<ジェイムス・テイラーとの蜜月時代>
1970年4月にLadies of the Canyonを発表後、ジョニはジェイムス・テイラー
と恋仲になる。
同年10月にジョニはツアーとプロモーションのために渡英するが、ジェイムス
もくっついて行ってしまい、期せずしてロンドンでは二人の共演が実現した。
↑ロンドンの空港に到着した二人。ジェイムスはこの服装でBBCに出演。
BBCテレビではジョニ、ジェイムスそれぞれのスタジオ・ライブを収録。
Joni Mitchell In Concert、James Taylor In Concertとして放送された。
いずれも二人の共演部分はない。
(収録しなかったのか、収録したが権利などの問題でカットされたのか不明)
※後に紹介するジョニのCalifornia、For Freeの映像はこの時のものである。
この音源はBBCラジオが約1時間の番組として放送した。
このBBCコンサートは後にFM東京でも放送された。海賊盤も出回っている。
(10月28日にロイヤルアルバート・ホールでのコンサートと表記しているもの
もあるが誤りで、29日のパレスシアターでのBBCライブである)
↑10/28アルバートホールまたは10/29パレスシアターでの公演の様子。
左でコーラスをつけてる3人は誰だろう?
二人の仲睦まじい会話、和気藹々のデュエットが聴ける。
演奏はジェイムスのギブソンJ-50、ジョニのマーティンD-28、ダルシマー、
ピアノによるアコースティック・ライブ。素晴らしい内容だ。
写真は前日のアルバートホールか29日のパレスシアターか不明。
1992年にイタリアのLiving Legendレーベルから高音質でCD化された。
2008年にWoodstock Tapesレーベルから公式盤CDが発売されている。
Joni Mitchell & James Taylor - The Circle Game
同年10月17日にバンクーバーのパシフィック・コロシアムでも二人は共演。
アラスカのアムチトカ島での地下核実験・反対集会コンサートの模様である。
2009年にCD化された。(Amchitka - The 1970 Concert)
4枚目のアルバムBlueはこの後に録音され翌1971年6月に発売された。
スティーヴン・スティルス、ジェイムス・テイラー、ラス・カンケル、
フライングブリトー・ブラザーズのメンバーが参加している。
ジョニ自身のギターとピアノが伴奏という点は前3枚と変わらないが、
All I Want、California、Carey、A Case of Youの4曲で前年のライブ
から使い始めたダルシマーを取り入れている点が斬新だ。
↑ダルシマーを弾きながらCaliforniaを歌うジョニが観れます。
(1970年BBCコンサート)
何曲かジェイムスがギターで参加している。(歌ってはいない)
All I want、California、A Case of YouではBBCライブと同じくジョニの
ダルシマーとジェイムス・テイラーのギターの二重奏。
↑ジョニとジェイムスのレコーディング風景。
Blueでジェイムスは歌っていない。
ジェイムスのLong Ago And Faraway録音時(1971年1-2月)と思われる。
Careyは変則チューニングのギターにスティーヴン・スティルスのベース、
パーカッションが加わり、CS&Nを彷彿させる曲に仕上がっている。
↑写真をクリックするとBlue収録のCareyが聴けます。
名曲と評されるピアノの弾き語りBlue、Riverは個人的にはイマイチだ。
ざっくり印象を言うと、3枚のフォーク・アルバムの路線を踏襲しつつも
さらに高度な独自の世界観に昇華させた作品という感じ。
All I Want、California、Carey、A Case of Youの4曲で前年のライブ
から使い始めたダルシマーを取り入れている点が斬新だ。
↑ダルシマーを弾きながらCaliforniaを歌うジョニが観れます。
(1970年BBCコンサート)
何曲かジェイムスがギターで参加している。(歌ってはいない)
All I want、California、A Case of YouではBBCライブと同じくジョニの
ダルシマーとジェイムス・テイラーのギターの二重奏。
↑ジョニとジェイムスのレコーディング風景。
Blueでジェイムスは歌っていない。
ジェイムスのLong Ago And Faraway録音時(1971年1-2月)と思われる。
Careyは変則チューニングのギターにスティーヴン・スティルスのベース、
パーカッションが加わり、CS&Nを彷彿させる曲に仕上がっている。
名曲と評されるピアノの弾き語りBlue、Riverは個人的にはイマイチだ。
ざっくり印象を言うと、3枚のフォーク・アルバムの路線を踏襲しつつも
さらに高度な独自の世界観に昇華させた作品という感じ。
それはダルシマーのやパーカッションの導入で無国籍の民族音楽的な要素
が加わった成果でもあるし、ジェイムス・テイラーの影響もあるだろう。
当時ジェイムスはヘロイン中毒で精神的にも問題を抱えていたが、ジョニ
は伴侶となれる相手を見つけたと感じていた。
は伴侶となれる相手を見つけたと感じていた。
皮肉なことにBlueが発売される3ヶ月前にYou've Got a Friendのヒット
でジェイムスの名声は高まり、ジョニとの間に摩擦が生じ破局を迎える。
ジェイムスはキャロル・キングと急接近し、半年後には1年後に結婚する
ことになるカーリー・サイモンとくっついていた。(ったくもう〜)
ジェイムスとの別れはジョニにはかなりの痛手だったようだ。
以降ジョニは崇高でやや難解な作風に変化し、ジャズに傾倒して行く。
<ジョニ・ミッチェルの1968-1979年をまとめて聴ける決定盤>
<ジョニ・ミッチェルの1968-1979年をまとめて聴ける決定盤>
今まで断片的にしか聴いていなかったジョニの初期フォーク時代の3枚を
聴きたくて調べてたら、1968-1979年の10枚がパッケージで超お得価格
で出ていることが分かった。
Joni Mitchell the Studio Albums 1968-1979
欲しい3枚それぞれ安く買うより、このセットの方が安い。安すぎる。
これでいいのか?と思うくらいだ。
よくある5 Classic Albumsシリーズとは一線を画す内容と断言できる。
これでいいのか?と思うくらいだ。
まずリマスターの音がいい。
見開き紙ジャケ仕様の装丁の出来も緻密で素晴らしい。
ジョニ・ミッチェルのアルバムは自ら描いた絵を使用するなど、アート
ワークが美しいのだが、それを忠実に再現しミニチュア化してある。
ピクチャーディスクも4枚目まではリプリーズ、5枚目以降はアサイラム
のディスクレーベルを再現してあり、徹底してこだわっている。
さすが信頼のRHINOレーベル!
買おうと思っていた3枚以下の価格で、 Blueもそれ以降の6作品もまとめ
て聴け、それ以降のジョニの音楽の変遷が楽しめてしまう。
ジョニ・ミッチェル入門者にもお薦めだし、マニアも納得のお得感満載
の充実のボックスセットだ。
5〜10枚目のアルバムを簡単に紹介しておく。○△Xは個人的好みです。
For the Roses(1972年)△
5枚目のアルバムで、アサイラム移籍後初のリリース。
過渡期の作品でやや散漫な印象はある。
従来のパーソネル+ウィルトン・フェルダー、トム・スコットとジャズ
系の人、かと思えばジェームズ・バートンも参加している。
ヒットしたYou Turn Me On, I'm a Radio(恋するラジオ)収録。
Court and Spark(1974年)○
クルセイダーズのラリー・カールトン、ウィルトン・フェルダー、ジョー
・サンプル、トム・スコット率いるL. A. エクスプレスなどが参加。
ジャズ色が強いジョニの新境地の作品で評価も高い。
The Hissing of Summer Lawns(1975年)△
ジョニの声がファルセットのメゾソプラノからアルトへ変化。
前作のミュージシャンに加え、ロベン・フォード、ジェフ・バクスター、
ヴィクター・フェルドマンが参加。
フォークロック色は消え、ジャズをさらに前衛的にした作品。
Hejira(1976年)○
ジャコ・パストリアスの参加で彼の才能、ベースラインが色濃く出た。
ウェザー・リポートから流れでジョニを聴いた人も多かっただろう。
聴きやすい作品ではある。
ジョニはギターをIbanezに変えRoland Jazz Chorusで鳴らしている。
ジャケットの写真はノーマン・シーフが撮影。
Don Juan's Reckless Daughter(1977年)X
当時2枚組で発売されたジャズ・フュージョン寄りのアルバム。
良く言えば多彩だけど捉えどころがない。アフリカン・ビートも苦手。
もう鬼才に付いていけない。ジャコ・パストリアスのベースはいいけど。
当時2枚組で発売されたジャズ・フュージョン寄りのアルバム。
良く言えば多彩だけど捉えどころがない。アフリカン・ビートも苦手。
もう鬼才に付いていけない。ジャコ・パストリアスのベースはいいけど。
Mingus(1979年)X
チャールス・ミンガスと共演の予定が路線変更でトリビュート作品へ。
ジャズ・フュージョン界オールスター的顔ぶれで制作し直された。
ジャコ・パストリアス色が強い。聴いてていいとは思わない。
最後のGoodbye Pork Pie Hat(ミンガス作)だけは好き。
<ジョニの1963-1967年の記録、アーカイヴ・シリーズ>
ジョニのレコード・デビュー前のアーカイヴ・シリーズのリリースが決定。
その第1弾が10月30日に発売された。
Joni Mitchell Archives Vol. 1 : The Early Years(1963-1967)
提供曲でジョニ本人のヴォーカルでは未発表の29曲が含まれている。
若き日のジョニを深掘りしたい方には興味深いセットだろう。
<続く> 次回はジョニ・ミッチェルの楽器遍歴とユニークな奏法について。
<参考資料:jonimitchell.com、BBC、Wikipedia、MUSIC LIFE CLUB、
amass.jp、Amazon、YouTube、他>
0 件のコメント:
コメントを投稿