2023年5月8日月曜日

ジム・ゴードンは何がそんなにすごいドラマーだったのか?


                       (写真:GettyImages)


ドラマーのジム・ゴードンが3月13日に亡くなった。享年77歳。R.I.P.

ジム・ゴードンといえばデレク&ザ・ドミノスのメンバーとして知られ
ている。ほとんどのロック・ファンもその印象が強いのではないか。
そして名曲Laylaのコーダ部の作曲者としても知られる。



<セッション・ドラマー〜デレク&ザ・ドミノス期>

ジム・ゴードンはデレク・アンド・ザ・ドミノス以前から、そしてドミ
ノス解散後も売れっ子セッション・ドラマーとして活躍していた。




ゴードンはLA生まれで1963年、高校卒業後にエヴァリー・ブラザーズ
のバックで演奏し、プロのドラマーのキャリアをスタートさせた。

その後セッション・ミュージシャン集団、レッキングクルーのメンバ
となる(1)
重要なのはゴードンが、レッキングクルーのリーダーであり名ドラマー
として名を馳せたハル・ブレインからジャズ、ロック、ポップスのドラム
・テクニックを徹底的に指導された、という点である。



    ↑ハル・ブレイン


ハル・ブレインの後継として頭角を表したゴードンはビーチ・ボーイズ
の「Pet Sounds」、バーズの「The Notorious Byrd Brothers」などの
ッションで演奏。


1969年に参加したデラニー&ボニーのツアーで、ボビー・ウィットロック
、カール・レイドル、スワンプに傾倒していたクラプトンと出会う。



↑左からボビー・ウィットロック、デラニー&ボニー、ジム・ゴードン、
クラプトン、カール・レイドル


4人は1970年クラプトンの初ソロ・アルバム、ジョージ・ハリソンの
「All Things Must Pass」のレコーディングで一緒に演奏(2)した後、
デレク・アンド・ザ・ドミノスを結成(3)



↑一番左がジム・ゴードン


1970年マイアミのクライテリア・スタジオでの「Layla」セッションは
非生産的だったが、デュアン・オールマンの参加で劇的に良くなる。(4)

2枚目のアルバム・セッション中、クラプトンとジム・ゴードンが激しい
口論になり、ドミノスはわずか1年で解散してしまった。




<Laylaのピアノ・コーダ盗作疑惑>

アルバムのハイライトでもあるLayla(邦題:いとしのレイラ)は2つの
セクションを合体させて完成した。
当初は前半のギター・リフが印象的なセクションだけが録音された。



                       (写真:GettyImages)



エンディングが物足りないと判断したクラプトンは、ジム・ゴードンが自
身のソロアルバム用に作曲したというピアノのリフレインを「Layla」の
コーダとして使いたいと交渉。
作曲クレジット、スタジオのプライベート使用を見返りにゴードンも同意。

数週間後に後半のピアノ・コーダ部分が録音された。
ゴードンの演奏をカバーするため、ウイットロックもピアノを弾いている。



↑左からリタ・クーリッジ、ボビー・ウィットロック、カール・レイドル、
クラプトン、ジム・ゴードン(後ろ姿)、デイヴ・メイソン



近年ウィットロックがコーダ部は盗作でゴードンの作曲ではないと告白。
ゴードンの恋人だったリタ・クーリッジが作ったTimeという曲だという。
リタ・クーリッジ本人も自分が作曲したと自伝で主張している。



↑リタ・クーリッジはデラニー&ボニーのツアーに参加。
この時ジム・ゴードンと恋仲になったのかもしれない。





↑クラプトンのソロ・アルバムのセッションにもリタ・クーリッジは参加。
ジム・ゴードンと仲睦まじいように見える。




アルバム「Layla」発売後、1973年にリタの姉プリシラ・クーリッジとブ
ッカー・T・ジョーンズが発表したアルバム「Chronicles」でTimeを聴く
ことができる。






ゴスペル色が強い。いい曲だ。メロディーは確かにあの曲のあの部分。
ジム・ゴードン、パクったというか・・・まんまじゃん!


ジム・ゴードンはホテルの廊下でリタ・クーリッジを殴り、2人の関係は
終わった。クラプトンとの口論といい、激昂しやすい性格だったのか。
ゴードンは重度のアルコール、ドラッグ中毒の問題も抱えていた。




<映像から読み解くジム・ゴードンのドラミング>

ドミノスの活動期間は短く、その演奏を見れる映像は唯一のTV出演「ジ
ョニー・キャッシュ・ショー」出演ではないかと思う。
そしてジム・ゴードンの動く姿が見れるのも珍しい。(5)




↓ジョニー・キャッシュ・ショーでのデレク&ザ・ドミノスが見れます。
https://youtu.be/IW1BFtWPbX4




僕はドラマーではない。あくまでも素人の印象としてだが。

曲は4/4拍子のブルースで、1拍が3連符になる典型的なシャッフルである。
注目したいのはハイハットのきめ細かい叩き方だ。


通常こうしたシャッフルでは、ツツツタツツ〜か、ツッツッツタツツ〜と
いう叩き方が基本だと思う。
ゴードンはツッツクツッタッツッツ〜とハイハットを刻んでいる。
変則的なオープンハイハットのタイミングも絶妙だ。

タムの大小による音色の違いスネアとのコンビネーションによるフィル
ライドシンバルの入れ方、そのバリエーションの多さは職人芸の領域だ。
単調になりがちなミディアムスローのブルースを彩っている。






ジム・ゴードンはいわゆる手数の多いドラマーだということが分かる。
しかし、決して無駄に叩いてるわけではない。
(いますよね。やたら叩きまくり曲の邪魔をするジャズ系ドラマーって)

ゴードンはダイナミクスのコントロール(強弱の付け方)がとても巧い
音量・音圧を上げたり抑えたり、音数を増やしたり減らしたりすることで
、曲全体に自然な抑揚をつけている。

それは技術であるが、耳がいい(他メンバーの演奏をよく聴いている)と
いうことであり、それ以前に曲の意図を理解し何がベストか考えている
ということでもある。





デレク&ザ・ドミノスのBell Bottom Bluesのドラムを実演している。
この人はプロのドラマーらしい。なるほど、こんなふうに叩いてたのか!
https://youtu.be/2gTFJDc9TdQ



ヴァースのBell Bottom Blues you made me cryのスネアの入れ方に注目。
2拍と4泊に入るのがふつうだが、ジム・ゴードンは4拍すべて叩いている
2拍と4拍にタップストロークを入れているところがミソ
(タッ、トルルタッ、タッ、トルルタッ・・・という感じ)

タップストロークはゴーストになるが、これのおかげで表情が豊かになる。
その間、ライドシンバルで16音符を小さい音で叩き続けるのも心憎い。

I don't want to lose this feeling後、コーラスのI don't want to fade 
away, in your heart I long to stayの後、F→Gの3連符シンコペーション
で入るフィルのバリエーションの多さには脱帽である。







<ジム・ゴードンのドラム・セットと叩き方>

ジョニー・キャッシュ・ショー出演時の映像を見ると、ツイン・タム(右
のタムがやや大きい)、フロアタム、1バスタム、ライドシンバルx2、クラ
ッシュ、ハイハットというラディックの比較的シンプルなセットである。





バスドラムはフロントヘッドが外され毛布らしきものが詰め込まれ、スネ
アにもタオルが被せられている。
音を重くするためだが、リンゴ・スターの影響と思われる。

スティックの握り方は左手がジャズ・ドラマーに多いレギュラーグリップ
(親指と人差し指の水かき部分で挟み、薬指で支えるという2点方式。
柔軟な動きで音の抑制がしやすく、繊細なニュアンスが出しやすい)(6)
軽く持ち手首のスナップを利かせたストロークが基本のようだ。






左右ともにグリップ・エンド近くを握っている
この方が音量が得られ音に重みが出る。



ジム・ゴードンのドラムの特徴の一つがリズムの正確さだと言われる。

リズム感(日本ではタイム感と呼ぶ人もいる)は人それぞれ違う。
前のめりの人もいればもたつく人もいる。
それはそれで個性だし、そのバンドに合えばそれなりのグルーヴ感になる。
だから必ずしも正確さだけがドラマーに求められるわけではない。

が、「いいバンドには鉄壁のリズム隊」というのも事実。屋台骨のドラム
がもたつきも走りもせず、どっしりしてれば演奏は乱れない。







1980年代に最も売れっ子だったドラマー、ジェフ・ポーカロが生前のイン
タビューで「正確さではジム・ケルトナーとジム・ゴードンに敵わない」
と答えていた。

そのジム・ケルトナーも「ジム・ゴードンの方が正確」と言っている。
ドラマーが認める理想のドラマー。それがジム・ゴードンなのだ。


映像で判断できないが、彼のキックは恐ろしく正確なのだろう。(7)
またストロークも拍のど真ん中でヒットしているはずだ。(8)



<ジム・ゴードンとジム・ケルトナー>

ジム・ケルトナーの特徴を簡単に言うと、ジャズ・ドラムに精通しR&Bを
基本としたシンプルで安定感のあるドラミング、に尽きると思う。
こう言ってしまうとおもしろくもナンともないが、どんな要求にも即座に
応えられる確かなテクニックがある、ということではないか。



        ↑ジム・ケルトナー(写真:GettyImages)


ジョージ・ハリソン、ジョン・レノン、リンゴ・スターが好んでジム・ケル
トナーを起用したこともその証だろう。

ジョンンから「ジム、君のドラムは素晴らしい。でも僕のNo.1はリンゴなん
だ」(9)と言われたジム・ケルトナーはこう返したそうだ。
「いいんだよ、ジョン。僕の一番好きなドラマーもリンゴだ」と。
ジム・ケルトナーは「リンゴだったらどんなプレイをするだろう?」と考え
ながら演奏していたという。



↑ジョンの後、一番右がジム・ケルトナー


ジム・ゴードンもジョージ・ハリソンの「All Things Must Pass」(10)
ジョン・レノンのPower To The People、アルバム「Imagine」(11)
参加している。
レッキングクルーを好んで使うフィル・スペクターが呼んだのかもしれない。



 
↓ジョン・レノンのPower To The Peopleが聴けます。
https://youtu.be/4Epue9X8bpc
ジム・ゴードンはこういうドカドカ・ドラムも叩ける。


↓ジョージ・ハリソンのWhat Is Lifeが聴けます。
https://youtu.be/fiH9edd25Bc
フロアタムのドコドン!が効いてる。ジム・ゴードンはフィルが巧い。
それにしてもひどいPV。なんだ?このダンスは。音だけ聴いてね。




では、ジム・ゴードンとジム・ケルトナーはどこが違うか?聴いて分るか?

2人のジムは一緒に呼ばれて演奏することも多かった。





↓ジョー・コッカーのThe Letter (Live At The Fillmore East 1970)
https://youtu.be/LlX5IWwizGg

正直言って、どっちがどっちか分からない。ぴったり合ってますねー。
うーん、左がジム・ゴードンかなあ。。。


↑ジョー・コッカーのライヴ。ドラムはジム・ゴードン。



あえて2人のドラミングをピッチングに例えるなら。。。
ジム・ゴードンは相手に応じて変化球を自在かつ正確に投げられる投手。
ジム・ケルトナーは直球で勝負の安定型。あとはお人柄ですかね。



<1970年代に売れっ子ドラマーとなったジム・ゴードン>

デレク&ザ・ドミノス以降もジム・ゴードンは数々のレコーディングに
参加し、名演を残している。

デイヴ・メイソン、ジョー・コッカー、ハリー・ニルソン、フランク・
ザッパ、カーリー・サイモン、スティーリー・ダン、マリア・マルダー、
ミニー・リパートン、カーペンターズ、ホール&オーツ、アート・ガー
ファンクル、スティーヴン・ビショップ、ジャクソン・ブラウン、ビル
・ラバウンティ、など。


1970年代には新しいシンガーやバンドが現れ、スタジオ・ミュージシ
ャンに求められるサウンドが大きく変化した。
レッキングクルーの出番は少なくなる。
超売れっ子ドラマーだったハル・ブレインの出番も減っていく。

一方AORやフュージョンが主流になる1970年代後半においても、ジム
・ゴードンはロディックなドラム(「歌うドラム」と形容された)が
評価され第一線で活躍し続けた。
ジム・ゴードンのドラムがなければ成り立たなかった名曲も多い





カーペンターズのOnly Yesterdayもゴードンのドラムありきの作品だ。
(ロネッツのBe My Babyがハル・ブレインのドラムなしで成立しない
のと同じように)

https://youtu.be/0-gYu68VT24





↓スティーリー・ダンの名盤「Pretzel Logic」収録曲。
Rikki Don’t Lose That Numberのジム・ゴードンのドラムが聴けます。
https://youtu.be/kaxMrzrkzwI


ヴァースではライドの縁を小音で8符、ハイハットで4拍
キックはベースとタイミングを合わせている。

Rikki Don’t Lose〜の前、タカラッタ、ドンドンのフィルが効果的。
今度はライドの中心をカンカン鳴らしながらリムショット
ギターのオブリに合わせてスネアとタム連打で盛り上げる。芸術的!



「Pretzel Logic」レコーディング中のスティーリー・ダン



ジム・ゴードンはアルコールとドラッグの過剰摂取で精神に異常をきた
し、自身をコントロールできなくなる。ドラムも演奏できなくなった。
1983年6月、ゴードンは母親をハンマーで殴打し殺害。

統合失調症と診断され、16年の禁固刑を宣告される。
仮釈放の審理を拒否し獄中生活を続け、カリフォルニア州の医療刑務所
で亡くなった。77歳。死因は自然死だという。

ジム・ゴードンの人生の後半は悲劇だった。
しかし彼が賞賛に値する偉大なドラマーであったことに変わりはない。



                       (写真:GettyImages)

<脚注>

(1)レッキングクルー

フィル・スペクターがレコーディング時に集めたL.A.の腕利きスタジオ・
ミュージシャン集団で、流動的なセッションマンのユニットである。
高度な演奏技術が評価され、色々なレコーディングで起用される。
リーダーはドラムのハル・ブレイン。
彼らは1960年代〜1970年代のアメリカのヒット・チャートを支えた。
ロネッツ、フランク・シナトラ、ナンシー・シナトラ、ビーチボーイズ、
バーズ、モンキーズ、カーペンターズ、サイモン&ガーファンクル、フィ
フス・ディメンション、バーブラ・ストライサンド、ママス&パパスの
ヒット曲の演奏はレッキングクルーが担当している。




(2)「All Things Must Pass」で4人が一緒に演奏
All Things Must Passに収録されたジャム・セッションはデレク&ザ・
ドミノス+ジョージ+デイヴ・メイソンで録音された。
この日はフィル・スペクターのプロデュースでTell The Truth/Roll It Over
が録音されている。
2曲はシングル盤として発売されたが、トム・ダウドをプロデューサー
に迎え改めてセッションを開始した時点で差押えになった。


(3)デレク&ザ・ドミノス結成
1970年4月ボビー・ウィットロックは英国のクラプトンを訪ねる。
クラプトンは新しいバンド結成を熱望し、アメリカのカール・レイドル
に連絡を取る。
ドラムはウィットロック、レイドルと同じ南部(タルサ)出身のジム・
ケルトナーがいいとクラプトンは考えていたが、調整が付かなかった。
5月にAll Things Must Passのセッションでクラプトン、ウィットロック
、レイドルはジム・ゴードンと再会し、バンド結成の話がまとまった。


(4)デュアン・オールマンの参加
クラプトンたちはプロデューサーのトム・ダウドから勧められて、オー
ルマン・ブラザーズ・バンドのマイアミ公演を観に行く。
終了後クラプトンはオールマンのメンバーをスタジオに招待し、ジャム
・セッションを行った。
クラプトンとデュアンは意気投合し、お互いの奏法を披露する。
デュアンのボトルネック奏法を自分にはないものと感じたクラプトンは
、デュアンを説得しデレク&ザ・ドミノスで演奏してもらった。


(5)ジム・ゴードンの動く姿が見れる映像
1970年にジョー・コッカーのライヴで叩いているが画質が悪くボケボケ
のため、ジム・ゴードンかどうかさえ分からない。
ジャクソン・ブラウンの1978年BBCライヴでもジム・ゴードンが面倒く
さそうに叩いている姿が見られる。特に際立ったプレイはなかった。
ルーランド・スクラーが調整つかなくて代役?だったのか。


(6)レギュラーグリップとマッチドグリップ
ロック系のドラマーはパワー感、ストレート感を求めマッチドグリップ
(左も右と同じ握り方)を好む。


またマッチドグリップの方が両手をクロスせずに左手でハイハットを叩
きやすい、という利点もある。
(スティーヴ・ガッドはレギュラーグリップでも左手ハイハット→スネア
という曲芸を難なくこなすが、ふつうのドラマーが真似するとリズムが
狂うだろう)



(7)キックが正確
正確なリズムを刻むためには、キックが正確であることが前提となる。
フットボードのどの辺を踏むか(人によってその場所が違う)、ペダルや
ビーター(打面に当たる部分)の調整バランスも好みがある。
一般的にペダルのフットボードに足裏全体をベタッと乗せるのではなく、
踵を浮かせて親指の付け根の膨らんだ部分(拇指球)で上の方を踏み込む
のが良い(奥を踏み過ぎても手前過ぎてもダメ)と言われる。
(それをキープしながら同じリズムで叩き続ける持久力ってすごい!)


(8)ストロークが正確
スティックを叩く場合、日本人のほとんどがスティックを下ろした時点
(ダウンストローク)でカウントするプッシュビート、欧米のドラマーは
アップストローク、つまり打面からスティックを上げた時にカウントする
プルビートだ、という説もある。
プルビートの方が正確なリズムが得られ、グルーヴ感が出しやすい、ダ
イナミクス(音の強弱)のコントロールがしやすいらしい。
(正直言って僕には差が分からないけど、ドラマーなら分かるのかな?
そんなこと気にしながら叩けるものなんですか?)


(9)ジョン・レノンのNo.1ドラマーはリンゴ
ジョンはアラン・ホワイトにも「リンゴみたいに叩いてくれ。あれが好き
なんだ」と言っている。


(10)アルバム「All Things Must Pass」に参加
レッキングクルーを好んで使ったフィル・スペクターがジム・ゴードンを
呼んだのではないか。
他にアラン・ホワイト、ジンジャー・ベイカーも参加している。
フィルは一つの楽器を複数の奏者に演奏させて録音する方式をとっていた
ので、2人のドラマーが一緒に叩いた曲もありそうだ。



(11)アルバム「Imagine」に参加
このアルバムもフィル・スペクターのプロデュース。
ジョンはスタジオにジム・ゴードン、ジム・ケルトナー、アラン・ホワイト
の3人のドラムセットが並んでいた、と回想している。
曲によって3人のうち誰か、または2人のドラマーが叩いたと思われる。



↑ジョンの自宅スタジオ。この日はアラン・ホワイトがドラムを叩いている。


<参考資料:Udiscovermusic.jp、San Diego Local News、WebVanda、
BS-TBS SONG TO SOUL、レコードコレクターズ、サウンドハウス、
リズム&ドラム・マガジン、リタ・クーリッジ自伝Delta Lady:A Memoir
Percussion Library、GettyImages、YouTube、シングルストローク研究所、
Moyashi's Rhythm Strategy Room ドラムの神々に学ぶ、Wikipedia、
ドラムな音楽人生〜♪、他>

5 件のコメント:

縞梟 さんのコメント...

こんにちは。
Wジムのゴードンとケルトナーの違いを分かりにくくしている原因は
二人が同時に参加しているセッションアルバムが多すぎることではないかと思います。

私がブログで取り上げたアルバムだけでもざっと調べて
ジョー・コッカー、デイヴ・メイスン、ジョン・レノン、ハリー・ニルソン、
カーリー・サイモン、ボブ・ディラン、マリア・マルダー、ジャック・ブルース、
ローウェル・ジョージと14作品ありました。

http://musicnightwhisper.blog.fc2.com/?q=gordon+keltner

商業音楽ゆえあくまで引き立て役のセッションミュージシャンという立ち位置で
前に出てこないことも二人の違いを分かりにくくしているのかなと。

一発録りの多いジャズの場合はその時の個性が丸々収録されているので
ドラマーでもベーシストでも特定のミュージシャンを辿って芋づる式に聴き倒す傾向ですが、
編集過多の商業音楽の場合、マニアの人以外はこのアルバムはゴードンが叩ていているから
聴いてみようと思う人は少ないと思うのです。
なんかいいねこのドラムと思ってクレジットを見るとそこにゴードンの名前があるみたいな感じ(笑)

余談ですが、ドミノスのライヴの基本セットリストに「レイラ」は入っておらず
ドミノスの公式ライヴ盤のフィルモアにも収録されていないのですが
デュアンが参加したフロリダのタンパ(1970/12/1)では演奏しており
その音源は海賊盤で聴けます(ただし後半のピアノコーダはカット(苦笑)

https://youtu.be/hCZG8gI389E

長年デュアンが参加したライヴはこれだけと言われていましたが
ボビー・ホイットロックの自伝によるとそれ以外に2公演程度あったとのことです。

クラプトンはデュアンがいないなら「レイラ」はライヴで演らないと決めていたのかも?

イエロードッグ さんのコメント...

縞梟さん

貴重な音源を教えていただき、ありがとうございます。
デュアンが参加してるドミノスのライヴ音源があったとは!
オーディエンス録音とはいえ臨場感は充分伝わります。
いいパフォーマンスじゃないですか。
スタジオ盤に忠実ですね。
ピアノ・コーダ部がない中途半端なエンディングも楽しめました(笑)

(後年クラプトンはライヴでたまにピアノ・コーダなしで演奏してます)

2人のジム、一緒に参加してる作品、多いですよね。
正直言ってアラン・ホワイトとジム・ケルトナーの違いも分からない。
この人たちみたいな職業的セッション・ドラマーはきっちりお仕事する
ので、ドラム・ソロとか目立つプレイはやらない(ですよね?)
曲が完成してなんぼ、なんでしょうね。

今回のブログを書くにあたって、YouTubeで実演してる人の映像を見て、
改めて原曲のドラムをよーく聴いて、ジム・ゴードンの凄さが分りました。
ジム・ケルトナーもめちゃくちゃ上手い人なんですが、ロックのライヴ
を見てても黙々と叩いてますよね。

これなんかかなり自由に叩いてますが、こういうの珍しくないですか?
https://youtu.be/-AraUG0CZqs

そういえばジェフ・ポーカロもドラム・ソロもやりませんでした。
スティーヴ・ガッドはスタッフの時はドラム・ソロもやってました。
でも基本はお仕事きっちりタイプらしいです。

クラプトンが「スティーヴは最初の演奏でベストを提供してくれる人。
ふつうドラマーはスタジオに入るとすぐドラムセットを叩き出すけど、
スティーヴはピアノの所に行って曲の構成を頭に入れる」と言ってました。
譜面も初見で叩ける人らしいです。

余談ですが、ガッドが引っ張りだこだった頃ダブルブッキングなんて
しょっちゅうで、代理の依頼がポンタさんに来るんだそうです。
で、ポンタさんはアメリカに飛んでガッドっぽく叩いてくる。
クレジットはスティーヴ・ガッドだけど実はポンタさんが叩いてるのが
けっこうあって、みんな分からないんだそうです。
クレジットに騙される。
ラジオで流れるとポンタさんは「あ、これ、俺だ」と分るそうです。

縞梟 さんのコメント...

こんにちは。

アラン・ホワイトはYESを長年聴き続けたのでちょっと癖が分かるかも。
ただジョン・レノンのイマジンセッションに参加したWジムとホワイトの区別はつきませんけど(苦笑)

多分Wジムレベルならご紹介動画ぐらい叩くのは当たり前のことで
3分POPSではその技量を入れる必要がないということなんでしょうね。
(まあそのことが現在のドラムは打ち込みでいいよという悪しき風潮になっていくのですが・・・)
3分POPSでも堂々とドラムブレイクいれるのはアート・ブレイキーぐらいでしょうか(笑)

ガットが良い例なのですが、皆口を揃えてガットを賞賛するのですが
自分が耳にしていたのはまさにフュージョン期のお仕事ドラムばかりで
全然良いと思っていなかったのですが

1978年の深町純さんのライヴとか
http://musicnightwhisper.blog.fc2.com/blog-entry-1029.html

1979年のSmokin' In The Pit/Steps feat 渡辺香津美
http://musicnightwhisper.blog.fc2.com/blog-entry-1030.html

を聴いてガット恐るべしと。。。考えを改めました。

ポンタさんの書籍で「俺が叩いた」っていうのがあるのですが
キャンディーズの「年下の男の子」がポンタさんのドラムだったことを知って
驚きましたよ(笑)

イエロードッグ さんのコメント...

そうか、アラン・ホワイトはYESでしたね。
Imagineのセッションではプログレ色はゼロでしたけど。
どういう経緯で参加したんでしょうね。

1978年に厚生年金でスタッフを見たんですよ。
最初はやはりギターに目が行きます。
レコードで聴いてエリック・ゲイルはクセになってたし(笑)
しかし生で聴くとコーネル・デュプリーのR&Bギターの方がいい。
それよりもガッドの超絶テクに唖然としました。
レコードで聴いてる時はその凄さが分かりませんでしたが。
ドラムって目で見てやっと凄さが分かる面があるなと思いました。
それからはレコードを聴いてガッドの叩いてる姿が想像できるよう
になりました。

スタッフはクリス・パーカーが来なかったので残念でした。
日本のセッション・ドラマーの人と話したら、ガッドよりも
クリス・パーカーと言ってました。
ちなみにそのドラマーは石川ひとみのバック・バンドで叩いてました。
もう一人親しかったドラマーはサーカスのバックを務めてました。
けっこう歌謡曲のバックで稼いで、原宿や六本木で好きな音楽を
演奏する、という人が多かったですよ。

縞梟 さんのコメント...

こんにちは。

今までその音に気付かなかったというか聴こえなかった音が聴こえるようになるというか
音が立体的に聴こえるようになると今までと違った音に聴こえるようになるのが
不思議ですよね。

私の場合は私の初体験外タレライヴとなった中野サンプラザのUFOのコンサートで
ピート・ウェイのベース音に圧倒されそれからベースラインに耳が行くようになった経験があります。

http://musicnightwhisper.blog.fc2.com/blog-entry-3834.html

音楽は心の言葉という言い方をしますが、知らない国の言語が分かると会話も弾みますもんね(笑)

私は世界的に有名なドラマーの息子さんと同じ職場だったので飲みながらよくドラムのことを
話したのですが、「ガットもいいですが」と前置きしたうえでジャズの世界には無名でも
相当腕の立つドラマーが数多くいるので自分の耳で確かめて欲しいと言ってました。
色々名前を出してその良さを教えてくれるのですが、その頃全くジャズに興味がなかったので
深い話に発展しなかったのが悔やまれます(苦笑)