2018年9月1日土曜日

ロックな青春映画10選(7)ドブネズミみたいに美しくなりたい。

ロックな青春映画10選、後半は邦画をご紹介したい。
一発目は「リンダ、リンダ、リンダ」。(2005年公開)

タイトルでピンと来た方もいるだろう。
1980年代後半に活躍した日本のパンクロック・バンド、ザ・ブルーハーツのメジャー・
デビュー曲「リンダ リンダ」がこの映画のフックになっている。


文化祭でバンド出演。夏に教室や屋上で練習をした思い出。あるよね?







<映画のあらすじ>

とある地方都市の高校(撮影は群馬県の前橋工業高校で行われた)が舞台。
文化祭を数日後に控えたある日、軽音楽部所属の5人組ガールズバンドのギター担当
(湯川潮音)が指を骨折してしまった。

高校生活最後の文化祭にどうしても出たいキーボードの恵(香椎由宇)。
オリジナルメンバーでやらなきゃ意味がないというボーカルの凛子(三村恭代)。
二人は対立し、バンドは空中分解。


恵がギターに転向し、ドラムスの響子(前田亜)、ベースの望(関根史織)とバンド
を続け、文化祭に出ることにする。。。。が、何をやるか決まらない。

軽音の部室で古いLPやカセットをひっくり返しているうち、ザ・ブルーハーツの「
リンダ リンダ」を聴き、3人はノリノリ。


問題はボーカルだ。恵はギターを弾くのに精一杯。
文化祭の準備で慌しい校内でどうしようか悩む3人。
じゃあ、あそこを最初に通った子にしようよ、といい加減な提案をする恵。

最初にやってきたのは、よりによってバンドを抜けたばかりの凛子だった。
次に韓国の留学生ソン(ペ・ドゥナ)に恵が声をかける。
「バンドやんない?ボーカルでいいよね?やるのブルーハーツだから」
ソンは適当に返事をする癖があり、意味も分からないまま引き受けてしまう。






2日後の本番まで時間がないため、さっそく練習を始めるが4人の音はバラバラ。
特に恵は慣れないギターがうまく弾けない。

夜の部室に忍び込んで、体育会座りで練習する4人。屋上で一人ギターを弾く恵。
一人カラオケで歌うソン。気持ちが一つなり、音も良くなってきた。


前日からスタジオに泊まり込みで猛練習するが、4人は疲れて寝てしまう。
軽音の部員からの電話で恵は目がさめる。出番の時間に間に合わない。
どしゃぶりの中バスに乗る4人。体育館に着いた時、残り時間は10分足らず。

雨を避けて集まって来た生徒たちを前に、4人は裸足のまま壇上に上がる。
「私たちはパーランマウム(파란 마음、韓国語でBLUE HEARTS)です」と名乗り、
「リンダ リンダ」「終わらない歌を歌おう」を熱演した。観客は総立ち。

4人は力を出し切り満足そうな笑みを浮かべていた。
舞台の袖で見ていた凛子でさえも。



↑クリックすると「リンダ、リンダ、リンダ」の予告編が観られます。


<映画の見どころ>

大きな盛り上がりもなく、まったりとした高校生活にリアリティがある。
古い教室、廊下、体育館、下足入れが並ぶ玄関、部室、文化祭の準備風景。
高校生バンドらしい大雑把でまとまりのない演奏。そうそう、こんな感じ。
この映画を見てると、遠い昔の空気感や匂いが蘇ってくるようだ。

監督の山下敦弘はわざとらしい盛り上げを極端に嫌う人らしい。
唯一のハイライトはどしゃぶりの雨の中、文化祭に駆けつけるバンドと、演奏
シーンだが、それも淡々と描かれている。
長回しの多用、ロングショット、移動カメラ、そして間の取り方が上手い。



<キャストのキャラが絶妙>

気が強い恵は当所は木村カエラがキャスティングされていたらしいが、結果的に
香椎由宇が適役だったと思う。
クールな凛子(三村恭代)との確執、反りの合わない所もリアルだった。

前田亜季演じるおっとりしたドラムスの響子。
無口な望役の関根史織はBase Ball Bearというバンドのベーシストでもあり、
3人のプレイヤーの中で一番、音楽的にしっかりしている。





そして韓国から来た留学生ソン(ペ・ドゥナ)はたどたどしい日本語といい加減な
返事、絶妙の「間」で笑いを誘う。
ペ・ドゥナは韓国でファッション雑誌のモデルやCMモデル、テレビタレント、映画
女優として活躍。シリアスな作品からコメディーまでこなす実力派・個性派である。

個人的には脱退したボーカルの凛子(三村恭代)の冷めた感じも良かった。
だいうじょうぶ?がんばってね、と声をかけるが最後まで恵と和解しなかった。


屋上で漫画喫茶やってた一つ年上の留年生(どこの学校にもいたよなあ)は山崎優子
(me-ism)が演じている。
けだるい雰囲気とハスキーな声。恵のギターでブルースを奏でるがこれが上手い!

パーランマウムの4人が遅れているため、指を骨折したギターの萠(湯川潮音)がアカ
ペラで「The Water Is Wide」を歌い穴埋めするシーンがある。
湯川潮音はシンガーソングライターで実際にギターも弾ける。

さらに時間稼ぎのため上述の山崎優子が奥田民生「すばらしい日々」を弾き語りし、
山崎優子のギターで湯川潮音が細野晴臣の「風来坊」を歌うがこれもよかった。



<使用楽器>

ギターはESP、アンプはRoland、ドラムスはPearlが提供している。
恵(香椎由宇)が弾いてるのはセミホロウボディーのレトロなデザインのギターだが、
これはESPのオリジナルだっろうか?(知ってる方、教えてください)

望(関根史織)の水色のベースは一見プレシジョンっぽいがヘッドが違う。
たぶんこれもESPのオリジナルなのだろう。

ちなみに関根史織はBase Ball BearではフェンダーUSAプレシジョンベース、
ムスタングベース、プレシジョンベース、Freedom Custom Guitar Research
のジャズベース、ギブソン・SGベースなどを愛用しているようだ。


高校生のロックっていいよね。ガールズバンドっていいな!




<参考資料:Amazon、Wikipedia、YouTube、シネマトゥデイ、他>

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