2015年5月21日木曜日

時代と寝た女。


ナンシー・シナトラは父親のフランク・シナトラの七光りで'60年代前半に
アイドル歌手としてデビューしたものの今イチぱっとせず。

日本では「レモンのキス(Like I Do)」とか「イチゴの片想い(Tonight You 
Belong To Me)」とかいい加減な邦題をつけたおかげかそこそこヒット。
(曲自体はななかないいと思う)


その後、彼女は歌手のトミー・サンズと結婚するが'65年には離婚。
それを機に再デビューする。

プロデュースを任されたのはシンガーソングライターのリー・ヘイゼルウッド。
彼は考えた。バツイチの25才のナンシーが今さらアイドルじゃないだろう。
ナンシーを男を翻弄するセクシーな悪女のイメージで売り出すことにした。




これが当った。若者のセックス・シンボル的人気を確立。
当時ベトナムの米兵の兵舎にはナンシーのポスターがよく貼られていたとか。

トム・ハンクスも学生時代、ナンシーのポスターを部屋に貼っていたことを
明かしている。
女の子たちはこぞってナンシーのアイメイクを真似した。

決して美人とは言えない(笑)
グラマーだが本人が「I'm short」と言う通りかなり小柄でバランスも良くない。
でもなかなかエロい。



曲にも恵まれた。
「にくい貴方」という邦題が?な「These Boots Are Made For Walking」で
ミニスカートにブーツは彼女のトレードマークになり時代を象徴するゴーゴー
・ガールのイメージが定着した。




幼馴染の恋人に銃で撃たれることを静かに歌う「バンバン(Bang Bang)」は
後に映画「キル・ビル」の挿入歌にもなった。




「サマーワイン(Summer Wine)」は甘い恋のささやきを西部劇調のアレンジ
にした曲でリー・ヘイゼルウッドとデュエットしている。




父親のフランクとデュエットしたマリアッチ調アレンジの美しい曲、
「恋のひとこと(Something Stupid)」は大好きな曲だ。





そして映画「007は二度死ぬ」(浜美枝と若林映子がボンドガールで出演)の
タイトル曲「You Only Live Twice」もいい。




「ドラマーマン(Drummer Man)」を最後に'70年代に入るとナンシーはヒット
チャートから姿を消す。
ナンシー・シナトラは'60年代後半という時代と寝た女だったのかもしれない。

2 件のコメント:

provia さんのコメント...

こんばんは。

ナンシーの話題が続きますね。
本当にナンシーの魅力って不思議ですね。

父親譲りなんでしょうか。
父親のフランクも音程が少しフラットしてると言われますが、
それが魅力であるように、ナンシーも決して上手くないのに
惹き付けるものがあるように思います。

「007は二度死ぬ」は個人的には面白く無い作品ですが、
主題歌は良いですね。

この頃の007シリーズは主題歌も良かったですね。
私が好きなモーリス・ビンダーがデザインしたタイトルに
主題歌が流れてくるとゾクゾクしたもので、今もYouTubeで
007のタイトル集を見るのは私の密かな楽しみです。

イエロードッグ さんのコメント...

>proviaさん

「シュガー・タウン」の続きとしてアップするつもりだったのですが、
B.B.の訃報が入ったためそっちを先に載せ一回遅らせました。

いやいや。ナンシーの魅力(魔女力?)ってほんと不思議です。
何なんでしょうね。
歌唱力があるわけではないし美声でもない。
かと言ってレスリー・ゴーアみたいに酷い声でヘタというわけじゃない。
独特のふてぶてしい歌い方やハッハアとか時々入る声に惹かれるんです。

洋楽を聴き始めた頃「ドラマーマン」がヒットしていてそれを最後に
ナンシーは消えてしまったし、ビートルズやクリームやドアーズで
忙しくてナンシーまで手が回りませんでした。
友だちでもナンシーを聴いてる奴はいませんでしたしね。
世代的にももう少し上だったんじゃないでしょうか。
「ドラマーマン」の頃エルヴィスが復活して「サスピシャスマインド」
がよく流れてたのを思い出します。

フランク・シナトラはベルベットのような豊かな声が魅力です。
この人も独特なタイム感がありますよね。
スイングが好きじゃないのでちゃんと聴いたことがないのですが。

「007は二度死ぬ」はなんだかな〜面が多い作品でしたね。
浜美枝が話題になりましたが僕は若林映子の方が好きです。
僕も007シリーズのタイトルの大ファンですよ。
近年は惚れ惚れするようなタイトルの映画がなくなりましたね。