今回もユーミンの話。
ユーミンで名盤は？と訊かれたら迷わず「MISSLIM」と答えるだろう。
でも一番好きなアルバムは「紅雀」かな。
松任谷由実名義で最初のこのアルバムは本人も言うように最も地味な作品だ。
これ以降の華美なアレンジとは対照的でしっとりした内省的な曲が多い。
「紅雀」は一言でいうと「南米＋日本情緒」だと思う。
アコースティックギターを活かしたボサノヴァやサンバに美しい日本語の歌。
中でも大好きなのがフォルクローレ調の「ハルジョオン・ヒメジョオン」だ。
ユーミンの曲の中で僕的にはたぶん一番か二番なんじゃないかと思う。
ケーナ（アンデスの笛）が奏でるもの哀しげなメロディー。
マンドリン、ガットギターの響き。張り上げない抑えた歌い方。
「夕陽は熟れてゆくの」のメロディーは演歌にも通じるところがある。
歌詞は絵画的であり抒情的。どうしてこんな美しい曲ができるんだろう。
※今回もproviaさんの素敵な写真を使わせていただきました。感謝です。
（写真をクリックするとアルバムの試聴ページに飛びます）
ハルジョオン・ヒメジョオン 松任谷由実
川向こうの町から宵闇が来る 煙突も家並みも切り絵になって
哀しいほど紅く夕陽は熟れてゆくの 私だけが変わりみんなそのまま
ヒメジョオンに埋もれて口づけをした 土手と空のあいだを風が渡った
哀しいほど紅く川面はゆれていたの 越して行った日から顔も忘れた
哀しいほど紅く心は燃えているの 思い出すそばから葬るくせに
哀しいほど紅く夕陽は熟れてゆくの 私だけが変わりみんなそのまま
4 件のコメント:
こんにちは。
ユーミンはヒット曲しか知らないので試聴ページに行って聞いてみました。
歌詞１行目の煙突の所で終わってしまったので、あまり分かりませんでしたが、
歌詞を読むと、私がこの写真を撮影した時のイメージに近いような気がします。
私は映画が好きなのでこのカットを撮る時もスクリーンをイメージして
撮ったんです。
イエロードッグさんが「叙情的・絵画的」と評価されてる歌詞に、
私の写真をイメージして下さったのは嬉しいです。
ありがとうございました。
＞proviaさん
全曲通しで聴いていただけるといいんですけどね。
YouTubeで探したんですがありませんでした。
日本のレコード会社は厳しくチェックしてるためすぐ剥がされるようです。
売れないのをネットへのアップのせいにしちゃうんですね。
CCCDの時と同じです。
マーケティング努力が足りないんじゃいないと思いますけど。
YouTubeにあったのはカバーばかりでどれもイタダケナイものでした。
この曲の雰囲気を再現するのは難しいのかもしれませんね。
唯一、中国の動画サイトにユーミンがライブで歌っている映像がありました
が、これも今一でした。
「煙突も家並みも切り絵になって」という歌詞がいいですね。
情景が目に浮かびます。
これはproviaさんの写真がぴったり！と思いお願いしました。
狙い通りだったと満足です。どうもありがとうございました。
ちなみにユーミンの家は世田谷の岡本の高台。
夕陽が沈むのが見渡せて絶景だそうです。（仕事で訪問した友人談）
川向こうの町は多摩川越しに見る川崎ではないかと思われます。
「土手と空のあいだを風が渡った」の一節もいいですね。
ノスタルジックなけだるさを感じる曲ですね。
ユーミンの張り上げ系の歌い方より、この押さえた歌い方の方が
ずっと好きです。
テンポが緩いだけに、未熟な私をさておき、この曲も弾き語りできたらいいなあと
欲が出てきます。
「煙突も家並みも切り絵になって」の部分も夕景がみごとに表されていますね。
切り絵を少しやったことがあるので、イメージがさらに湧きました。
＞Mary Ppmさん
ユーミンのオリジナルはYouTubeを探したけどありませんでした。
レコード会社が原盤権を持ってる音源はうるさいみたいです。
カバーはいっぱいありましたがどれもちょっと違うでしょという感じ。
中国の動画サイトに本人がライブで歌っているのがありましたけど、
アレンジも違うしもう声が太くなっててだいぶ雰囲気が違いました。
この曲は難しいのかもしれませんね。
ガットギターでアルペジオを弾いてるのはTed M. Gibsonという人。
わざわざ呼んだのでしょうか。
ケーナの二重奏が「コンドルは飛んでゆく」を思わせます。
煙突も家並みも切り絵になって。。。心憎い描写ですね。
Mary Ppmさんは絵心があるからよけい情景が見えるんでしょう。
コメントを投稿