にバレないようにぼかして描いたんだ。実際のできごとじゃないようにね。」
と説明している。
その浮気相手は映画「Help!」で共演したインド系女優のエレノア・ブロンだろうと
いう説があったが、ジョンの相手は8歳年上の歌手のアルマ・コーガンであったこと、
その関係は彼女が卵巣癌で他界する1966年まで続いたことを故シンシア・レノンが
明かしている。
歌詞は意味深だ。情事があったともなかったとも思える。
Norwegian Wood (This Bird Has Flown)
(Lennon-McCartney 対訳:イエロードッグ)
I once had a girl, or should I say, she once had me.
She showed me her room, isn't it good, Norwegian wood?
女の子をひっかけたことがある、というか、こっちがひっかけられたのかな。
彼女は自分の部屋に招いてくれたよ。いいじゃない? ノルウェイの森。
She asked me to stay and she told me to sit anywhere,
So I looked around and I noticed there wasn't a chair.
ねえ泊まってって、どっか座ってよ、と彼女は言う。
で、見回したんだけど、その部屋には椅子がないのに気がついたね。
I sat on a rug, biding my time, drinking her wine
We talked until two and then she said, "It's time for bed"
敷物に坐って、ワインを飲みながら、時間をつぶしたよ。
夜中の2時までおしゃべりしてから、彼女が言う。「ベッドに行きましょう」
(間奏:シタール)
She told me she worked in the morning and started to laugh.
I told her I didn't and crawled off to sleep in the bath
あたし朝から仕事なのよと言って、彼女は笑い出す。
僕はそうじゃないねと言って、這って行って浴室で寝たよ。
And when I awoke, I was alone, this bird had flown
So I lit a fire, isn't it good, Norwegian wood.
目が覚めたら僕は一人ぼっち。かわいい小鳥ちゃんは飛んでっちゃった。
で、僕は火をつけたわけ。いいじゃない? ノルウェイの森。
「I lit a fire」→家を燃やしちゃうというシュールなオチはポールのアイディア。
煙草に火をつけた、暖炉に火をつけた、 という訳が多いがそれじゃフツーすぎて
ビートルズっぽくない。
「ノルウェイの森」は誤訳だ、という説もある。
当時イギリスで「Norwegian Wood」は「北欧家具」のことだったらしい。
(この解釈については英語圏でも別れるそうだ)
ポール・マッカートニーによると、「Norwegian Wood」は家具ではなく内装
に使われるノルウェー産の松材のこと。
労働階級のアパートに使われる安い木材であり、そういう部屋に住んでいる
彼女はあまり裕福ではない娘だったということか。
彼女を小鳥に例えていることから「ノルウェイの森をイメージするウッド調の
部屋だった」という意味にも取れる。
そしてこの曲の不思議な曖昧さと奥の深さは「鬱蒼とした北欧の森」をイメージ
させる。(そう思いませんか?)
さて「ノルウェイの森」にはこの他にも興味深いエピソードがある。
(参考文献:「ノルウェイの森の謎」/村上春樹)
「Norwegian Wood」の部分は、最初「knowing she wood」だったらしい。
上の歌詞を「isn't it good, knowing she wood」に入れ替えてみてください。
歌詞の前後を考えると「彼女がその気だって分かってるなんていいじゃないの」
ということになる。
レコード会社がクレームをつけたため、ジョンは「knowing she wood」を
語呂合わせで「Norwegian Wood」に変えてしまった。
つまりタイトル自体が一種の冗談だった、ということだ。
これはジョージ・ハリソンが彼の側近に話したエピソードだそうで。
いかにも言葉遊びが好きなジョンらしい話という気もするし、ジョージお得意
の悪ふざけのようにも思えるのだが。
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