モンキーズのヒット曲の大半はハスキーボイスでインパクトがあるミッキー・ドレンツ
と甘くハリのある声で女の子をノックアウトするデイヴィー・ジョーンズが歌っている。
一方でマイケル・ネスミスの持ち歌は地味ながら渋く大人っぽかった。
アルバムの中で彼の歌う曲はいい味付けになっていたと思う。
そして今改めてモンキーズを聴いてみると、マイクの歌が実に味わい深く心地よい。
自作の曲はもちろん、他の作曲家たちの作品もみごとにマイク流に料理している。
その「マイク流」というのは「カントリー・テイスト」である。
彼がモンキーズにカントリー色を持ち込んだおかげで、単なるヒット曲を歌うアイドル・
グループとは一線を画していた。
マイクはミュージシャンとしての実績もあった。
ドラマの中の演奏シーンを見てもマイクがちゃんと弾いている、しかもしっかりした
テクニックを持っていることが分かる。
グレッチのギターもカントリー志向の強いマイクのこだわりじゃないだろうか。
↓「What Am I Doing Hangin' Round」(Murphey-Castleman)1967
デビュー時から彼はレコーディングには主体的に関わって行きたい意向を主張。
1st.アルバムはスナッフ・ギャレット&レオン・ラッセルのプロデュースがうまく行かず、
レコーディングが頓挫しマイクにチャンスが巡ってきた。
次のプロデューサーが決まるまで抑えてあったスタジオとミュージシャンを使ってもいい
という許可が降りたのだ。
彼は自作の「Papa Gene's Blues」とゴフィン&キングとの共作「Sweet Young Thing」
を自らのプロデュースで録音した。
レコード会社としても、マイクの2作品をアルバムに採用することで「メンバーに作曲の
才能がある」ことをアピールできると踏んだのだろう。
新しいプロデューサーに抜擢されメインの作曲チームでもあったボイス&ハートとの関係
も良好だったようで、この後モンキーズのアルバムにマイクの曲はコンスタントに収録さ
れるようになる。
そしてその実績はモンキーズ解散後のファースト・ナショナル・バンドでの活動につなが
り、アメリカ西海岸のカントリー・ロック・シーンの先駆けになった。
↓ピーター脱退後の3 人がジョニー・キャッシュ・ショーに出演した時のパフォーマンス。
マイクの楽曲「Nine Times Blue」も3 声のハーモニーもすばらしい!(1969)
※モンキーズとしてのレコーディングはボツになり(後年発表)マイクはファースト・
ナショナル・バンドで再録している。
マイケル・ネスミスのファースト・ナショナル・バンド、セカンド・ナショナル・バンド
時代のアルバム、5タイトル・セットのボックスが9月にリリースされることになった。
長らく廃盤で入手困難だったアルバムも含まれているし、すべてオリジナル・ジャケット
だし、3000円前後で買えちゃうお得盤。
もちろん、予約しました!
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