そういう声をよく聞く。
エドワード・ヴァン・ヘイレンのような超絶テクを期待してはいけない。
どこが凄いのか分らないくらい凄い。それがチェットなのだ。
(賛成の反対、それでいいのだ、バカボンのパパなのだ。 ||:3ミ)
チェット・アトキンスを聴くなら、どれがお薦めですか?
うーん、それはかなり難しい質問だ。
なにしろ1952〜1997年の45年間で発表したアルバムは90〜100枚。(1)
CD化されたのは半分にも満たないはずだ。(2)
未CD化アルバムも含め、どのアルバムにどの曲が入ってるか、アルバム
のタイトルや曲名も正確に憶えていない。(3)
チェットの全容を把握するのは難しい。
レコードコレクターズでさえ特集を組まない。
チェット・アトキンスはミスター・ギター、カントリー・ジェントルマン
と称される、基本はカントリー畑のギタリストである。
マール・トラヴィスやレス・ポールの演奏をベースに、独自のフィンガー
ピッキング・スタイル(4)に昇華させた。
チェットはRCAビクターのプロデューサーとしても活躍。(5)
セッション・マンとしてハンク・ウィリアムズ、エルヴィス、エヴァリー・
ブラザーズなどのレコーディングにも参加している。
ロックやポップスが主流だった1960年代に、カントリーが万人受けする
ようフィドルやバンジョー、マンドリンを外し、ナッシュビルサウンドと
呼ばれる、よりポップなスタイルを築き上げる。(6)
カントリーの枠に留まらず、ジャズ、ブルース、ロック、ラグタイム、クラ
カントリーの枠に留まらず、ジャズ、ブルース、ロック、ラグタイム、クラ
シック、ポップス、ボサノヴァ、サンバ、マリアッチ(メキシコ民謡)、
カンツォーネ、映画音楽、イージーリスニング、フュージョンとジャンル
を超えた音楽を作り続けた。
ファンの間でも1950年代前半のコテコテのカントリー時代が好き、1950年
代末〜1960年代のポップスへとジャンルを広げたチェットが好き、1970年
ファンの間でも1950年代前半のコテコテのカントリー時代が好き、1950年
代末〜1960年代のポップスへとジャンルを広げたチェットが好き、1970年
代のシンガー&ソングライターのカヴァーがいい、他ギタリストとの共演が
聴きごたえあり、と好みが分かれる。
ベスト盤が多数出てるので、そこから入るもいいと思う。
わりとツボを押さえた編集をしてるものも多い。
ただし日本編集盤はやめた方がいい。ジャケットがダサいから。(7)
そもそもチェット・アトキンスが万人受けするとは思えない。
メタル系のギター小僧には退屈な音楽だろう。
そこで、チェットが向いてるかどうかリトマス試験紙になりそうなアルバム
を、あえて選んでみた。
「Chet Atkins in Hollywood」という1959年7月発売のアルバムだ。
ベスト盤が多数出てるので、そこから入るもいいと思う。
わりとツボを押さえた編集をしてるものも多い。
ただし日本編集盤はやめた方がいい。ジャケットがダサいから。(7)
そもそもチェット・アトキンスが万人受けするとは思えない。
メタル系のギター小僧には退屈な音楽だろう。
そこで、チェットが向いてるかどうかリトマス試験紙になりそうなアルバム
を、あえて選んでみた。
「Chet Atkins in Hollywood」という1959年7月発売のアルバムだ。
(録音されたのは1958年10月)
映画音楽集?と思えるが、タイトルはチェットが本拠地ナッシュビルの
RCAスタジオではなく、ハリウッドでレコーディングしたことに由来する。
映画音楽集?と思えるが、タイトルはチェットが本拠地ナッシュビルの
RCAスタジオではなく、ハリウッドでレコーディングしたことに由来する。
実際に映画音楽も3曲収録されている。他も名曲で名演奏ばかりである。
デニス・ファーノン率いるオーケストラが(チェットのギターへ敬意を込
めた)素晴らしいストリングスアレンジで、古き良き時代の夢見るような
サウンドを奏でる。
チェットはそのオーケストラとよくバランスのとれた、控えめながらも、
きめ細かく行き届いたギタープレイを聴かせてくれる。
きめ細かく行き届いたギタープレイを聴かせてくれる。
チェットは出過ぎること、これ見よがしのテクや饒舌なソロを好まない。
ここぞという時に華麗な速弾きが入るが、それさえ気づかないくらいだ。
むしろ間の取り方、タメの絶妙さ、ギターの音色、バンドやオーケストラ
との音のバランスに細心の注意を払う。
どこが凄いのか分らない。ただうっとり聴き惚れてしまう。時を忘れる。
そこがチェットの偉大さなのだ。
どこが凄いのか分らない。ただうっとり聴き惚れてしまう。時を忘れる。
そこがチェットの偉大さなのだ。
オールミュージック(8)のレビューでも賞賛されている。
「ストリングスアレンジは青草が生い茂るような(lush)瑞々しさだ。
恋人たちがいちゃつく(make-out)のに最高のレコード」とある。
「ストリングスアレンジは青草が生い茂るような(lush)瑞々しさだ。
恋人たちがいちゃつく(make-out)のに最高のレコード」とある。
豊かだったアメリカ、テールフィンのキャデラック、フォードTバード。。。
つまり日本でいうムード・ミュージックのカテゴリー(10)に入るらしい。
チェットのLPジャケットには魅惑的な女性とギターの写真が使われている
ものもある。(ベンチャーズもだが)
このアルバムは既に廃盤だが、チェットの代表作の一つで、ジャケットも
このアルバムは既に廃盤だが、チェットの代表作の一つで、ジャケットも
人気があるため、何度もプレスされている。
中古のLPやCDは比較的見つかりやすいと思う。(11)
↑「Chet Atkins in Hollywood」のジャケット。
ハリウッドの夜景とギター(グレッチ6122カントリージェントルマン)(12)
中古のLPやCDは比較的見つかりやすいと思う。(11)
↑「Chet Atkins in Hollywood」のジャケット。
ハリウッドの夜景とギター(グレッチ6122カントリージェントルマン)(12)
LIVING STEREOは「生演奏のような臨場感あるステレオ」の意味。
RCAビクターが1958年に開発したステレオLP技術を表すロゴマーク。
バランス、透明感、空間性などあらゆる点で超優秀録音の証だ。(13)
モノラル盤には(当然だが)LIVING STEREO表記はない。
RCAビクターが1958年に開発したステレオLP技術を表すロゴマーク。
バランス、透明感、空間性などあらゆる点で超優秀録音の証だ。(13)
モノラル盤には(当然だが)LIVING STEREO表記はない。
↑「Chet Atkins in Hollywood」のジャケット裏面。
タイトル下にwith Dennis Farnon and His Orchestraと記されている。
プロデューサーはチェット自らが行っている。
(表記はないが、ジェスロ・バーンズがマンドリンで参加。他にドラムス、
ジャズギタリスト、ダブルベースもオーケストラに加わったようだ)
ロールハッシャテストのような絵は男女のキスシーンの撮影フィルムを
模したものだろう。
↑LPのレーベル SIDE1。
お馴染みの「蓄音機とニッパー犬」のRCAビクター・ロゴ。
下にはLIVING STEREOの表記。
右に"STEREO ORTHOPHONIC HIGH FIDELITY"とある。
OrthophonicはRCAビクターが開発したイコライザーカーブ方式。(14)
分かる範囲で収録曲を紹介しようと思う。
Side 1
1. Armen's Theme
作曲者Ross Bagdasarian(何と読むのか?)はディッド・セヴィルという
別名でプロデューサー、マネージャーをしていた。
1956年に自身のオーケストラでこの曲を発表している。
曲名は奥方のArmenouhi "Armen" Kulhanjianのミドルネームではないか?
チェットならではのギャロッピング・スタイルのギターがたっぷり聴ける。
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/TaCkRdRNcgY
2. Let It Be Me
フランスの歌手・作曲家ジルベール・ベコーの「神の思いのままに」に英語
の歌詞をつけ、エヴァリー・ブラザーズが1960年にヒットさせた。
以降、数多くの歌手がカヴァーしゴスペルの定番曲となる。(15)
3. Theme from Picnic
1955年に製作・公開されたアメリカの恋愛映画「ピクニック」のテーマ。
主演はキム・ノヴァクとウィリアム・ホールデンだった。
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/lRYm2Uha89k
4. Theme from a Dream
メランコリックな曲。これも映画音楽だろうか。調べたが分からなかった。
フランスのジャズギタリスト、ゴナ・レティネンが2018年にカヴァーしてい
る(チェットの演奏に近い)(16)
5. Estrellita
メキシコの作曲家マヌエル・マリア・ポンセによる歌曲。(17)
タイトルの「Estrellita」とは「小さな星」を意味する。
ヤッシャ・ハイフェッツによるヴァイオリンの演奏が有名。
6. Jitterbug Waltz
ジャズ作曲家ファッツ・ウォーラーと彼の楽団が1942年に録音した曲。
ジターバグとは「ジルバを踊る人」という意味。
アメリカで1920年代のチャールストンに続き、1930年代に10代の少年少女
の間で流行したエレルギッシュなダンス。その年代の風俗を象徴する。
↑LPのレーベル SIDE2。
Side 2
1. Little Old Lady
タイトルからジャン&ディーンのThe Little Old Lady (from Pasadena)
(パサディナのおばあちゃん)を思い出してしまうが違う曲。
1937年に英国の人気歌手エルシー・カーライルが歌った。
チェットは1958年のジュリー・アンドリュースの歌唱を参考にしたようだ。
出だしからお家芸のギャロッピング・スタイルが聴けるのがうれしい。
1961年にエヴァリー・ブラザーズもカヴァーしている。
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/Uoyjlh7OE_o
2. Terry Theme from Limelight
1952年のチャップリンの映画「ライムライト」より「テリーのテーマ」。
作曲はチャップリン。歌詞付きの「エターナリー」も人気がある。(18)
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/4F90JuNu2cE
3. The Three Bells
男女3人のフォーク・コーラス・グループ、ザ・ブラウンズが1959年に歌い
全米No.1のヒットとなった曲。
4. Santa Lucia
伝統的なナポリ民謡(カンツォーネ・ナポリターナ)の曲。
5. Greensleeves
伝統的なイングランドの民謡。16世紀半ばまで口頭伝承で受け継がれた。
6. Meet Mister Callaghan
チェットが敬愛するレス・ポールが1952年にヒットさせた曲。
レス・ポールは多重録音でギターは複音。チェットのギターはシンプル。
1954年にイギリスで同名の犯罪ドラマ映画に使用されたらしい。
1952年にミッチー・ミラー楽団がカヴァーしシングルで発売している。
1961年にはベンチャーズもアルバム「Another Smash」で録音した。(19)
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/-FxKdgdjA5g
↑LPのレーベル SIDE2。
Side 2
1. Little Old Lady
タイトルからジャン&ディーンのThe Little Old Lady (from Pasadena)
(パサディナのおばあちゃん)を思い出してしまうが違う曲。
1937年に英国の人気歌手エルシー・カーライルが歌った。
チェットは1958年のジュリー・アンドリュースの歌唱を参考にしたようだ。
出だしからお家芸のギャロッピング・スタイルが聴けるのがうれしい。
1961年にエヴァリー・ブラザーズもカヴァーしている。
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/Uoyjlh7OE_o
2. Terry Theme from Limelight
1952年のチャップリンの映画「ライムライト」より「テリーのテーマ」。
作曲はチャップリン。歌詞付きの「エターナリー」も人気がある。(18)
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/4F90JuNu2cE
3. The Three Bells
男女3人のフォーク・コーラス・グループ、ザ・ブラウンズが1959年に歌い
全米No.1のヒットとなった曲。
4. Santa Lucia
伝統的なナポリ民謡(カンツォーネ・ナポリターナ)の曲。
5. Greensleeves
伝統的なイングランドの民謡。16世紀半ばまで口頭伝承で受け継がれた。
6. Meet Mister Callaghan
チェットが敬愛するレス・ポールが1952年にヒットさせた曲。
レス・ポールは多重録音でギターは複音。チェットのギターはシンプル。
1954年にイギリスで同名の犯罪ドラマ映画に使用されたらしい。
1952年にミッチー・ミラー楽団がカヴァーしシングルで発売している。
1961年にはベンチャーズもアルバム「Another Smash」で録音した。(19)
クリッすると聴けます→ https://youtu.be/-FxKdgdjA5g