2023年4月24日月曜日

日本武道館で100回目の公演を果たしたクラプトン(追記あり)







 
<来日アーティスト初、武道館公演100回目の快挙>

2019年春以来4年ぶりとなるエリック・クラプトンが来日した。
(コロナで3年間ライヴ活動が制限されてた)
2023年4月15日から24日まで6回の日本武道館公演を行っている。


クラプトン昨年はコロナ感染したものの重症化せずに済んだようだ。
彼はワクチンの副作用に苦しんだため接種反対の立場を表明している。

2016年には末梢神経の障害でギターを弾くのが困難と告白した。
2017年には重度の気管支炎のためLA公演を延期し、空港で車椅子に乗
せられたクラプトンを捉えた写真が公開され驚いた。


クラプトンはこれまでのような大規模なワールドツアーはやらないが、
日本には行くと明言していた。
ロイヤル・アルバート・ホールと日本武道館には思い入れがあるらしい。

4回目の来日(1979年)でやっと分かった日本の観客の質の良さ、日本
のファッションや食、カルチャーへの傾倒、ウドー音楽事務所や多くの
友人を通して日本ファンになったのも日本びいきの理由だ。



 ↑ヘッドポーターなどをプロデュースする藤原ヒロシ氏と。
  クラプトンの映像作品も手がけている。



 ↑ヴィズヴィム(VISVIM)デザイナー、中村ヒロキ氏と。



 ↑クラプトンがOne of the most delicious restaurants in the whole 
 worldと絶賛する原宿の福よしへは来日の度に行くという。
 ジャケットと靴はヴィズヴィム(VISVIM)、バッグはヘッドポーター。



今回は1974年の初来日以来、23回の来日公演(ジョージ・ハリソンと
の来日を含む)となる。
そして4月21日の公演をもって、洋楽アーティストとして初の通算100回目
の日本武道館公演を達成。当日はステージで花束贈呈が行われた。

(日本人アーティストでは矢沢永吉、松田聖子が日本武道館公演を
100回以上行っている)



僕は1979年、1985年、1987年、1990年、1991年(ジョージ・ハリソン
と共演)、1993年(アンプラグド)、1995年(ブルース)、2003年と
日本では8回見に行っており、そのうち6回が武道館だった。

やはりクラプトン=日本武道館という思いがある。
2003年に横浜アリーナーで見たのを最後にそれ以降は行っていない。
今回も行く予定はないが、クラプトンが来る度に気になる。
どんなファッションか?ギターは?メンバーは?どういう曲をやるのか?



初日4月15日の写真と大友博氏によるレポートがUdiscovermusic.jpに
公開された。




 (写真:Masanori Doi)



<恒例の服装チェック!>

うーん、あいかわらずカッコいい。これで78歳でですよ。反則でしょ。
こんな爺さんになれたら、と思ってしまう。

まず目を引いたのはクラプトンが着ているデニム・ジャケット
ワークジャケットのテイストながらテイラードになっている。
肩が落ちているが袖は短い、身幅が広い、シンメトリーなアウトポケ
ットなど今風の解釈で遊び心がある。

エンジニア・ガーメンツかヴィズヴィムかなーと探したら。。。
ピンポーン!ヴィズヴィム(VISVIM)でしたよ。
SS HAMMONS CHORE JKT DMGD ¥121,000 (既に完売)
色はBLACK、GREY、INDIGOの3色。クラプトンのはBLACK?




インナーもブラックのワークシャツに見える。
ボトムスはあいかわらずヴィンテージのリーバイス501のようだ。

4月18日の公演ではインディゴに白のレイルロード・ストライプの
エンジニア・ジャケットを着ている。
靴は黒地に白紐、サイドに白ラインの入ったスニーカー。
(今まで靴はすべてヴィズヴィムなのでこれもそうか?)

4月21日の公演ではネイビーにピンストライプのベスト、ネイビー
のシャツ、ジーンズという組み合わせだ。
インディアン・ジュエリーはすべて原宿ゴローズ。
ギターのストラップはクロコダイル。これはちょっとイヤだな




<恒例のギター・チェック!>

写真を見る限り、薄いくすんだピンクのような、肌色?のような、
これまで登場したことのない珍しいストラトキャスターを弾いてる。
うっすら木目も見えるのでかなり薄い塗装ではないか。

大友博氏はオリンピック・ホワイト(薄いクリーム色)と記している
薄いクリーム色は近いと思うが、オリンピック・ホワイトではない。
アイボリーと表してる人もいた。
観客がスマホで撮影した動画を見ると、薄いクリーム色(何か名前
あるのだろう)に見える。




クラプトンのストラトキャスターはこの10年はネイビー(衣装も紺、
デニムで統一、マーティン000-42もネイビー)、ガンメタが多かった。
2009年からはダフネ・ブルー、2019年にはメタリック・グリーンも
使用している。





この薄いクリーム色のストラトはまだ1枚しか写真がないが、今後
もっと写真が公開されれば、詳細も分かってくるだろう。(調査継続)

アコースティック・ギターは通常のマーティン000-28EC。
クロサワ楽器店が用意したようだ。
L.R.BaggsのAnthem(ピエゾ・ピックアップと内臓マイクの音をミッ
クスするシステム)が付いていると思われる。







追記:クラプトンが2023年の日本公演で使用したストラトキャスター。

ギター・マガジンに詳細が載ってました。
2016年フェンダー・カスタムショップが贈呈した2本のうちの1本だ。

追い柾目に木取られたVシェイプの1ピースのメイプル・ネック。
アッシュの杢目が透けるほど極薄のブロンド・フィニッシュ&ニトロ
セルロース・ラッカーが施されたボディ。
3ビンテージ・ノイズレス・ピックアップ、アクティブのミッド・ブー
スト回路、TBXコントロールなどが特徴。
ちなみにモデル名のジャニーマン・レリックとは、弾き込まれてはいる
が良好な状態のビンテージ・ギターを再現した加工のこと。


クラプトンは足元のクライベイビー(GCB-95F)とレスリー・スピーカ
ーのスイッチのみで、アンプを組み合わせて太く艶やかなクランチ・
トーンを生み出していた。

ストラップは、奥様のメリア・マッケナリーからクリスマスにプレゼン
トされたというエルメス製の特注品。
赤いバラとEPC(Eric Patrick Clapton)LXXの刺繍が施されている。

このブロンド(オフホワイト)のストラトを今回使用したのはジェフ・
ベックへの哀悼の意を表してのことだと思われる。




<ステージ・機材>

上に大型LEDスポットでステージ全体を照らしていて、曲ごとに照明
を変えるなどの演出はない。
ステージもフラットでどこからでも見渡せる。




観客にセッションを見てるような感じで楽しんでもらう計らいだろう。
中央にラグマットが置いてある。音質効果より雰囲気作りではないか。
セッションズ・フォー・ロバート・Jでも置いてあった。
足元にはダンロップのクライベイビー・ワウと、レズリースピーカー
フットスイッチ。




アンプは2010年にクラプトンがフェンダーに特注したEC Twinolux
ツイード '57 Twin-Amp をリメイクしたコンボアンプ
温かみのある倍音・繊細かつ豊潤なトーン・レスポンスを継承し、
クリーントーンからクランチまでクラプトン・サウンドを出せる。
出力40Wの真空管アンプで12"スピーカーが2基搭載されている。

ノイマンともう1本ダイナミック・マイク?がかなりキャビネットに
近づけてセットしてある。後ろに見えるのはスペアだろう。




ピアノのクリス・ステイントンはヤマハのCP1。
ポール・キャラックはハモンドオルガンB3+レスリー回転スピーカー。
ドラムのソニー・エモリーはヤマハのセット+ジルジャンのシンバル。
ネイザン・イーストはヤマハのベースBB-NEIIとヤマハ5弦アコベース。

ボーカルマイクはオーディオテクニカAT4054が使用されたようだ。
メインコンソールはDiGiCoのSD7。音出しはラインアレースピーカー。
ステージ上に返しのモニターがかなりの量セットしてある。






<バンド編成>

ネイザン・イースト(b, vo)
ソニー・エモリー (dr) 新メンバー
ドイル・ブラムホール II 世(g, vo)
クリス・ステイントン(key)
ポール・キャラック (org, vo)
ケイティ・キッスーン (vo)
シャロン・ホワイト (vo) 新メンバー?

ネイザン・イーストは1986年からクラプトンのベースを担当。
ソニー・エモリーは元アース・ウィンド&ファイアーのドラマー。
ドイル・ブラムホールは長くクラプトンの相棒を務めるギタリスト。

クリス・ステイントンはジョー・コッカーのバックに在籍したキー
ボード奏者で、1970年代からクラプトン・バンドの常連。
ポール・キャラックはキーボード奏者でソウルフルな歌も得意だ。

ケイティ・キッスーンは1980年代からクラプトンのコーラスに参加。
シャロン・ホワイトはリッキー・スキャッグスの妻としか分らない。



 ↑ソニー・エモリーのドラムは実際にどうだったのか?
 スティーヴ・ガットの調整がつかず代役だったのか?



<セット・リスト>

1. Blue Rainbow(未発表インストゥルメンタル)
2. Pretending (1989 Journeymanより)
3. Key To The Highway (ブルース)
4. Hoochie Coochie Man (ブルース)
5. I Shot The Sheriff
(アコースティック・セット)
6. Kind Hearted Woman (ロバート・ジョンソン)
7. Nobody Knows You When You’re Down and Out
8. Call Me The Breeze  (J.J.ケイル)
9. Sam Hall (トラッド・フォーク)
10. Tears In Heaven (レゲエ・リズム)
11. Kerry  (インストゥルメンタル)
(エレクトリック・セット)
12. Badge
13. Wonderful Tonight
14. Crossroads (ロバート・ジョンソン)
15. Little Queen Of Spades (ロバート・ジョンソン)
16. Layla
(アンコール)
17. High Time We Went (ジョー・コッカー)
※この曲はポール・キャラックがボーカルをとるらしい。



僕自身は行ってないので、実際のパフォーマンスについて語れない。
投稿された画像や動画から分かることを述べただけである。
大友博氏のレビューを引用させてもらうので参考にしてください。

「シンプルながらも予想をはるかに上回るパフォーマンス。」
「完成度の高さと、とてつもない音圧、表現力の豊かさから、あら
ためてエリック・クラプトンという音楽家の凄さを実感させられた。
また、美しいギターを抱えてステージ中央に立つその姿は、先月末
に78回目の誕生日を迎えているというその年齢を疑わせるほどの
ものだった。」
「メンバーを大切にしながら、一人のメンバーとしてステージに立
つ時間を楽しむ姿が、印象に残った。」





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