2014年8月26日火曜日

チルアウトの心地よさ。


まずジャケットに注目!

前回取りあげたピンクフロイドの「原子心母」に似てるでしょう?
オマージュなのか、パロディーなのか。

The KLF(Kopyright Liberation Front 著作権開放戦線)という英国のハウス
ユニットによる1990年アルバム「Chill Out」。アンビエントの名盤である。





「Chill Out」の語源は「ダンスで火照った体を休め落ち着かせるためフロアの端
に設けた冷たい(Chill)部屋で流される音楽」から来ているらしい。
この部屋にはソファーやカウチが置かれダウンテンポの音楽が流れている。


このアルバムに「曲」を期待してはいけない。音のコラージュなのだ。

虫の声、羊の鳴き声、ホーミー(モンゴルの伝統的な発声法)の声、クルマの音、
アムトラック(アメリカ横断鉄道)、ラジオの音声が通り過ぎて行く。
ペダルスチールギターのレイドバックした音。
エルヴィスやボーイジョージ、フリートウッドマックのサンプリングが被さる。

スピーカーから流れると部屋の空気にゆっくり溶けて行く。
窓を開ければ、外から入って来る虫の声やバイクの音、犬の鳴き声、子供の声、
遠く聴こえる飛行機の音、救急車のサイレン、雀のさえずりとも馴染む。


The KLFは違法サンプリングや何かと過激な奇行が多く解散してしまった。
このアルバムも廃盤のまま放ったらかし状態。
中古市場やオークションではプレミアムがついているようだ。

誰にでもお薦めはしない。僕にとっては一生もののアルバムの一枚だけど。


↓お時間のある方はボケーッと脱力状態で聴いてみてください。



2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

今更ながら簿記の勉強を始めたところですが、どうしてもという必要性もない学習の上、ここ何年も記憶するという作業をしていなかったし、年齢も手伝ってか、ちっとも頭に入らず、テキストを読んでも覚えられない、覚えてもすぐに忘れるという情けない状態です。そこで、このYou Tubeを流しながらテキストを読んでみたら、テキストに集中できたように感じました。遠くで何か音が流れているけど、気にならない、今していることに集中できるって感じです。メロディーが流れていると、どうしてもそのラインを頭が追ってしまうのですが、これはただ流れているのを無感覚で受け止められるってことでしょうか?
違う角度からの感想でした(^^;)

イエロードッグ さんのコメント...

>Mary Ppmさん

僕も家で仕事をする時にこういう音楽を聴くようになりました。
何時間も根詰めて作業をする時に流しておくと捗ります。

いわゆるBGMというのとはまた違います。
スピーカーから流すと自然に部屋にとけ込む。主張しすぎない。
でも部屋の空気は明らかに変わる。
ブライアンイーノが唱えた「インテリアとしての音楽」です。

エルと一緒にいる時も邪魔にならないから小さい音でかけました。
音楽にのめり込むのではなく、ただ流しておくだけ。

ブライアンイーノのMusic for Airportsは彼のアンビエントの代表作。
空港で流すために作られたそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=5KGMo9yOaSU

こちらはハロルドバッドとの共作。揺らぎが美しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=j0Sz0lgYhKw