2015年7月24日金曜日

ジェームズ・ディーン。

ジェームズ・ディーンといえば「理由なき反抗」の赤いジャケットとジーンズ
を思い出す人も多いはずだ。彼のトレードマークとも言える。




昔昔、故水野晴朗さん解説の「いつの時代もヒーローたちは本物のリーバイス」
というCMをやっていて、スティーヴ・マックイーンやジェームズ・ディーンが
紹介されていた。(マリリン・モンローも出てたっけ?)

そのせいでジェームズ・ディーン=リーバイスのイメージが強いが、「理由なき
反抗」や「ジャイアンツ」で彼が履いてるのはリー(Lee)の101Zだ。
私生活でもリーを履いていたらしい。


赤いジャケットはマクレガーのドリズラーというウィンドブレーカーだと雑誌
などに書かれてていて、僕も長年そう信じ込んでいた。
メンズクラブの編集がドリズラーのヴィンテージを着ているのを見て、おおっ!
これがジェームズ・ディーン愛用の。。。と感動したものである。

本当はマクレガーのナイロン・アンチフリーズという防寒ジャケット(表地は
ナイロン、裏地にはフリース)だった。


確かに改めて写真を見ると、彼が着ているジャケットはボリューム感があり一枚
仕立てのドリズラーとは違うのが分る。

「理由なき反抗」では当初ジェームズ・ディーンが黒の革ジャケットを着る予定
だったが、急遽ワーナーブラザーズ初のカラー映画として制作されることが決ま
ったため、カラー映画で映える赤いジャケットに変更されたらしい。




閑話休題。

やっと音楽の話に入ります(笑)

「James Dean」はイーグルスの3枚目のアルバム「On The Border」(1974年)に
収録された骨太でありながらもハモリが美しいロックンロール・ナンバーである。
作曲したグレン・フライがボーカルを取っている。

B面に針を落とすとノリのいい「On The Border」で始まり、2曲目の「Ol' 55」
(トム・ウェイツの曲でグレン・フライ、サビではドン・ヘンリーが切々と歌う)
へと続くのが好きだった。


この映像は1974年のカリフォルニア・ジャムに出演した時のパフォーマンス。
ジャクソン・ブラウンがピアノを弾いているのが確認できる。
この時期に入ったドン・フェルダーの姿は見えず、バーニー・レドンがリードを弾
いている。何故だろう?





「On The Border」は過渡期のアルバムである。
前2作のカントリー色が薄れ「James Dean」のようなタイトなロック・サウンドが
全面に出て来た。

プロデューサーがこのアルバムの制作過程でグリン・ジョーンズからビル・シムジク
に交代したこと、新たにドン・フェルダーがギターで参加したことも大きい。


グリン・ジョンズは英国のプロデューサーでキンクス、ローリング・ストーンズ、
トラフィック、ビートルズの幻のアルバム「Get Back」のエンジニアであった。

その後アメリカのスティーヴ・ミラー・バンドのプロデューサーとして起用される。
デヴィッド・ゲフィンがワーナー傘下でアサイラム・レーベルを立ち上げた時にグリン
・ジョンズは招かれイーグルスを担当することになった。

グリン・ジョンズは中域に固まったゴリッとした力強いサウンドが特徴である。
彼はイーグルスのハーモニーを評価する一方、ロック・バンドとしては認めなかった。
メンバー達もボーカルのエコーが深すぎることなど不満を抱えていて、新しいプロデュ
ーサーを探すことが急務になっていたのだ。


ビル・シムジクはジェイムズ・ギャング、Jガイルズ・バンドを手がけたプロデューサー
で、ワイルドなギター・サウンドを都会的でアダルトな音楽として聴かせるのを得意と
していた。
(後にジェイムズ・ギャングを脱退したジョー・ウォルシュもこの縁でイーグルスに
加わることになる)





「On The Border」では初の全米ナンバー1ヒットとなった「Best Of My Love」と
「You Never Cry Like A Lover」だけがグリン・ジョンズ、他の曲はビル・シムジク
がプロデュースを担当している。

「James Dean」はビル・シムジクによるプロデュースなのだが、前作「Desperado」
の時に既に曲はできていたものの西部開拓時代をテーマにしたアルバムにそぐわないと
いう理由で見送られ、ロック色強い「On The Border」で日の目を見ることになった。


カリフォルニア・ジャムでドン・フェルダー不在のイーグルスがこの曲を演奏している
のは、まだ「On The Border」の制作に入る前だった可能性もある。
この段階ではライブ用のノリのいい曲という位置付けだったのかもしれない。

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