2023年3月1日水曜日

チェット・アトキンスの華麗なギターを堪能できる一枚(前篇)



チェット・アトキンスを聴いてみたけど、どこが凄いのか分らなかった。
そういう声をよく聞く。

エドワード・ヴァン・ヘイレンのような超絶テクを期待してはいけない。
どこが凄いのか分らないくらい凄い。それがチェットなのだ。
(賛成の反対、それでいいのだ、バカボンのパパなのだ。 ||:3ミ) 



チェット・アトキンスを聴くなら、どれがお薦めですか?
うーん、それはかなり難しい質問だ。


なにしろ1952〜1997年の45年間で発表したアルバムは90〜100枚。(1)
CD化されたのは半分にも満たないはずだ。(2)
未CD化アルバムも含め、どのアルバムにどの曲が入ってるか、アルバム
のタイトルや曲名も正確に憶えていない。(3)

チェットの全容を把握するのは難しい。
レコードコレクターズでさえ特集を組まない。





チェット・アトキンスはミスター・ギターカントリー・ジェントルマン
と称される、基本はカントリー畑のギタリストである。
マール・トラヴィスやレス・ポールの演奏をベースに、独自のフィンガー
ピッキング・スタイル(4)に昇華させた。

チェットはRCAビクターのプロデューサーとしても活躍。(5)
セッション・マンとしてハンク・ウィリアムズ、エルヴィス、エヴァリー・
ブラザーズなどのレコーディングにも参加している。





ロックやポップスが主流だった1960年代に、カントリーが万人受けする
ようフィドルやバンジョー、マンドリンを外し、ナッシュビルサウンド
呼ばれる、よりポップなスタイルを築き上げる。(6)

カントリーの枠に留まらず、ジャズ、ブルース、ロック、ラグタイム、クラ
シック、ポップス、ボサノヴァ、サンバ、マリアッチ(メキシコ民謡)、
カンツォーネ、映画音楽、イージーリスニング、フュージョンとジャンル
を超えた音楽作り続けた。


ファンの間でも1950年代前半のコテコテのカントリー時代が好き、1950年
代末〜1960年代のポップスへとジャンルを広げたチェットが好き、1970年
のシンガー&ソングライターのカヴァーがいい、他ギタリストとの共演が
きごたえあり、と好みが分かれる。





ベスト盤が多数出てるので、そこから入るもいいと思う。
わりとツボを押さえた編集をしてるものも多い。
ただし日本編集盤はやめた方がいい。ジャケットがダサいから。(7)



そもそもチェット・アトキンスが万人受けするとは思えない。
メタル系のギター小僧には退屈な音楽だろう。

そこで、チェットが向いてるかどうかリトマス試験紙になりそうなアルバム
を、あえて選んでみた。



Chet Atkins in Hollywood」という1959年7月発売のアルバムだ。
(録音されたのは1958年10月)
映画音楽集?と思えるが、タイトルはチェットが本拠地ナッシュビルの
RCAスタジオではなく、ハリウッドでレコーディングしたことに由来する。




実際に映画音楽も3曲収録されている。他も名曲で名演奏ばかりである。
デニス・ファーノン率いるオーケストラ(チェットのギターへ敬意を込
めた)素晴らしいストリングスアレンジで、古き良き時代の夢見るような
ウンドを奏でる。

チェットはそのオーケストラとよくバランスのとれた、控えめながらも、
きめ細かく行き届いたギタープレイを聴かせてくれる。


チェットは出過ぎることこれ見よがしのテクや饒舌なソロを好まない
ここぞという時に華麗な速弾きが入るが、それさえ気づかないくらいだ。

むしろ間の取り方タメの絶妙さギターの音色バンドやオーケストラ
との音のバランスに細心の注意を払う。
どこが凄いのか分らない。ただうっとり聴き惚れてしまう。時を忘れる。
そこがチェットの偉大さなのだ。





オールミュージック(8)のレビューでも賞賛されている。
「ストリングスアレンジは青草が生い茂るような(lush)瑞々しさだ。
恋人たちがいちゃつく(make-out)のに最高のレコード」とある。


なるほど。アメリカン・グラフィティ(9)の大人版みたいな感じだろうか。
豊かだったアメリカ、テールフィンのキャデラック、フォードTバード。。。

つまり日本でいうムード・ミュージックのカテゴリー(10)に入るらしい。
チェットのLPジャケットには魅惑的な女性とギターの写真が使われている
ものもある。(ベンチャーズもだが)


このアルバムは既に廃盤だが、チェットの代表作の一つで、ジャケット
人気があるため、何度もプレスされている。
中古のLPやCDは比較的見つかりやすいと思う。(11)




↑「Chet Atkins in Hollywood」のジャケット。
ハリウッドの夜景とギター(グレッチ6122カントリージェントルマン(12)

LIVING STEREOは「生演奏のような臨場感あるステレオ」の意味。
RCAビクターが1958年に開発したステレオLP技術を表すロゴマーク。
バランス、透明感、空間性などあらゆる点で超優秀録音の証だ。(13)
モノラル盤には(当然だが)LIVING STEREO表記はない。




↑「Chet Atkins in Hollywood」のジャケット裏面。
タイトル下にwith Dennis Farnon and His Orchestraと記されている。
プロデューサーはチェット自らが行っている。
(表記はないが、ジェスロ・バーンズがマンドリンで参加。他にドラムス、
ジャズギタリスト、ダブルベースもオーケストラに加わったようだ)

ロールハッシャテストのような絵は男女のキスシーンの撮影フィルムを
模したものだろう。





↑LPのレーベル SIDE1。
お馴染みの「蓄音機とニッパー犬」のRCAビクター・ロゴ。
下にはLIVING STEREOの表記。
右に"STEREO ORTHOPHONIC HIGH FIDELITY"とある。
OrthophonicはRCAビクターが開発したイコライザーカーブ方式。(14)



分かる範囲で収録曲を紹介しようと思う。


Side 1

1. Armen's Theme
作曲者Ross Bagdasarian(何と読むのか?)はディッド・セヴィルという
別名でプロデューサー、マネージャーをしていた。
1956年に自身のオーケストラでこの曲を発表している。
曲名は奥方のArmenouhi "Armen" Kulhanjianのミドルネームではないか?
チェットならではのギャロッピング・スタイルのギターがたっぷり聴ける。
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/TaCkRdRNcgY


2. Let It Be Me
フランスの歌手・作曲家ジルベール・ベコーの「神の思いのままに」に英語
の歌詞をつけ、エヴァリー・ブラザーズが1960年にヒットさせた。
以降、数多くの歌手がカヴァーしゴスペルの定番曲となる。(15)


3. Theme from Picnic
1955年に製作・公開されたアメリカの恋愛映画「ピクニック」のテーマ。
主演はキム・ノヴァクとウィリアム・ホールデンだった。
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/lRYm2Uha89k


4. Theme from a Dream
メランコリックな曲。これも映画音楽だろうか。調べたが分からなかった。
フランスのジャズギタリスト、ゴナ・レティネンが2018年にカヴァーしてい
る(チェットの演奏に近い)(16)


5. Estrellita
メキシコの作曲家マヌエル・マリア・ポンセによる歌曲。(17)
タイトルの「Estrellita」とは「小さな星」を意味する。
ヤッシャ・ハイフェッツによるヴァイオリンの演奏が有名。


6. Jitterbug Waltz
ジャズ作曲家ファッツ・ウォーラーと彼の楽団が1942年に録音した曲。
ジターバグとは「ジルバを踊る人」という意味。
アメリカで1920年代のチャールストンに続き、1930年代に10代の少年少女
間で流行したエレルギッシュなダンス。その年代の風俗を象徴する。




↑LPのレーベル SIDE2。


Side 2

1. Little Old Lady
タイトルからジャン&ディーンのThe Little Old Lady (from Pasadena)
(パサディナのおばあちゃん)を思い出してしまうが違う曲。
1937年に英国の人気歌手エルシー・カーライルが歌った。
チェットは1958年のジュリー・アンドリュースの歌唱を参考にしたようだ。
出だしからお家芸のギャロッピング・スタイルが聴けるのがうれしい。
1961年にエヴァリー・ブラザーズもカヴァーしている。
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/Uoyjlh7OE_o


2. Terry Theme from Limelight
1952年のチャップリンの映画「ライムライト」より「テリーのテーマ」。
作曲はチャップリン。歌詞付きの「エターナリー」も人気がある。(18)
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/4F90JuNu2cE


3. The Three Bells
男女3人のフォーク・コーラス・グループ、ザ・ブラウンズが1959年に歌い
全米No.1のヒットとなった曲。


4. Santa Lucia
伝統的なナポリ民謡(カンツォーネ・ナポリターナ)の曲。


5. Greensleeves
伝統的なイングランドの民謡。16世紀半ばまで口頭伝承で受け継がれた。


6. Meet Mister Callaghan
チェットが敬愛するレス・ポールが1952年にヒットさせた曲。
レス・ポールは多重録音でギターは複音。チェットのギターはシンプル。
1954年にイギリスで同名の犯罪ドラマ映画に使用されたらしい。
1952年にミッチー・ミラー楽団がカヴァーしシングルで発売している。
1961年にはベンチャーズもアルバム「Another Smash」で録音した。(19)
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/-FxKdgdjA5g




                       (写真:Gettyimags)


さて、この「Chet Atkins in Hollywood」、まだ続きがある。
長くなるので次回に。。。


<脚注>



(1)1952〜1997年に発表したアルバムは約140枚
Gallopin' Guitar(1953)、Stringin' Along With Chet Atkins(1953)は
10"LP。以降は12"LP。
本人公認のベスト、編集盤、オムニバス・ライヴ盤、共演盤を含む。


(2)CD化されたのは半分以下。
異なるレーベルから異なる組み合わせの2in1でCD化されているため、
重複してしまうアルバムも多い。しかも発売が長続きしない。
一方でまったくCD化されていないアルバムがいっぱいある。


(3)アルバム名・曲名を憶えていない。
演奏だけで歌詞がないのが曲名を憶えにくい理由だと思う。
アルバムのタイトルも同じようなものが多いし。


(4)独自のフィンガーピッキング・スタイル
マール・トラヴィスの2フィンガーによるギャロッピング(馬の駆け足)
スタイルを発展させた3フィンガー・ピッキングが基本。
サムピックをつけた親指で6〜4弦をミュートさせながらベース音を弾き、
人差し指、中指、薬指で3〜1弦のコードとメロディを同時に弾く。
ソロで単音を弾く時はトレモロアームでヴィブラートをかける。


(5)RCAビクターのプロデューサーとしても活躍。
エヴァリー・ブラザーズ、ウェイロン・ジェニングス、ボビー・ベア、
ウィリー・ネルスン、チャーリー・プライド、スージー・ボガスなどを
プロデュースする。ギタリストとしても参加している。


(6)ナッシュビルサウンド
1960年代に音楽の主流になったロックやポップスに対抗すべく、時代遅れ
視されていたカントリーをモダン、コンテンポラリーなサウンドにした。
フィドル、マンドリン、バンジョー、ペダルスチールというカントリーの
主役を取り除き、キーボードやエレクトリック・ギター&ベースという
ロックやフュージョンに近い編成とした。
チェットは後年、ナッシュビルサウンドの功罪について「伝統的なカント
リーミュージックの形態を変えた後ろめたさはある」と語っていた。


(7)日本編集盤はジャケットがダサい。
邦楽や洋楽ポップスのコンピレーション、シングルは社内のグラフィック
デザインを担う部署で作ってもらうのが慣習。
高い報酬で実力のあるクリエイティブディレクター、デザイナー、フォト
グラファーを雇うには、売れるアーティストじゃないと予算が付かない。
それなりの給料で働いているそれなりの人がデザインするわけだから、
やはりそれなりの出来になってしまう(笑)


(8)オールミュージック(AllMusic)
アメリカの音学に関するデータベース・サイト。


(9)アメリカン・グラフィティ
1973年公開のジョージ・ルーカス監督・脚本の映画。彼の出世作となる。
カリフォルニアの小さな町で、高校を卒業しそれぞれの旅立ちを控えた
若者たちの一夜を追う、いわゆるワンナイトもの。
ほろ苦くも甘いエピソードが落書き(グラフィティ)のように描かれる。
当時は無名だったリチャード・ドレイファス、ハリソン・フォード、ロン・
ハワード、チャールズ・マーティン・スミスなど後のアメリカ映画を代表
する大スター・売れっ子監督が出演している。
https://b-side-medley.blogspot.com/2018/01/1031962.html


(10)ムード・ミュージック
公共空間、商業施設等、家など生活空間の雰囲気づくりのためのBGM。
男女の恋を想起させるような甘い曲調のインストゥルメンタルが多い。
ムード歌謡という歌手たちも含まれることがある。
(日本独自のカテゴリー名かと思ったら、英国でも使われるらしい)
アメリカでの呼び方は、エレベーター・ミュージック、サロン・ミュージ
ック、イージー・リスニング。
例えばポール・モーリア、レイモン・ルフェーブルのオーケストラもの。
アメリカではイージー・リスニングというと、インストゥルメンタルより
セルジオ・メンデス&ブラジル66、レターメン、フィフス・ディメンション、
カーペンターズ、ディオンヌ・ワーウィック、バーブラ・ストライサンド
などのがこのジャンルにカテゴライズされる。


(11)入手可能な「Chet Atkins in Hollywood」のCD
「The Other Chet  Atkins」というラテン・アルバムとの2in1のCD(何で
この組み合わせ?)がAmazonマーケットプレイスで入手可能のようだ。
また「8 Classic Albums」という2in1CD4枚組セットにも入っている。
(これはBear Family Recordsのボックスをコピーし簡素化したもの)


(12)グレッチ6122カントリージェントルマン
チェット・アトキンスとの共同開発によるグレッチの代表機種。
ビートルズ時代ジョージ・ハリソンが使用したことでも有名。
幅広で薄型のホロウ・ボディー。ビグズビー・トレモロユニット搭載。
ハウリング防止のためfホールは実際には空いていない。
1958年完成のフィルタートロン・ピックアップ(ハムバッカー)2基。
ギブソンのハムバッカーの「高出力で太く甘いサウンド」に対し、フィルタ
ートロンは「抑えめな出力で澄んだサウンド」でコードが美しく響く
明るくキラキラしたクリアーなサウンドが得られる。




(13)LIVING STEREO
ステレオ初期の1956〜1965年、RCAビクターが開発したステレオ技術で
録音されたレコードに付けられたロゴで、優秀録音の保証マーク。
「音が躍動する、生き生きとした生演奏のようなステレオ」という意味。
左右のスピーカー・コーンの間にLIVING STEREOの文字が踊るデザイン
が、それをよく表現している。


(14)Orthophonic(RCAビクターが開発したイコライザーカーブ方式)
レコード盤の音溝に刻まれた音は高音域の音量を大きく、低音域の音量を
小さくするよう補正されている。(高域のノイズを抑えるため)
アンプのPHONO入力やPHONOイコライザーアンプを通すことで、初めて
本来の音色になる。補正レベルの曲線がイコライザーカーブだ。


このイコライザーカーブがレコード会社によって違っていた。
RCAはOrthophonicに続いて、1952年にはNew Orthophonicを採用。
DECCAはFFRRカーブ、コロムビアとEMIはColumbiaカーブ、RIAA、AES、
と乱立していた。リスナーはレコード会社ごとに音の調整が必要になる。
1954年にRIAA(全米レコード協会)がイコライザーカーブを統一。
RCAビクター主導でNew Orthophonicの特性を元にRIAAカーブを決定。
RIAAカーブは以前のOrthophonicの特性に近いと言われる。
それで盤面にわざわざ「Orthophonic」と主張しているのかもしれない。



(15) Let It Be Meのカヴァー
ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス、アンディ・ウィリアムス&
クロディーヌ・ロンジェ、シャドウズ、ソニー&シェール、 ブレンダ・リー、
スキーター・デイヴィス&ボビー・ベア、ソニー&シェール、ピーター&ゴー
ドン、ライチャス・ブラザーズ、ナンシー・シナトラ、サム&デイヴ、マン
フレッド・マン、フランソワーズ・アルディ、グレン・キャンベル&ボビー・
ジェントリー、ペトゥラ・クラーク、フィフス・ディメンション、トム・
ジョーンズ、エルヴィス、ディラン、ロバータ・フラック、ニーナ・シモン、
ウィリー・ネルソン、ジェームズ・ブラウン。


(16)ゴナ・レティネン(Gona Lehtine)
フランス出身のギタリストで、伝統的なジプシージャズからロカビリー、
ロックンロール、ラグタイム、カントリー、ハワイアン、ジャズボッサ、歌
ものまで幅広い演奏をしている。
いずれも古き良き時代のいいとこ取りのような一貫性のある個性がいい。
作品は2018年にリリースした「Fly Now!」だけのようだ。

↓ゴナ・レティネンのTheme from a Dreamが聴けます。
https://youtu.be/dFJQN1zuNHo



(17)マヌエル・マリア・ポンセ
メキシコの作曲家・音楽教師、ピアニスト。
ギター奏者のアンドレス・セゴビアと親交があり、セゴビアの演奏技巧を
考慮して作曲されたギター作品を残しており、ギター演奏家に人気がある。


(18)「ライムライト」より「テリーのテーマ」
テリーは貧しい踊り子で、助けてくれた道化師のカルヴェロに思いを寄せる。
「ライムライト」は電球が普及する以前に舞台照明に用いられた照明器具。
名声の代名詞でもある。


(19)ベンチャーズ版 Meet Mister Callaghan
3枚目のアルバム「Another Smash !!!」(1961)に収録されている。
ドン、ボブ、ノーキーの3人はまだモズライトではなくフェンダーを使用。
Meet Mister Callaghanでもそれが分かる。


<脚注:MisterGuitar.com、Discogs、Turn On、AllMusic、45worlds、HMV、
GAZOO、エレキギター博士、ortofon、Twice Told Records、 PHILE WEB、
Bear Family Records, Experience、Guitar Records、Wikipedia、YouTube、
Gettyimags、ザ・ギタリスト、他>

9 件のコメント:

縞梟 さんのコメント...

こんにちは。
わざわざ重い腰を上げさせて記事を書かせてしまったようで
申し訳ありません(苦笑)

とりあえずこのアルバムまで順番に聴いてみたところ、良かったというより
知ってる曲が収録されているからというベタな理由で
Walk,Don't Runが収録されている「Hi Fi In Focus」とアルバムテーマが統一されている
「In Hollywood」が良かったです。
とりあえず本作品の後半記事を楽しみにしておりますが、バンド物で何かお薦めの
作品などありましたら教えていただけると幸いです(他人のセッションアルバムでもOKです)

イエロードッグ さんのコメント...

縞梟 さん

コメントをいただき、ありがとうございます。
チェットとなると壮大すぎて、どういう切り口にするか悩みます。

あまり情報がないので海外のサイトから引っ張って来るのですが、
そんなことをやってるとどんどん時間が経ちます。
別に締め切りがあるわけじゃないけど。
あと写真が少ないですね。

セットに「In Hollywood」も入ってるんですね。
ベンチャーズのWalk,Don't Runは、チェットの演奏が難しすぎる
ので簡単にしたところヒットしたそうです。
チェットもジョニー・スミス・トリオのを参考にしてます。

アレンジ、編成が違う曲が混在してるアルバムが多いですね。
レス・ポールとの共演、Chester&Lesterはどうでしょう。
スタジオ・ライヴみたいな録音でオーヴァーダヴもありません。
2人の会話や笑い声も入ってます。
https://youtu.be/igpohkteeFA
ブレイク後、再開する演奏がすばらしい。
左がチェット、右がレスポール。一粒で二度おいしい(笑)
二人の共演でGuitar Monsterというアルバムも出してますが、
Chester&Lesterの方がいいです。

ライヴ盤もソロかバンド編成です。
パリでのライヴ「And Then Came... Chet Atkins」はいいです。
https://youtu.be/yxfsaXhx9G8

フランスでしか発売されませんでした。
アメリカのRCAは2枚組は売れないと判断したようです。
パリとナッシュビルのライヴを編集して1枚にし、
「Chet Atkins on the Road..Live」として発売しました。
当時LPを買いましたよ。カントリー・ファン向けかな。
「And Then Came」の方がいいです。

残念ながら両方ともCD化されてません。

縞梟 さんのコメント...

こんにちは。

レス・ポールとの共演盤は薄々気にはなっていたのですが
できればバンド編成のものを聴きたいと思っていまして、
youtubeでご紹介いただいた「And Then Came」のようなものがあれば良いなと
思ったのですが未CD化なんですね(残念)

そうするとハンク・ウィリアムズ、エルヴィス、エヴァリー・ブラザーズあたりの
セッション音源を探すことになるみたいですが、未知の領域なだけに
結構しんどい作業になりそうな予感。

イエロードッグ さんのコメント...

縞梟さん

Chester&Lesterは人気があるので何回か発売されてます。
近年では数年前にリマスターされ、ボーナストラック付きが出ました。
他のGuitar Monsterと2in1でも出てます。

英語がそれほど苦にならないなら、アメリカのAmazonに出店してる業者
から買うか、eBayでもよく出ます(デッドストックも)。
僕はずいぶん値切って買ってます(笑)

ハンク・ウィリアムズ、エルヴィスはプロデュースとサイドギターなので、
チェットの演奏は分からないですよ。
デイヴィー・シスターズ、フロイド・クレーマー、エヴァリー・ブラザーズ
の1970年代のアルバムではチェットならではの演奏が聴けます。
が、そういう重箱の隅をつつくような作業は徒労に終わります。

共演ものがけっこうありますから、そっちを聴いた方がいいですよ。
ジェリー・リード、マール・トラヴィスとの共演はCD化されてます。
(次の企画で取り上げようか検討中です)
And Then Came...はダウンロードしてMP3で聴く、どうしてもCDがいい
ならCD-Rに焼く、という方法もあります。

イエロードッグ さんのコメント...

追記。

1987年に放送されたTV番組があります。
マーク・ノップラー、エヴァリー・ブラザーズ、エミルー・ハリス、ウィリー・ネルソン、マイケル・マクドナルドなど大祭なゲストを迎えて演奏してますが、音はフュージョン系カントリーです。
ベースにデヴィッド・ハンゲイトが入ってたりして。
https://youtu.be/_oeK-dM6aCQ

DVD化されてますが、CDにもなりました。
まだ10年経ってないからまだ見つかると思いますよ。
Chet Atkins Certified Guitar Player
https://www.youtube.com/watch?v=EYA9o9VQBfo&list=OLAK5uy_nVZA2P0BROS01hrEbOd6Ws9qBory9rInY

まずは動画をYouTubeで見てみてください。
あまり主役であることを全面に出さない。それがチェットなんです。この時62か63歳ですが。

縞梟 さんのコメント...

色々と教えてくださりありがとうございます。
むむむ、お話を伺っているとチェットさんにはバンドのイメージが薄いようで、
そんな中からエルヴィスなどのバンド物から気にいったものを探すのは
ちと厳しそうなのでとりあえず「And Then Came」をDLしてwalkmanで
楽しむことにします。

provia さんのコメント...

こんばんは。
研究が進んでますね(笑)

私自身はこのアルバムがあまり好きでは無いのですが、
久しぶりに聞いてみようと思います。

何故好きでは無いのかなぁと思ったのですが、ここに収録されてる曲では
他の演奏者のテイクの方が好きというのが大きいのかもしれません。

例えば「ミート・ミスター・カラハン」はベンチャーズ(バリバリのフェンダーサウンドです)、
エストレリータはスタンリー・ブラック・オーケストラなどなど.....

この時代よりも少し年代は下がりますが、「Plays Back Home Hymns」が、
私の超お気に入りです。

イエロードッグ さんのコメント...

縞梟 さん

そうですね。
チェット・アトキンス・バンドという固定の形態ではないので、やはり
バンド感が薄いと思います。
(ポール・ヤンデル、スティーヴ・ウォリナー、テリー・マクミラン、
などお馴染みのメンバー、エリアコード615のミュージシャンなどが
参加してますが)
ツアーだとバンドで演奏するのでお薦めしたいところですが、ライヴ
盤はナッシュビルの他の歌手たちとのオムニバス・ライヴ、ご紹介した
フランス限定のライヴ盤、それとナッシュビルでのライヴを1枚に編集
したLPくらいしかないです。
お求めになってるような音は、エルヴィスが1950年代にスコッティー・
ムーアらを従えて歌ってた頃、カール・パーキンスなどをお聴きになった
方が近いような気がします。
あるいは毛色は違いますが、ブッカー・T&ザ・MGsとか。

イエロードッグ さんのコメント...

proviaさん

この時代のチェットにしては珍しくサウンドが+ストリングスと一貫し
てる点が好きです。
「日本の詩」やボストン・ポップスもオケものですが「In Hollywood」
のストリングス・アレンジとギターのコンビネーションの方が練られ
てて好きです。
ナッシュビル・ストリングス・バンドもいいですけど。
「Plays Back Home Hymns」は僕もお気に入りのアルバムです。

ところで、ベンチャーズのMeet Mister Callaghan。
ノーキーが弾いてるのか、ドンが弾いてるのか(弾けるか?)、レッキ
ング・クルーのビリー・ストレンジが弾いてるのか、諸説ありますね。
この時代のベンチャーズのレコーディングは流動的だったようで。
たぶん本人たちも憶えてないでしょう。
今となっては確認もできませんが。