サミュエル・バーバーは20世紀に入ってからのアメリカ人作曲家だ。
クラシック・ファンでも知らない人が多いだろう。

代表作「弦楽のためのアダージョ(Adagio for Strings)」は美しくも悲愴感ある
壮麗な曲で、ケネディ大統領の葬送の時にも使われた。
映画「プラトーン」「エレファントマン」でも使用されている。


僕の愛聴盤はレオナルド・バーンスタイン指揮、ニューヨークフィル演奏。





僕がこの曲を知ったのは、映画「Let it Be」の最初のシーンでポールがピアノで
弾いているのはこの曲だ、という説があったからだ。





それで「弦楽のためのアダージョ」を買って聴いてみたけど似てなかった。
ポールのはまだ楽曲に発展する前のピースで適当に弾いているのだろう。
(これが弾きたくて練習した思い出がある)


「弦楽のためのアダージョ」も好きで時々引っ張り出して聴いている。
でも落ち込んでる時は聴かない方がいいかな。この曲は。

2015年3月9日月曜日

CCRはやっぱりいいと思う時がある。


映画「トワイライトゾーン」(1984年)ではオープニングとエンディングに
CCRの「The Midnight Special 」が効果的に使われていた。

アメリカを車で移動した経験のある人は分ると思うが、ずっと何時間も同じ
景色の一本道を走ってると退屈なのだ。特に夜はその景色さえ見えない。

曲にノリノリの二人はこの後TV番組のテーマ曲クイズをやり、それにも飽きて
「本当に怖い思いをしたことがあるか?」という話になるが。。。。
(興味のある方は最後までご覧下さい)




この二人じゃないけど、CCRってやっぱりいいよな〜と思うことがある。


高校一年の時、それまで話したこともなかった他のクラスのヤツに「ギター
弾けるんだよね?バンドやんない」と誘われた。

そのバンドで最初にやったのがCCRの「雨を見たかい」だった。
ギターのコードもベースも退屈なくらい簡単で初心者には打ってつけの曲だ。

しかし単純な曲こそしっかりした演奏技術とどっしりしたリズム感がいる。
僕らのはもうヘロヘロだった(笑)





これはジョニー・キャッシュ・ショーに出演した時の映像。(1969年)
「Bad Moon Rising」をやっている。



地道だけど盤石。そこがいいんだろうな。生で見たら圧倒されそう。


それにしてもこういう人たちって何で木こりみたいな格好してるのかな?
成功してお金もいっぱいあるのにね(笑)

2015年3月4日水曜日

サニー・スカイズは眠そうだ。


英国アップルからのデビュー作が鳴かず飛ばずのジェイムス・テイラーが帰国後、
1970年ワーナーブラザースで出したアルバムが「Sweet Baby James」である。


シンガーソング・ライター・ブームの火付け役となったこのアルバムは全編通し
て気負いがなく自然体だ。
日本ではフォークソングの新旗手扱いだったがカントリー・ロックだと思う。

アコースティック・ギターでこんなに表情豊かな説得力あるバッキングができる
ことに驚いた人も多いだろう。
そのJTのギターを中心に盟友ダニー・コーチマーのギター、キャロル・キングの
ピアノ、ランディー・マイズナー(ポコ/イーグルス)のベース、ラス・カンケ
ルの心憎いほど的確なドラムが控えめにからむ。



ほとんどが自作曲。内省的な詩をあのゴールデンボイスで淡々と歌っている。
どの曲もすばらしい。

その中でも僕のお気に入りは「Sunny Skies」だ。
驚くことにこの曲はたった二つのコードしか使っていない。
ずっとAmaj7とE7sus4の繰り返しなのある。サビもエンディングも。

にもかかわらず躍動的なリズムとベースランニングで、聴き手はまったく飽き
ることなく心地よいサウンドの流れに最後まで身を委ねられる。
エンディングのリズムが変則的であれ?と思わせるのがまた隠し味だ。




この曲をコピーした人も多いだろう。
音は拾えてもなかなかこのグルーヴ感は出せるものではない。

加藤和彦がまったく同じコード進行で 「魔法にかかった朝」を作っているが、
さすが!完全に消化して自分のものにしている。


さて、曲の内容だが。
「晴れた空」のことを歌ってるのかと思ったらぜんぜん違うのだ。
「サニー・スカイズ」というのは誰かのことらしい。

アメリカのあるサイトには「彼の犬の名前」だと書いてあった。なるほど。

すごく怠惰な感じがいい。
ビートルズの「I'm Only Sleeping」といい僕はこういう曲が好きなのだ。


Sunny skies sleeps in the morning, he doesn't know when to rise.
He closes his weary eyes upon the day, look at him yawning, 
throwing his morning hours away.

He knows how to ease down slowly, everything is fine in the end.
And you will be pleased to know that sunny skies hasn't a friend.


朝になってもサニー・スカイズは眠っている
いつ起きればいいかなんてかまいっこなし
一日が始まっても大儀そうに眼を閉じ ほら あくびしているよ
そうして午前中を無為に過ごしてしまうんだ

のんびりやるならお手のもの 何だって最後には丸く収まるよ
サニー・スカイズには友だちなんて一人もいない
そう聞くと何だかほっとしちゃうだろう

James Taylor- Sunny Skies(中川五郎・訳)


↓サニー・スカイズはこのシェパードのことだろうか?
(1972年のアルバム「One Man Dog」のジャケット)
コーデュロイのパンツ、ダンガリーシャツにレジメンタルのタイ。
ものすごくアメリカしている!このアルバムも大好きだ。


2015年3月1日日曜日

アンジー。


アコースティックギター弾きの多くが一度は挑戦してみたいと思う曲。
その一つが「Anji(アンジー)」ではないだろうか。
石川鷹彦、坂崎幸之助のようなプロもレパートリーにしてる名曲だ。


学生の頃サイモン&ガーファンクルの「Anji」を友人に聴かせてもらった。

彼によるとポール・サイモンが旅行中出逢ったジプシーの演奏をアレンジ
しAnjiとタイトルをつけレパートリーにした、とのことだった。

ライナーノーツに書いてあったらしいけど。。。違います(笑)
昔の邦盤の解説なんていいかげんなことばかり。


この曲は英国のギタリスト、デイヴィ・グレアムの曲。
「Anji」は彼のガールフレンドの名前らしい。

もっともポール・サイモンの元ネタはグレアムの演奏ではない。
英国に行った際知り合ったスコットランド出身のフォークシンガー、バート・
ヤンシュに教えてもらったそうだ。

ヤンシュのギター・テクニックは高度かつ独特であり、ジミー・ペイジなど
多くのアーティストに大きな影響を与えている。
(レッドツェッペリンの「Black Mountain Side」はヤンシュの曲
 「Blackwater Side」に触発されている。。。。というかそのまんま?)


では聴き比べてみてください。


↓デイヴィ・グレアムのオリジナル。ゆったりしてます。



↓バート・ヤンシュ版。



↓ポール・サイモン版。(S&Gのアルバム「Sound Of Silence」収録)



↓これはレア!ポール・サイモンが弟のエドと二人で弾いてます。
 演奏より笑っちゃうくらいそっくりなのに見入ってしまいます(笑)



↓ポール・サイモン版を完コピしてる人がいました。拍手!