2015年6月19日金曜日

「ノルウェイの森」に隠された意味とは?

ジョン・レノンはインタビューで「この曲は浮気について、当時の妻シンシア 
にバレないようにぼかして描いたんだ。実際のできごとじゃないようにね。」 
と説明している。 

その浮気相手は映画「Help!」で共演したインド系女優のエレノア・ブロンだろうと
いう説があったが、ジョンの相手は8歳年上の歌手のアルマ・コーガンであったこと、
その関係は彼女が卵巣癌で他界する1966年まで続いたことを故シンシア・レノンが
明かしている。


歌詞は意味深だ。情事があったともなかったとも思える。 


Norwegian Wood (This Bird Has Flown)
(Lennon-McCartney 対訳:イエロードッグ) 

I once had a girl, or should I say, she once had me. 
She showed me her room, isn't it good, Norwegian wood? 
女の子をひっかけたことがある、というか、こっちがひっかけられたのかな。 
彼女は自分の部屋に招いてくれたよ。いいじゃない? ノルウェイの森。 

She asked me to stay and she told me to sit anywhere, 
So I looked around and I noticed there wasn't a chair. 
ねえ泊まってって、どっか座ってよ、と彼女は言う。 
で、見回したんだけど、その部屋には椅子がないのに気がついたね。 

I sat on a rug, biding my time, drinking her wine 
We talked until two and then she said, "It's time for bed" 
敷物に坐って、ワインを飲みながら、時間をつぶしたよ。 
夜中の2時までおしゃべりしてから、彼女が言う。「ベッドに行きましょう」 

(間奏:シタール) 

She told me she worked in the morning and started to laugh. 
I told her I didn't and crawled off to sleep in the bath 
あたし朝から仕事なのよと言って、彼女は笑い出す。 
僕はそうじゃないねと言って、這って行って浴室で寝たよ。 

And when I awoke, I was alone, this bird had flown 
So I lit a fire, isn't it good, Norwegian wood. 
目が覚めたら僕は一人ぼっち。かわいい小鳥ちゃんは飛んでっちゃった。 
で、僕は火をつけたわけ。いいじゃない? ノルウェイの森。 





「I lit a fire」→家を燃やしちゃうというシュールなオチはポールのアイディア。
煙草に火をつけた、暖炉に火をつけた、 という訳が多いがそれじゃフツーすぎて
ビートルズっぽくない。 


「ノルウェイの森」は誤訳だ、という説もある。 
当時イギリスで「Norwegian Wood」は「北欧家具」のことだったらしい。 
(この解釈については英語圏でも別れるそうだ)

ポール・マッカートニーによると、「Norwegian Wood」は家具ではなく内装 
に使われるノルウェー産の松材のこと。 
労働階級のアパートに使われる安い木材であり、そういう部屋に住んでいる 
彼女はあまり裕福ではない娘だったということか。 

彼女を小鳥に例えていることから「ノルウェイの森をイメージするウッド調の
部屋だった」という意味にも取れる。 
そしてこの曲の不思議な曖昧さと奥の深さは「鬱蒼とした北欧の森」をイメージ
させる。(そう思いませんか?) 


さて「ノルウェイの森」にはこの他にも興味深いエピソードがある。 
(参考文献:「ノルウェイの森の謎」/村上春樹)

「Norwegian Wood」の部分は、最初「knowing she wood」だったらしい。 
上の歌詞を「isn't it good, knowing she wood」に入れ替えてみてください。 
歌詞の前後を考えると「彼女がその気だって分かってるなんていいじゃないの」 
ということになる。 

レコード会社がクレームをつけたため、ジョンは「knowing she wood」を 
語呂合わせで「Norwegian Wood」に変えてしまった。 
つまりタイトル自体が一種の冗談だった、ということだ。 

これはジョージ・ハリソンが彼の側近に話したエピソードだそうで。
いかにも言葉遊びが好きなジョンらしい話という気もするし、ジョージお得意
の悪ふざけのようにも思えるのだが。 

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